【F1分析】バンドーンはハミルトンの再来となるのか?-後編

前評判の高いバンドーンは、来季アロンソと組みF1フル参戦をする。同じくアロンソと組んでデビューしたハミルトンと彼はどう違うのか?

 来季、マクラーレン・ホンダでフル参戦デビューを迎えることになっているストフェル・バンドーン。その前評判はかなり高い。

 彼の来季のチームメイトを務めるのはフェルナンド・アロンソ。言わずと知れた、2回王者に輝いたドライバーである。そのアロンソは以前にも後にスーパースターとなるドライバーのデビュー初年度のチームメイトを務めたことがある。そのドライバーとはルイス・ハミルトン。ハミルトンは初年度からアロンソに勝負を挑み、現在までの3回のワールドチャンピオンに輝いている。

 来季フル参戦1年目のバンドーンは、アロンソ、そしてアロンソを通じてハミルトンとも比較されることになる。彼の可能性についての分析の後編をお届けする。 

スーパーフォーミュラは良い経験だった

 バンドーンは2016年、マクラーレンに帯同しながら、スーパーフォーミュラへ参戦した。日本でレースをさせるというのはマクラーレンの賢明な判断だった。F1でのテストが限られていることを考えると、彼にもう1年レースの経験を積ませれば、もっと成長する機会を得ることができるとチームは考えたようだ。

 バンドーンは日本でスーパーフォーミュラに参戦し、高いグリップ力のあるマシンをドライブした。彼はこのレースから学ぶことが多くあったようだが、特筆すべきことに、彼は2度も勝利を挙げている。

「誰も僕が勝つだなんて思っていなくて、とても良い経験だった。アップダウンもあったけど、良いシーズンだったと思う。僕たちは2回勝つことができて、ポールポジションと表彰台も獲得した」

「もちろん苦しいレースもあった。でも基本的には、マシンを理解することも、日本人とレースをすることも僕にとっては良い経験だ。来年に向けてやらなければいけないことはたくさんある」

「彼らの文化を理解するのも良いことだった。チームと協調し、真剣になって、マシンを改善するためのプロセスを考え、プッシュし続ける……今は、こういうことを経験できてよかったと思っている」

「スーパーフォーミュラはプロフェッショナルな選手権だ。多分、僕が一番スーパーフォーミュラで若いドライバーだったと思うけど、とても変な感じだった。というのも、他の人たちは経験豊富なのに、長いことここでレースをしているんだ」

「最初は、ここへ来てやっていくことは簡単なことではなかった。だけどそのおかげで僕はかなり向上したし、本当によく戦ったと思う。速いドライバー相手にレースができたことは良い経験になった」

 海外とは仕事の進め方が異なるということも、役に立ったという。

「まず最初は、コミュニケーションをとることも難しかった。チームには、僕と話せるスタッフが僕のエンジニアとマネージャーのふたりしかいなかった。他の人たちと関係を築くのはとても難しかった」

「仕事の仕方という点では、マシンのセットアップの決め方が、これまで僕がヨーロッパで経験してきた方法とかなり違った」

「これも良い経験だった。ここにいる間に、たくさんのことをやる必要があった。ヨーロッパでは、プロフェッショナルなチームにいると、スタッフが僕たちドライバーに何をすべきか、マシンに乗った時はどうすべきかなどを教えてくれる。でもここでは、そういうことはなかった」

「でもそれが、チームをプッシュするのにはいいことだったし、彼らの文化を学ぶことにも繋がった」

 ルイス・ハミルトンは2006年から2007年の冬の間に、MTC(マクラーレン・テクノロジー・センター)内のすべての部署を訪ね、できるだけ多くの時間をここで過ごし、非常に熱心に仕事を行った。バンドーンもまた、同じことをしているという。

「ファクトリーに行って、エンジニアたちとシミュレーターで作業をして、たくさんの時間をここで過ごすつもりだ。来年の新しいレギュレーションに合わせて、多くのことをしないといけない」

「忙しくなるだろうけど、いつも通りチームと仕事をして、僕の周りに強力なチームを築く。そしてお互いのことを理解することが、F1で素晴らしい成功を納める第一歩だ」

「メカニックやエンジニア、すべての人たちと密接に働いて時間を過ごすのは、本当に重要なことだ」

レギュレーション変更の利点は?

 もうひとつ、ハミルトンとバンドーンの共通点はというと、それは両者がF1でデビューするタイミングだ。彼らは、F1で大きな変化があり、これまでのやり方がリセットされる年にF1に乗ることになる。2007年は、ミシュランがF1を去って、ブリヂストンのみがサプライヤーとなった年だ。

 フェルナンド・アロンソは、他のドライバーがこのような変化に対応しなければならない中で、ハミルトンがアドバンテージを得たと考えており、2017年は似たような状況になるだろうと考えている。

 ベテランドライバーはこういったことを以前にも経験しており、容易に対処できると考えることも可能だが、実際は過去のデータは関係ないということが、唯一バンドーンの助けになるかもしれない。

「いかなる理由であれ、経験はいつも役に立つものだ」とバンドーンは話した。

「だけど来年はすべてのことが変わるから、それによって状況もかなり変わってくると思う。通常は、新しいものがどういったものなのかを理解することができればいいけど、1日か2日テストした後に分かることといえば、どうやってマシンをドライブするのか、ということくらいだ」

「空力やタイヤを理解するためにも、チームと一緒にたくさんの仕事をする必要がある。シーズンを通して、マシンの改良が見られることを願っている」

「いつも通りベストを尽くして、来シーズンに臨むつもりだ。今年は僕にとって難しい1年だったけど、自分がチャンピオンシップを争うことができるということもわかった。僕はまだF1では新人だから、学べることがたくさんあるはずだ」

「来年のマシンがどのあたりに位置するかはわからない。でも前進していけると信じている。僕のアプローチは変わらないだろうし、チームのために全力を尽くすつもりだ」

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シリーズ F1
記事タイプ 分析