F1アメリカGPフリー走行分析:ソフトのペースが優秀なレッドブル。打倒メルセデスなるか?

1発タイムはメルセデス優勢も、ロングランではレッドブルに軍配? フェラーリの立ち位置は不透明

メルセデスの真の実力はいかに?

 日本GPから2週間のインターバルを経て、F1は北米にやってきた。アメリカGPである。

 その初日の走行が行われ、フリー走行1回目はルイス・ハミルトン、2回目はニコ・ロズベルグがトップタイム。メルセデスが相変わらずの速さを見せつけている。ただ、レッドブル陣営は今回特にメルセデスに接近しているように見え、ダニエル・リカルドも自信のコメントを発している。

 レッドブルが自信を持っている部分、それはロングランのペースだ。実際にフリー走行2回目の走行を検証してみよう。

Daniel Ricciardo, Red Bull Racing at a farm in Austin
Daniel Ricciardo, Red Bull Racing at a farm in Austin

Photo by: Red Bull Content Pool

  まずリカルドは、スーパーソフトタイヤを履いて1分41秒7でロングランを始め、1分42秒台を4周続けた後、1分43秒2を出したところでセッションは赤旗中断となってこのスティントを終了させることになった。この時の彼のデグラデーション(タイヤの性能劣化によるラップタイムへの影響)は、単純計算で1周あたり0.22秒程度である。チームメイトのマックス・フェルスタッペンも同じスーパーソフトでロングランを行い、リカルドよりも若干劣るものの好レベルのペースで走った。

 対するメルセデス勢は、ニコ・ロズベルグがスーパーソフトタイヤを履いてロングランを実施。ロズベルグのロングランは1分42秒3で始まり、1分43秒6で終わっている。こちらのデグラデーションは0.165秒/周だった。

 レッドブルがより優れているのは、ソフトタイヤでのペースだ。リカルドは1分42秒台で7周を走破、フェルスタッペンも同様に1分42秒台を続けた。ふたりのデグラデーションは、ほぼゼロに等しい。対するロズベルグは、走り出しこそ1分42秒台だったものの、デグラデーションがレッドブルより大きく、最終的には1分43秒台後半までラップタイムを落とした。

 ここから判断するに、1発のアタックラップではメルセデスに分があるものの、ロングランのペースではレッドブル勢に軍配があがるかもしれない。

Daniel Ricciardo, Red Bull Racing RB12, Lewis Hamilton, Mercedes AMG F1 W07 Hybrid
Daniel Ricciardo, Red Bull Racing RB12, Lewis Hamilton, Mercedes AMG F1 W07 Hybrid

Photo by: Red Bull Content Pool

  ただ、リカルドも自身のコメントの中で言っているように、メルセデスは2日目以降ペースを上げてくることが多く、初日の燃料搭載量の差も不明である。しかし、両者が僅差である可能性が高く、予選、そして特に決勝では、接近戦が展開されることになるかもしれない。

 なおフェラーリの立ち位置については、判断が難しいところだ。セバスチャン・ベッテルとキミ・ライコネンは共にソフトタイヤを履いてのロングランを行ったが、ベッテルは1分43秒5〜1分45秒6のペース、ライコネンは1分42秒台〜1分43秒7のペースと、ふたりのペース差が大きすぎるのだ。フェラーリの戦闘力を判断するのは、フリー走行3回目まで待ちたいところである。

”4番手チーム”はフォースインディア? ウイリアムズ&トロロッソも僅差

Nico Hulkenberg, Sahara Force India F1 VJM09
Nico Hulkenberg, Sahara Force India F1 VJM09

Photo by: XPB Images

  さてこれらトップ3チームの後方にいるのはどのチームか? 今回も非常に接戦になっていそうだ。フリー走行2回目のタイム結果は、6番手ニコ・ヒュルケンベルグ(フォースインディア)から11番手のカルロス・サインツJr.(トロロッソ)までが0.5秒以内の差。17番手のジョリオン・パーマー(ルノー)でも1秒差以内に収まっている。

 これらのチームのロングランも見てみることにしよう。一発タイムでトップ3以外最速だったフォースインディアは、ヒュルケンベルグ、ペレスともにミディアムタイヤでのロングランを行った。この時のロングランのペースは、メルセデスのルイス・ハミルトンのミディアムでのロングランと遜色ないものだった。ただ、ウイリアムズのバルテリ・ボッタスやトロロッソのカルロス・サインツJr.もミディアムで同様のペースで走っており、やはり激戦の予感である。

Fernando Alonso, McLaren MP4-31
Fernando Alonso, McLaren MP4-31

Photo by: XPB Images

  1発タイムではこの集団の中にマクラーレンも位置している。しかし、ロングランのペースでは若干劣っているように見える。

 なお、今回のコンパウンド間のペース差は、スーパーソフトとソフトの差は1秒、ソフトとミディアムの差も1秒程度あると、ピレリのレーシングディレクターであるポール・ヘンベリーは語っている。またmotorsprot.comの計算によれば、平均のデグラデーションは、スーパーソフトで0.293秒/周、ソフトは0.117秒/周、ミディアムは0.042秒/周程度であると考えられる。このように若干デグラデーションは大きめであるため、1ストップでレースを走り切るのは難しく、最低でも2ストップ、3ストップの戦略も十分に考えられそうだ。

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この記事について
シリーズ F1
イベント名 アメリカGP
サーキット サーキット・オブ・ジ・アメリカズ
記事タイプ 分析