ブリヂストン、スーパーGTベースのタイヤでニュル24Hトップ10を目指す

ニュル24時間挑戦10年目のブリヂストン+TOYOTA GAZOO Racing。ブリヂストンはスーパーGT用タイヤをベースに開発したタイヤを持ち込み、最も過酷なレースで「決勝シングルフィニッシュ」を目指す。

アクセルを全開にできなかった

 ブリヂストンが会見を行い、TOYOTA GAZOO Racing with TOM'Sで今季のニュルブルクリンク24時間耐久レースに参戦する大嶋和也が登壇。「総合シングルでゴールできたら」とその意気込みを語った。

 ニュルブルクリンク24時間耐久レースは、ニュルブルクリンクのグランプリコースと北コースを合わせた、1周約25kmのコースで行われる耐久レース。山岳地帯ということもあって温暖差が激しく、天候も変わりやすい。その上アップダウンが大きく、路面も非常に粗くバンピー……まさに世界一過酷と言っても過言ではないレースだ。

 このレースに日本から参戦するTOYOTA GAZOO Racingは、LEXUS RC F、LEXUS RC、TOYOTA C-HR Racingを各1台ずつ、合計3台を走らせる。そして、いずれのマシンにもブリヂストンのタイヤを装着する。

 この日の会見では、ラジオ等でも同じみのピストン西沢氏のMCで、LEXUS RC Fでニュルブルクリンク24時間に参戦する大嶋和也、そしてブリヂストンでニュルブルクリンク24時間のプロジェクト立ち上げから携わっている井出慶太氏のトークショーが実施された。

 この中で大嶋は「今でも怖い。怖いから変な力が入って、その上アップダウンもあるので、細かい筋肉が疲れる」と、ニュルのドライビングを表した。

「ずっと怖いので、最初に行った時にはなかなかアクセルを全開にできなかった。ストレートも、日本だったらハンドルをまっすぐにしていればいいですけど、ニュルは轍があったりして、まっすぐ走れないんです」

 ただ、このニュルブルクリンクを走ることは、ドライバーにとっても、そしてマシンの開発にとっても、非常に重要だと語る。

「ニュルブルクリンクは、良いクルマじゃないと走れない。人を鍛え、クルマを鍛える場所なんです。日本のサーキットを走っていたら考えられないようなところが、突然壊れたりするんです」

高まるタイヤへの要求

 TOYOTA GAZOO Racingの3台は、本番を前にニュルブルクリンク耐久シリーズや予選レースなど、3レースをニュルブルクリンクでこなした。そこでは、非常に難しい気候に見舞われたという。

「天候もとても不安定です。一番寒い時で5度、暖かくなって20度くらいの路面温度なんです。でも、どのレンジでも、ブリヂストンのタイヤはしっかり作動します。ニュルブルクリンクは、タイヤへの依存度が非常に高い」と大嶋。また、井出氏もこれに同調する。

「条件が大きく変わるので、タイヤへの要求が高まってきています」

 なお今季のRC Fは、TOM'Sのメカニックやエンジニアがチームに参加し、ニュルでの好成績を目指す。担当エンジニアの東條力氏は、スーパーGTの#36 au TOM'S RC Fやスーパーフォーミュラのアンドレ・ロッテラー車のチーフエンジニアを務める人物だ。

「チームはすごいメンバーですよ。それでもニュルは特殊で、短い期間ですけど、チームのみんなで勉強しています。国内でテストして、クルマを作って持って行ったんですけど、実際にニュルに持って言って走らせてみると、フィーリングが全然違う」

 今年も多くのGT3マシンが参戦する予定のニュルブルクリンク24時間レース。大嶋の乗るRC Fは市販車ベースの改造車であるものの「GT3並みのタイムで走れる」と言う。

「ドライバーとして精一杯仕事をして、少しでも上に行きたい。GT3マシンが30台くらい出てきますけど、そのうち何台かは抜いて、総合でシングルでフィニッシュできたらいいなと思っています」

 ブリヂストンの井出氏も「安心してレースをしていただけるよう、貢献したい」と語った。

スーパーGT用タイヤをベースに開発

 なお今回持ち込まれるタイヤは、スーパーGT用のタイヤをベースに作られたタイヤだという。タイヤ開発第2本部長の坂野真人氏は説明する。

「スーパーGT用タイヤとの一番の違いは、コンパウンドですね。スーパーGTはレースの時の気温を予想して、ピンポイントで発動するコンパウンドを用意しますが、ニュルはカバーしなければいけない温度域が広いので、そこが絶対的に違います。構造は、ニュルを想定した専用チューニングになっています」

 つまり、強度を上げ、作動温度幅も広いタイヤが用意されているということだ。

「この時期だから凍ることはないと思うので、最低は5度から、30度くらいまでは対応できるようになっています。ただニュルブルクリンクの場合は、ある程度温度域を外すことを想定してやっています。スーパーGTは温度域を外すとタイムが出ないだけですが、ニュルの場合は危険なので、外してもある程度グリップが出るように設定しています」

 ブリヂストンとTOYOTA GAZOO Racingは、ニュルブルクリンク24時間レースに挑戦して、今年が丁度10年目になる。この節目の年にブリヂストンは、サーキットに一般来場者に向けたコミュニケーションブースを出展してPRを図ると共に、チームへのサポートも充実するという。

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この記事について
シリーズ Endurance , スーパーGT , VLN
イベント名 ニュルブルクリンク24時間
サーキット ニュルブルクリンク
記事タイプ 速報ニュース