ベッテル「F1には”危険”の要素も必要」

フェラーリのセバスチャン・ベッテルは、イタリアのトリノで行われたFIAのスポーツ会議で、モータースポーツにおける安全性と危険性の微妙な境界線について意見を述べた。

 将来のためには、時折過去に起きたことをよく考えなければならないことがある。そのため、トリノで行われているFIAのスポーツ会議のオープニングパネルディスカッションは「A passion for speed - how the heritage of motorsport can shape its future (スピードへの情熱 - モータースポーツの伝統はどのように自身の未来を築くか)」ということに焦点が当てられた。

 参加者は、ジャッキー・イクスからペター・ソルベルグ、アラン・マクニッシュ、エマニュエル・ピロ、そしてセバスチャン・ベッテルという、世界的にも有名なモータースポーツ界のヒーローらが集まった。

 参加者がどのようにしてパワーとスピードにのめり込んだかという心温まる話をする一方で、安全性の進歩を讃えながらも危険性の必要性についても言及して注目を浴びたのは、4度のF1ワールドチャンピオンのベッテルである。

「レースの歴史を知り、昔はドライバーが危険に晒されていたことや今ほどマシンも安全ではなかったことを考えると、マシンはより安全になったし、言うまでもなく僕たちにとってとてもいいことだ。だから正しい妥協点を見つけることが必要なんだ」と、ベッテルは話した。

「情熱、スピード、危険性、ノイズという要素はとても重要だ。同じように、僕たちはこのスポーツをもっと安全にしていかないといけない。何かが起きた時に目を閉じてはいけないし、対処する必要がある。これまでに起こったことから学んできたし、今もそうだ。これは正しいアプローチだと思う」

「バランスをとるのは難しいし、結局、最初のうちは間違っているように聞こえるかもしれない。だけど、これが人々にアピールする方法だし、どうにかしてこのスポーツは危険なままであるべきだと思う。もしこの要素を失えば、人々は自分たちの手の届かないところで起きたことを理解しないだろうし、このスポーツはエキサイティングなものではなくなる」

ベッテルは「スピードへの情熱」を持っている

 彼のドライビング経験に先立ち、幼年期にはおもちゃの車で遊んでいたというベッテルのモータースポーツへの愛情を振り返ると、彼の想像力を突き動かしたものこそがスピードであったと話した。

「子供の頃の自分はスピードの虜だった。レースは(スピードの)重要性を保ち続けるし、スピードは極めて重要なもののひとつだ。みんながスピードへの情熱を持っていてもそうでなくても、それはとてもエキサイティングなものだよ」

「スピードの感覚と実際のコーナリングスピードは信じられないほど素晴らしいし、モータースポーツの歴史を見てもメインの存在だ。スターリング・モス卿のようなドライバーの話をすると、彼らの時代のF1マシンはこれまでのマシンの中でベストなマシンで、最もエキサイティングなマシンだ。今よりも危険で、ワクワクするマシンだったと思う」

バクーへの批判は間違っている

 初開催のバクーでのレースを終え、その後トリノに向かったベッテル。彼はバクーシティサーキットは、安全性と危険性のバランスが取れたサーキットだと指摘した。

 タイトなコーナーと2キロ以上のストレートを兼ね備えたこの高速市街地コースは、日曜日の決勝レースに向けて度々批判されてきた。しかしサーキット自体は、レーシングインシデントから十分にドライバーを保護できて、なおかつドライバーを試し、危険性の錯覚を見せられるように設計された。

「先週バクーに来た時、サーキットは危険すぎるという批判をされていたけど、僕はそうは思わない。FIAとバクーの人たちはおそらく、レースができる環境ではなかったけど素晴らしいこの場所をレーストラックにするために地獄のように大変な仕事をやってきた。これは目を見張るようなことだし、間違いの余地は少しもないよ」

「こういうことがレースをよりエキサイティングなものにする。昔もそうだったし、今もレースはワクワクするものだ」

セバスチャン・ベッテル パネルディスカッション動画...

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この記事について
シリーズ F1
ドライバー Sebastian Vettel
記事タイプ 速報ニュース