ハース小松エンジニア「来季は1レースで、今季の5レース分くらいの仕事をしなければ」

ハースF1チームの小松礼雄エンジニアが、現在そして来季に向けての仕事について語った。

 ハースF1チームでチーフエンジニアを務めるのは、小松礼雄エンジニアだ。彼は昨年までロータスF1チームのレースエンジニアを務め、今季から新たに参戦を開始したハースに移籍。奇しくも、ロータスからハースに移ったロマン・グロージャンと同じ道を辿った。ロータス時代、小松はグロージャン担当のレースエンジニアだったのだ。

 新チームならではの苦労を経験しつつも、ポイント獲得を果たすなど初年度から結果を残してきたハース。そして、チームの母国であるアメリカGPを迎えた。しかし小松は、あっさりとこう語った。

「本部はアメリカにありますけど、ファクトリーはイギリスですし、デザイナーはイタリアにいます。だから、必要な時にはビデオ会議で3カ国を繋ぐんですよ」

 アメリカのモータースポーツと言えば、NASCARとインディカーが知られる。特にNASCARの人気は凄まじく、ハースもマシンを出走させている。これについての興味を訊かれた小松は、「僕はフォーミュラが好きなんです」と答える。

「僕はシングルシーターのマシンが好きなんです。そして、F1はアメリカだけではなく、国際的なレース。チームには色々な国籍の人がいますし、色々な国に行きますから、たくさんの文化に触れることができます。ヨーロッパはもちろん、アジア、中東、そして南北のアメリカ大陸……。そして、色々な人々を積極的に活用しようとしていますし、僕はそれを楽しんでいます。だから、ひとつの国だけで行うレースをやろうとは思いません。NASCARのことは、そもそもあまり知りませんし」

 しかし、いかに様々な国籍のスタッフがいるとはいえ、ハースF1チームの規模はまだまだ小さいという。

「チームでは、今100人くらいの人が働いています。僕が去年までいたルノーは400人、今では550人くらいになっています。マクラーレンだと、800〜900人ですから」

「そういう小さいチームですから、色々と改善していかなければいけません。今はトラックサイドのエンジニアには、ファクトリーからのサポートがありません。マクラーレンやフェラーリのようなチームは、ファクトリーにも多くの人が待機していて、そしてレースの週末にもサポートをしている。ハースにはそれがないので、スタッフひとりひとりがたくさんのことをしなきゃいけないんです」

「普通なら、シーズン終盤のチーフエンジニアの仕事量はそれほど多くありません。でも、来季への準備はもちろん、新たに人も雇わなければいけないし、こうやってインタビューにも対応しなければいけない。ギュンター(シュタイナー)らトップマネージメントとの仕事もあるので、とてつもない仕事量です。素晴らしいチャレンジだけど、とても忙しいです」

 しかも、来季はレギュレーションが大きく変更される年であり、それが業務量の増加に拍車をかけている。

「来年はレギュレーションが大きく変わりますから、今年と同じ進歩の度合いでは、遅れを取ってしまうでしょう。もっとプロフェッショナルに働かなければいけません。他のチームはたくさんのアップグレードをしてくるでしょうから、僕らもその分用意しなければいけません。だから、とても大きな挑戦です。今年の5レース分が、来年の1レース分に相当するくらい。我々はそれを成し遂げるために準備をしています」

 新規参入ながら、ハースはここまで5回の入賞を果たし、29ポイントを獲得している。ランキングは現在8位だ。来季はこれより上の順位を目指したいところだが、非常に難しいということを、小松は認める。

「今と同じ位置にいることを目指すだけでも、大きなチャレンジだと思います。マクラーレン・ホンダは大きく進歩を遂げるでしょう。彼らはフルワークスチームだし、ホンダエンジンさえ良くなれば、マクラーレンは良い仕事をするはずです。トロロッソは空力は素晴らしいし、来年はルノーエンジンを使います。ルノーのエンジンも、良くなるはずです。そして、ルノーのワークスチームは今年は我々の後ろにいますけど、前進するのは明らかです」

「8位というポジションに留まるためには、大きな進歩を遂げなければいけません。それは大きなチャレンジですよ。僕らはワークスチームではありませんからね」

インタビュー:Erwin Jaeggi

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この記事について
シリーズ F1
チーム Haas F1 Team
記事タイプ インタビュー