【F1分析】バンドーンはハミルトンの再来となるのか?-前編

前評判の高いバンドーンは、来季アロンソと組みF1フル参戦を開始する。同じくアロンソと組みデビューしたハミルトンと彼はどう違うのか?

 マクラーレン・ホンダのフェルナンド・アロンソは、10年前とよく似ている状況に置かれているように思える。

 フェリペ・マッサやキミ・ライコネン、そして最近ではジェンソン・バトンとタッグを組んできたアロンソは、来シーズン、前評判の高い新人ストフェル・バンドーンとタッグを組むことになる。

 アロンソは、ルイス・ハミルトン(現メルセデス)とチームメイトだった2007年と、バンドーンと組むことになる2017年に何か共通点があると考えているだろうか?

「これは、ハミルトンの後にチームメイトとなった人たち全員に当てはまる質問だ」とアロンソはmotorsport.comに語った。

「翌年(2008年)ルノーに戻った時、チームメイトはネルソン・ピケjr.だった。周囲の人たちは『(ピケJr.は)GP2で実力のあった若手ドライバーで、ハミルトンと同じだ』と言っていた。でも実際はそうじゃなかった。その次のチームメイトはロマン・グロージャン(現ハース)だ。この時も『彼はGP2でも実力があった。今年(2009年)も、グロージャンはとても速いドライバーだろう』と言われたけど、彼は速くなかった」

「フェリペの時も同じだ。『気をつけろ、彼は何年もフェラーリで起用されている。きっと速いドライバーだ』と言われていたけど、彼もそうではなかった」

「キミの時は、『(2007年の)ワールドチャンピオンがフェラーリに戻ってくる。彼は本当に実力のある速いドライバーだ』と聞いたけど、彼は速くなかった」

「だから、ストフェルがどうなるか見てみよう。僕は心配していない。今の僕らはタイトルを取れる位置にはいないし、争っているわけでもない。だから僕たちは戦うだけだ」

「ストフェルがチームに来てくれて嬉しい。新しい雰囲気にもなるだろう。彼は今年、GP2と日本(スーパーフォーミュラ)で実力を発揮したドライバーだ。でも僕は恐れていない……」

 アロンソは彼を恐れるだろうか? これまでの成績からもわかるように、バンドーンは非常に優秀なドライバーであり、来シーズンはかつてのハミルトンと同様に、アロンソと比較されることを余儀なくされるだろう。

 しかしアロンソが話したとおり、少なくとも現在のマクラーレン・ホンダはレースでの勝利やタイトルを争うことはできていない。そのため、10年前と比較しても全く異なる印象を抱くことになるだろう。

 この他にも、2007年と2017年の状況には大きな相違点がある。これまでは、アロンソとチームメイトとの年齢差は3歳ほどだったが、来年はその差が10歳以上に開くのだ。

アロンソとの関係を重要視するバンドーン

 このふたりは、それぞれのキャリアで全く異なる道を歩んできた。アロンソの方が年上で賢く、そしておそらく困難をうまく処理できるだろう。バンドーンは、チームの向上のためにも両者が一緒に仕事をしていく必要があると考えており、現代のスーパースターのひとりであるアロンソとうまくやっていくことが、自身のためになることだとも認めている。

 F1の最終戦が行われたアブダビで、バンドーンはこう話した。

「僕はチームのためにベストを尽くす。マクラーレン・ホンダがトップに戻るためには、それが最も重要なことだ」

「僕にはフェルナンドというとても速いチームメイトがいて、とてもポジティブな状況だ」

「みんなが彼の実力を理解している。彼は2回もチャンピオンになったんだ。彼のことを説明するにはそれで十分だ。彼と一緒にやっていくことを楽しみにしている。うまくやっていければ、それは僕のキャリアにも良いことだ」

 バンドーンは今年、アロンソから多くのことを学んだと話した。

「彼の週末に向けた準備の仕方には、とても興味があった。彼はどんな状況でも良い結果を出せるドライバーのひとりだ」

「いつも彼は良い結果を出そうと努力して、良い仕事をする。僕にとってはベンチマークになる存在だ」

F1デビューまでの道のり

 ハミルトンのように、バンドーンも様々なレースを通じて万全の準備を行ってきた。しかしそこには、注目すべき点がある。

 ハミルトンはARTグランプリからGP2に参戦し、2006年にタイトルを獲得。2007年にはF1デビューを果たした。一方のバンドーンは、2015年にGP2でタイトルを獲得し、2016年はスーパーフォーミュラに参戦しながら、F1ではマクラーレンのリザーブドライバーを務めほとんどのレースに帯同した。

 バンドーンは、開幕戦で負傷したアロンソに代わって第2戦バーレーンGPで想定外のF1デビューを果たし、10位でレースを終え、1ポイントを獲得した。

 マクラーレンは2014年に初めて彼にテストの機会を与えたが、以来彼のテストの機会は多くなかった。例えば今シーズンは、1月にポール・リカール・サーキットでピレリのウエットタイヤのテストに型落ちのマシンで2日間参加し、その後はバルセロナとシルバーストンでのテストに1日ずつ参加したのみだった。

 レースの週末にチームに帯同してきたことは彼にとって有益なことだったが、ブリーフィングに参加したり、ガレージで時間を過ごしてきたことからも学んだことがあったという。

 バンドーンは、「いずれにせよ、どの週末も同じことだった」と説明した。

「何度もそれをこなしてようやく、週末の流れがどうなっているのか、どうやってチームと仕事をしていくのかがわかる」

「毎週末、マシンには新しいものが加えられていく。だけどマシンに乗っていない時は、それがどういうものなのかを理解するのは難しい。でも来年は、すべてのことを理解し、チームと仕事をして前進して、もっと良くなっていくと思う」

「しばらくの間、僕はこうしてきた。変わることといえば、来年は僕がマシンに乗るということだ。マクラーレンの人たちは、僕が長いことチームにいて、たくさんの人たちと一緒に仕事をしてきたことをわかっている。ここにいるのはとても居心地がいい。今はマシンに乗るのが待ちきれない」

(後編に続く)

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この記事について
シリーズ F1
ドライバー Fernando Alonso , Stoffel Vandoorne
チーム McLaren
記事タイプ 分析