ロシアGP決勝分析:最強メルセデスに隙無し。マクラーレンに躍進の兆し?

デグラーデーションの小さいソチでは、最強メルセデスに付け入る隙は無し。ウイリアムズだけが、性能劣化に苦しんだ。一方、マクラーレン・ホンダの戦闘力向上、その一端も垣間見えた1戦

 不運がライバルに相次いだとはいえ、ロシアGPもニコ・ロズベルグ(メルセデスAMG)が圧勝。これで今季開幕戦からの連勝を4に延ばした。

 今回のグランプリ、メルセデスAMG勢に太刀打ちできるマシンは皆無だった。予選のタイム差を見るだけでも一目瞭然だが、決勝のペースでも、頭ひとつもふたつも抜きん出ていた。ロズベルグは、1周あたり1秒以上後続のマシンより速いペースで走り、結果圧勝した。気をつけなければならないライバルはチームメイトのルイス・ハミルトンだけだったが、ハミルトンはウイリアムズのバルテリ・ボッタスをなかなか抜けずに差を広げられてしまい、さらに水圧のトラブルに見舞われたこともあってペースが伸びず、ロズベルグの圧勝を許すことになった。

走るほどにペースが上昇。デグラデーションの小さいソチ

 ロシアGPの舞台となったソチ・オートドロームは、タイヤのデグラデーションが非常に小さく、多くのマシンが、走れば走るほど燃料を使った分だけラップタイムが上がる傾向にあった(正しく言えば、燃料を消費して車重が軽くなることによるラップタイムの上昇幅の方が、タイヤの性能劣化によるペースダウンの幅を上回っていた、ということだ)。

 ただ、上位ではウイリアムズだけが、スティント後半に大きなデグラデーションの傾向を示していて、結局ボッタスは16周目にいち早くピットインし、タイヤを交換しなければならなかった。

 通常のレースなら、先にタイヤを交換した方が、新しいタイヤの恩恵を得て速く走ることができる。そして、その恩恵を活かしてライバルの前に出る、いわゆるアンダーカットと呼ばれる作戦が多く採られる。ウイリアムズのように先にピットインすれば、後方を走っていたマシンに先行されることはまずない。しかしここソチに限っては、前述の通りタイヤの性能劣化が少なく、新しいタイヤの恩恵を受けにくいためにこの作戦は成功せず、ピットインを遅らせたキミ・ライコネン(フェラーリ)が、逆にボッタスの前に出ることとなった。

 とはいえ、ボッタスの第1スティント後半、13周目以降は1周あたり0.25秒程度ずつペースが落ちており、彼としてはここでピットインせざるを得なかった。タイヤをスーパーソフトからソフトに交換した後、第2スティントの後半でも、他のマシンのペースが伸びているにもかかわらず、ウイリアムズの2台にはデグラデーションの傾向が見て取れる。この事実は、ウイリアムズのマシンがタイヤに非常に厳しいということを如実に示しており、彼らの弱点を露呈する結果となった。

マクラーレン・ホンダの躍進。注目は42、49、52周目

 メルセデス、フェラーリ、ウイリアムズの3チームは、それぞれパフォーマンス差が大きく、いずれも単独走行のような形になっていた。結果、レース後半にはバトルもなく、淡々としたレースとなった。これら3チームの次点に単独で存在したのは、間違いなくトロロッソである。マックス・フェルスタッペンはリタイアするまで、ウイリアムズには劣るものの、7番手以下のマシンより0.5秒以上速いペースで走っていた。トラブルは実に残念だったが、そのパフォーマンスは常に入賞圏内走るには十分なものであったと言えよう。

 トロロッソ以下は大混戦だったが、その中で抜けているだろうと思われるのは、マクラーレン・ホンダである。

 6位に入賞したフェルナンド・アロンソは、7位を争ったケビン・マグヌッセン(ルノー)らとほぼ同一のペースでレースの大半を走った。しかしレース終盤、42周目、49周目、52周目の3周のみ、瞬間的にペースを上げ、当時のフェラーリやウイリアムズにも勝るラップタイムを計測している。これは、マクラーレンが相当のパフォーマンスを秘めているという証拠ではないだろうか。

 その他の周回でルノーらと同じようなペースで走ったのは、燃料をセーブしていたから(この措置は、特に燃費に厳しいコースである)であると考えられ、マシン自体のパフォーマンスはかなり向上してきている兆しの一環と見ることができるように思う。燃費が厳しくないサーキットならば、トロロッソはもちろん、ウイリアムズらと闘うこともできるかもしれない。

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この記事について
シリーズ F1
イベント名 ロシアGP
サブイベント 日曜日 決勝レース
サーキット ソチ・アウトドローモ
記事タイプ 分析