扱いにくい? ウルトラソフトの使い方が鍵:モナコGPフリー走行分析

初登場のウルトラソフトタイヤ。しかし、デグラーデーションが大きい上、それほど速くない? スーパーソフトがメインになるか?

 昨日行われたモナコGP予選。トップタイムを記録したのは、レッドブルのダニエル・リカルドだった。しかもメルセデスのルイス・ハミルトンに対して0.6秒もの差をつけたトップタイム。これには、メルセデスのふたりのドライバーも「埋めるのは簡単ではない」と警戒感を隠さない。

ウルトラソフトのデグラデーション

 確かにリカルドの一発のタイムは秀逸だった。では、ロングランではどうだろうか? フリー走行2回目でリカルドは、初登場のウルトラソフトタイヤを履き、ロングランを行っている。この時は6周連続でラップタイムを計測したのだが、この時のデグラデーションは1周あたり0.27秒と比較的大きいモノだった。チームメイトのマックス・フェルスタッペンも同じくウルトラソフトでロングランを行っており、1周あたり0.34秒というさらに大きいデグラデーション値を示していた。

 この新登場のウルトラソフトタイヤは、非常に扱いが厄介かもしれない。デグラデーションが多い割には、それほど速くないのだ。一方、今回持ち込まれたその他のコンパウンド、スーパーソフトとソフトは、デグラデーションが小さく、その上ラップタイム差も大きくない。

デグラデーション少ないスーパーソフト&ソフト

 レッドブルのふたりはこのセッションで、ウルトラソフトしか使用していないので比較するのは難しいが、例えばフォースインディアのニコ・ヒュルケンベルグは、良質のサンプルを提供してくれている。彼はウルトラソフトで7周、ソフトタイヤで14周の連続走行を行ったが、その時のデグラデーションは、ウルトラソフトで0.263秒/周、ソフトで0.022秒/周を記録している。

 つまりふたつのコンパウンドの性能差が1秒だったとしたら、5周もあれば逆転してしまうという計算だ。事実、フォースインディアのふたりは、もちろんトラフィック等の影響もあっただろうが、ソフトタイヤの方でセッション最速タイムを記録している。なお他のドライバー、例えばフェラーリのセバスチャン・ベッテルやトロロッソのカルロス・サインツJr.などを見ると、スーパーソフトのデグラデーションも0.05〜0.07秒/周程度に収まっており、ウルトラソフトと比べるとかなり小さい。

 ここから言えること、それは予選から先のタイヤ選択が難しくなるだろうということだ。このグランプリには、ほとんどのチームがウルトラソフトを多めに持ち込んでいるが、決勝ではウルトラソフトではなく、スーパーソフトの出番が多くなってくるように思える。事実、フリー走行2回目からはスーパーソフトタイヤを使うマシンが少なくなっていた。ただ、上位3チーム(メルセデス、フェラーリ、レッドブル)のほとんどは、すでにもう1セットしかスーパーソフトを残していない。唯一リカルドのみが、2セットのスーパーソフトを残しており、この点でも彼には有利な展開となっているように思われる。

トロロッソとフォースインディアに注目

 ロングランペースが優れていたのは、レッドブルはもちろんだが、トロロッソと前述のフォースインディアの2チームである。特にトロロッソは、ペースだけで言えば、レッドブルをも凌いでいる。またフォースインディアは絶対的なペースは速くはないものの、非常に安定した、しかも非常にレベルの高いペースを残している。この2チームは、今回のグランプリの、要注目チームであると言えるだろう。

 なお、一発タイムを出し切れなかったフェラーリは、連続走行のペースを見れば、レッドブルと大差ないように思える。ベッテルも「土曜日にはもっと良くなる」と語っており、それを裏付けている格好だ。一方メルセデスは、速いラップと遅いラップを交互に繰り返す走行を行っていて、その真価はなかなか計り知れない。

 さて、モナコGPは他のグランプリとは異なり、金曜日は走行がなく、次のセッションは土曜日に再開される。チームは、金曜日1日かけて、データの分析と土曜日以降に向けての準備に勤しんでいることだろう。

 

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この記事について
シリーズ F1
イベント名 モナコGP
サーキット モンテカルロ
記事タイプ 分析