F1アメリカGP決勝:ハミルトンが好スタートを切りポールトゥウィン、6戦ぶりの勝利

F1アメリカGP決勝でハミルトンが好スタートを切ったことでトップを独走し、隙を見せることなく6戦ぶりの勝利を獲得した。

 10月24日月曜日午前4時(現地時間14時)より、F1第18戦アメリカGPの決勝がサーキット・オブ・ジ・アメリカズで行われた。メルセデスのルイス・ハミルトンが好スタートでトップをキープし、安定した走りで最近のレースでの不調を晴らすように勝利を掴み取った。

 テキサス州に位置するこのサーキットは昼夜の気温差が激しいという特徴を持っており、フリー走行の午前と午後のセッションで路面温度の差は10℃以上あった。決勝は気温27℃、路面温度35℃というコンディションで、3日間の中で最も温度が高い。

 今回のアメリカGPで、チームの大きな関心事のひとつはタイヤ選択だろう。ピレリはスーパーソフトタイヤのデグラデーションが激しく、決勝向きではないであろうことを示唆している。

 トップ10の中で、ハミルトンと同僚のニコ・ロズベルグ、レッドブルのマックス・フェルスタッペンだけが、ソフトタイヤを装着してグリッドに並ぶ。レッドブルのダニエル・リカルドはチームと本人たちの意向でタイヤ戦略を分かちスーパーソフト、フェラーリ勢は予選でソフトタイヤを履く余裕がなかったため、スーパーソフトタイヤでのスタートだ。

 決勝スタートはハミルトンが好スタートを切り、1コーナーでトップを確保する。2番グリッドスタートのロズベルグも後を追うが、その背後から3番手のリカルドが迫り、1コーナーの立ち上がりでロズベルグをかわした。また4番グリッドスタートのフェルスタッペンは、1コーナーでフェラーリのキミ・ライコネンに外側から先行された。7番グリッドからスタートしたフォースインディアのニコ・ヒュルケンベルグはバルテリ・ボッタスと接触し、フロントウイングに大きなダメージを負い、ピットインする。その後リタイアとなった。一方のボッタスもタイヤをパンクしたため、1周目にピットインを強いられる。

 8周終了時点という早いタイミングで、ライコネンとリカルドがピットイン。ソフトタイヤに交換した。2番手になったロズベルグへチームがプッシュするように呼びかけるが、ロズベルグはタイヤが厳しいと返した。

 9周を走り切ったところでフェルスタッペンがソフトタイヤに交換。2チームにつられたようにロズベルグもミディアムタイヤに交換、次の周でハミルトンがソフトタイヤに交換した。

 ソフトタイヤに交換した後のフェルスタッペンは速いペースで走り、3番手のロズベルグに詰め寄る。その差は約1秒だ。

 ベッテルは最初のスティントを伸ばし、14周を走り切ったところでピットイン。ソフトタイヤに交換した。

 17周目でハースのエスティバン・グティエレスが、1コーナーでコースオフ。トラブルのようだ。グティエレスはパワーダウンしながらもピットインするが、リタイアとなる。

 21周目で、マクラーレンのジェンソン・バトンがトロロッソのダニール・クビアトをかわし、トップ10圏内に入る。クビアトのペースは上がらず、その後ろにいたハースのロマン・グロージャンにも先を譲ることになった。その後ピットインし、ミディアムタイヤに交換してピットアウトする。

 24周目にライコネンが2回目のピットストップに入り、ユーズドのスーパーソフトタイヤに履き替えた。一方のフェルスタッペンの勢いは徐々に落ちていき、ロズベルグとの差は約4秒に開いた。

 25周を走り切ったところでリカルドがピットストップ、ミディアムタイヤを選択した。一方、1回目のピットストップで上位チーム唯一のミディアムタイヤを履いたロズベルグは1分43秒台前半をマークし、ハミルトンとの差を縮めている。

 26周目終了後にピットストップしたフェルスタッペンはタイヤ交換でミス。ピットとのコミニュケーションが取れておらず、タイヤ交換の準備ができていなかったのだ。一方、スーパーソフトタイヤを履いたライコネンは、1分41秒台でファステストを更新。4番手のリカルドを追う。

 29周目にベッテルが2回目のピットストップでミディアムタイヤに交換する。その一方、フェルスタッペンはコーナーの立ち上がりでマシンから異音を立てながらパワーダウンしてしまう。アクセルをあけると異音がするとラジオでチームに伝えた。第3セクターまでなんとかマシンを持っていくが、ピットまで戻ることができずマシンをコース脇に止め、リタイアとなった。バーチャルセーフティーカーが出動される中、ハミルトンとロズベルグがミディアムタイヤに履き替える。このバーチャルセーフティカーは3周後に解除された。

 38周終了後、ライコネンが2回目のピットストップでソフトタイヤに交換しピットアウト、右リアから火花を発しながらファストレーンに戻りコースを目指すが、ピットレーン出口で完全停止してしまう。イエローフラッグが振られるが、ライコネンがバックでピットに戻ったことですぐに解除された。右リヤタイヤの装着が完全ではなかったようで、チームの指示でマシンを止めた。ライコネンがリタイアしたことで、トロロッソのカルロス・サインツが5番手に浮上する。彼はトップ10で唯一のソフトタイヤを装着している。その後につけているマッサも、DRS圏内でサインツの後を追う。

 レース残り12周、3番手のリカルドがチームとラジオでタイヤ戦略について揉めている。チームはピットインを呼びかけるが、リカルドは2ストップ作戦を想定していたのか不満を漏らしそれを拒否した。リカルドはミディアムタイヤで20周目に突入しており、トップ10でもっとも長い距離を走っている。前のロズベルグとは5秒差、後ろのベッテルとは約14秒差開いている状況だ。

 残り10周で熾烈な5番手争いが繰り広げられる。サインツとマッサの後ろに、アロンソが1秒以内の差まで迫っている。サインツはソフトタイヤのデグラデーションが気になる状況だろうが、なんとかマッサを抑える。アロンソは詰まり気味のマッサを強くプッシュするという、なんとも目が離せない展開だ。

 残り6周、ルノーのケビン・マグヌッセンとジョリオン・パーマーはチームメイト同士で13番手争いをしている。2ストップの後、ミディアムタイヤで走るパーマーに対し、マグヌッセンは3ストップを行ってスーパーソフトに履き替えており有利だ。パーマーをかわし、マグヌッセンは13番手に上がる。

 セッション残り4周でトップのハミルトンと2番手のロズベルグの差は6秒に縮まっていたが、ふたりのタイムは揃って1分42秒台であり、残りの周回で追いつくことは厳しい状況である。

 一方、未だ熾烈な5番手争いをしている3台。ターン15の出口で深くインに入ったアロンソが、とうとうマッサをかわして6番手に浮上した。マッサはアロンソがインに入っていたのにも関わらず、走行ラインを寄せたため2台は接触。マッサは速度を緩め5番手争いから脱落した。またこの時マッサは接触でタイヤをパンクさせたためにピットインを余儀なくされ、さらにレース後にその行為に対して審議されることとなった。その間にベッテルが、ピットストップでスーパーソフトタイヤに履き替える。

 残り2周、アロンソは最初のセクターからサインツに勝負を仕掛ける。その差は0.3秒だ。1コーナーでの攻撃をサインツはなんとか防ぐが、ターン12手前でアロンソが前に出て、コーナーの入り口でサインツを刺す。アロンソがコーナー出口でややオーバーランをするが、サインツはその隙を狙うことができず。アロンソはラジオで歓喜をあげ、さらにサインツを引き離す。一方、ベッテルは1分39秒877でファステストラップをマークした。

 トップでチェッカーを受けたのは、好スタートでフロントをキープし、最後まで安定した走りを見せたハミルトンだ。その4.5秒後にロズベルグ、最後までタイヤ交換でチームと言い争いをしていたリカルドが3位となった。

 最後にファステストを獲得したベッテルがトップ3の後に続き、5位は熾烈な争いに打ち勝ったアロンソ、その後に最後までソフトタイヤで粘り強く走り続けたサインツ。マッサは最後にタイヤ交換を余儀なくされたが、ポジションをキープし7位に入賞した。19番グリッドから上がってきたバトンは9位、そしてグロージャンが10位に入り、入賞を果たした。

 次戦メキシコGPは、1週間後の10月28−30日に開催される。

F1アメリカGP決勝

ClaDriverChassisEngineGap
1  Lewis Hamilton  Mercedes Mercedes  1:38'12.618
2  Nico Rosberg  Mercedes Mercedes 4.520
3  Daniel Ricciardo  Red Bull TAG 19.692
4  Sebastian Vettel  Ferrari Ferrari 43.134
5  Fernando Alonso  McLaren Honda 1'33.953
6  Carlos Sainz Jr.  Toro Rosso Ferrari 1'36.124
7  Felipe Massa  Williams Mercedes 1 lap
8  Sergio Perez  Force India Mercedes 1 lap
9  Jenson Button  McLaren Honda 1 lap
10  Romain Grosjean  Haas Ferrari 1 lap
11  Kevin Magnussen  Renault Renault 1 lap
12  Daniil Kvyat  Toro Rosso Ferrari 1 lap
13  Jolyon Palmer  Renault Renault 1 lap
14  Marcus Ericsson  Sauber Ferrari 1 lap
15  Felipe Nasr  Sauber Ferrari 1 lap
16  Valtteri Bottas  Williams Mercedes 1 lap
17  Pascal Wehrlein  Manor Mercedes 1 lap
18  Esteban Ocon  Manor Mercedes 2 laps
   Kimi Raikkonen  Ferrari Ferrari  
   Max Verstappen  Red Bull TAG  
   Esteban Gutierrez  Haas Ferrari  
   Nico Hulkenberg  Force India Mercedes  

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この記事について
シリーズ F1
イベント名 アメリカGP
サーキット サーキット・オブ・ジ・アメリカズ
ドライバー Carlos Sainz Jr. , Daniel Ricciardo , Felipe Massa , Fernando Alonso , Lewis Hamilton , Nico Rosberg , Sebastian Vettel
記事タイプ レースレポート