マクラーレン+曙ブレーキ10周年。1周あたり”18秒”を担う、ブレーキの重要性

マクラーレンと曙ブレーキのパートナーシップ10周年を記念した記者会見が行われた。

 日本GP開催を前に、東京の曙ブレーキ本社で、マクラーレンと曙ブレーキの共同記者会見が行われた。

 この記者会見は、両者のパートナーシップが10周年を迎えたことを記念して行われたもの。会見にはマクラーレンのレーシングディレクターであるエリック・ブーリエや来季からレギュラードライバーを務めるストフェル・バンドーン、そして同チームの今井弘エンジニアが出席。今季GP2で活躍中の松下信治の姿もあった。

 会見で曙ブレーキの信元久隆代表取締役社長は「この10年でマクラーレンから多くのことを得ることができた。そして、その成績に貢献できたと自負しています」と語り、曙ブレーキにおけるF1活動の重要性を訴えた。

 同社の名前は、日本での認知度は当初から高かったものの、当時の欧州での知名度は低かった。しかしF1に挑戦したことで欧州での知名度は格段に上がり、今ではポルシェやアウディ、ベントレーやAMGといった、市販車にも曙ブレーキの製品が使われるようになったという。

 一方、マクラーレンのブーリエは「強い関係を築いた10年間だった。使われるすべての製品がベストなものでないと、ベストなマシンを作ることはできない。曙ブレーキは、成功の必要な存在だ」と最大限の賛辞。またバンドーンは、「自信を持ってブレーキを踏めるかどうかで、タイムを上げることができるかどうかに繋がる。もっとも大切なパーツだと言っても過言ではないよ」とブレーキの重要さを語った。

 曙ブレーキは当初、ブレーキキャリパーとシリンダーを供給していた。しかし、2013年からはテクノロジーパートナーシップ契約を締結し、2014年からのブレーキ・バイ・ワイヤ(BBW)のシステムをマクラーレンと共同開発している。BBWは従来の機械式ブレーキと回生ブレーキを強調する上で欠かせないシステムであり、チーム内での曙ブレーキの重要性を窺わせた。

 なお今井エンジニアによれば、ブレーキキャリパーは、10年で約500gの軽量化に成功。この重量はラップタイムを0.015秒短縮することに相当するという。これを実現するためには、冷却効率の向上が重要。そのため、キャリパーの開発にも、エアロパーツ同様にCFD(計算流体力学)が活用されているという。また、ブレーキはただ制動のみに使うわけではなく、タイヤ性能の活用やエアロパフォーマンスにとっても重要だと解説した。

 ちなみに今井エンジニアは、もしF1マシンにブレーキが装着されていなければ、ラップタイムは18秒遅くなるというシミュレーション結果も披露した。

 2017年からはマシンのレギュレーションが大きく変わるが、これに対しても曙ブレーキとの共同開発により、さらなる制動距離の短縮を目指すと語った。

 今週末の日本GPに向けては「鈴鹿サーキットはブレーキには厳しくないサーキットです」と今井氏は言う。しかしその反面「ブレーキを常に最適な温度で使うのが難しいサーキット」でもあり、「かなり頭を悩ませながら、セットアップしていくサーキットです」と解説した。

 またブーリエは、「鈴鹿はマシンに適したサーキットではないかもしれない。でも、先日のマレーシアのように、2台揃って入賞することを目指していきたい」とコメント。さらに曙ブレーキの根岸利行執行役員は、「曙ブレーキは日本のメーカーです。なので、日本でのレースでは、最高の結果を残したいと考えています」と語り、これに応えた。

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この記事について
シリーズ F1
チーム McLaren
記事タイプ 速報ニュース
タグ akebono brake, 曙ブレーキ