ジョルジョ・ピオラ【F1メカ解説】

【F1メカ解説】レッドブル、メルセデスを追うために開発を猛プッシュ

中国GPで見られた、レッドブル、フェラーリ、マクラーレンのマシンのアップデートを一挙にチェック!

レッドブル

 利用可能なトークンの残りはわずかに7。レッドブルはいまだにパワーユニットの性能不足に苦しんでいるが、このオフ中に多くのトークンを消化した。

 カナダGPにはさらにトークンを使用したパワーユニットが登場する予定だ。レッドブルがそのパワーユニットを導入した際には、パフォーマンスが大幅に上昇する可能性がある。彼らは、勢力図を混乱させ続けている。

 そしておそらく、彼らは信頼性を最大限確保するため、パワーユニットのパフォーマンスを低下させている。これは、アップデート版のパワーユニットが登場するカナダGPまでのレースを、1基のパワーユニットで乗り切るための策だと考えられる。

 一方シャシーの面では、より効果的なダウンフォースを生み出すために、精力的に開発が続けられている。中国では、メルセデスを模したモノをテストしていた。例えば、ワーキングレンジを改善するために、フロントウイングのノコギリ状の小さなフィンが取り付けられていた。

 

Red Bull Racing RB12 front wing detail
Red Bull Racing RB12 front wing detail

Photo by: Giorgio Piola

 レッドブルはメルセデスのアイデアを取り入れたものの、独自の工夫を施してきた。メルセデスは後方2番目のフラップのみにフィンを配置しているが、レッドブルの場合はその下のフラップにも、同様のフィンが付いている。これらのフィンは空気の渦を作り、フラップの後端を離れる長さを変え、フラップと空気の分離点をコントロールしているはずだ。

 チームは手応えを感じ、セットアップとペースの確認を終えたが、中国GPの予選や決勝では使われかなった。しかし、次のソチにはさらなる検討を行うという。

Red Bull Racing RB12 rear detail
Red Bull Racing RB12 rear detail

Photo by: Giorgio Piola

 素晴らしいディテールだが新しいわけではない、レッドブルのアップデート。この画像の矢印で示す箇所は、ディフューザーの後端が上向きに上がっているが、これは外側の気流を制御しているはずだ。

フェラーリ

Ferrari SF16-H front detail
Ferrari SF16-H front detail

Photo by: Giorgio Piola

 フェラーリはバルセロナでアップデートを行う予定のため、今回は大きなアップデートは持ち込まれていない。

 ただ今回は、ブレーキに特に注意が払われていた。上海のサーキットは、バーレーンなどに比べてビッグブレーキングのポイントが少なく、ブレーキにはそれほど厳しくないが、フェラーリはディスクの外周に開けられた穴を850〜900か所から1200箇所以上に増やした。

 この変更は容易の見分けることができる。これまでは4列だった穴が、今季は5列になり、結果的に穴の総数も増えた。これは、素材を損傷し、オーバーヒートが起きることを防ぐための処置だ。

 チームはまた、冷却のためにディスクの熱を解放してホイールリムへ逃がす、幾つかの異なる形状の開口部を作るなど、ブレーキドラムの形状についても様々なソリューションを試した。

Brake discs
Brake discs

Photo by: Giorgio Piola

(パフォーマンスが向上したことで、ブレーキディスクの開発も進んでいった。特に冷却用の穴の数と形状が、大きく変化してきたのがわかる).

マクラーレン 

 マクラーレンは、ノーズ下に少しの変化を加えてきた。写真のように、ノーズ下中央部にシャークフィンを備えてきたのだ。フェラーリも、マクラーレンほど顕著ではないものの、同様の形状を採用している。これは、ノーズ下を流れる気流を制御するために使用されている。

 この空気の流れは、前方からの気流がターニングベインに作用するのを改善し、特に中・低速コーナーでのヨーイング抑制に効果を発揮すると思われる。

McLaren MP4-31 front wing detail
McLaren MP4-31 front wing detail

Photo by: Giorgio Piola

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この記事について
シリーズ F1
イベント名 中国GP
サーキット 上海国際サーキット
記事タイプ 分析
Topic ジョルジョ・ピオラ【F1メカ解説】