F1オーストリアGP決勝:メルセデス再び同士討ちも、ハミルトン優勝

F1オーストリアGP決勝が行われ、メルセデスの2台が最終ラップで同士討ち。その結果、ハミルトンが逆転勝利を果たした。

 F1オーストリアGP決勝。前日までの酷暑から一転、この日は気温15度、路面温度は25度と涼しくなった。路面温度が50度を超える前日までのコンディション下では、タイヤの”タレ”が激しかったが、この日は比較的優しいコンディションになったと言えよう。

 ポールポジションスタートのルイス・ハミルトン(メルセデス)が非常に良い蹴り出しでホールショットを決める中、2番グリッドのニコ・ヒュルケンベルグ(フォースインディア)はスタートに失敗。大きく順位を落としてしまう。ジェンソン・バトン(マクラーレン)は良いスタートで2番手に浮上し、キミ・ライコネン(フェラーリ)がこれに続く。ギヤボックス交換で5グリッド降格となったニコ・ロズベルグ(メルセデス)とセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)は、ひとつずつ順位を上げている。

 先頭に立ったハミルトンが順当に飛ばしていく中、バトンが好ペースでライコネンを抑えつつ、2番手をキープしていく。

 スタートを失敗したヒュルケンベルグは、なんとか4番手のポジションをキープ。しかし、すぐにペースが上がらなくなり、どんどんポジションを落としていく。バトンも同様にライコネンらに抜かれ、順位を落としていく。

 8周目、早々にヒュルケンベルグがピットインしてタイヤを交換。翌9周目にはバトンもピットインしている。

 6番グリッドから追い上げていたロズベルグも10周目にピットインし、ソフトタイヤを装着した。ハミルトンはそのままコースにとどまっており、メルセデスはふたりの戦略を分けた。

 12周目、マノーのパスカル・ウェーレインが無線で「ちょっと雨が来た!」とピットに訴える。確かにターン2周辺では雨粒が確認できるが、その後も雨脚は強まることはなかった。

 タイヤを交換したロズベルグのペースは、上位を行くマシンよりも1秒以上速い。そのため、どんどん先行するマシンに近づいていく。

 5番手を走っていたダニエル・リカルド(レッドブル)は14周目に、3番手を走っていたマックス・フェルスタッペン(レッドブル)は15周目にそれぞれピットインする。

 21周目にハミルトンがピットイン。ロズベルグの後ろでコースに復帰している。翌22周目にはライコネンもピットインしてタイヤを換えた。

 これでベッテルが先頭に立ち、タイヤを換える素振りを見せぬまま、周回を続けていく。しかし27周目に入った直後のメインストレートで、ベッテルの右リヤタイヤが突然バースト! ベッテルのマシンは激しくスピンし、ウォールにクラッシュ。コース上にマシンを止めてしまう。リタイアだ。

 これでセーフティカーが出動し、各車の隊列が縮まる。

 この間にマクラーレンのバトンとフェルナンド・アロンソが同時ストップを敢行している。

 32周目からレースは再開。ロズベルグ、ハミルトンの順で快調に飛ばしていく。ただ、ロズベルグのタイヤはすでにかなり周回をこなしており、ピットインするのは時間の問題と思われる。ふたりの差は一時2秒以上まで広がるが、その後1秒差以下まで近づいてくる。

 54周目を走り終えた時点で、タイヤを換えずに最後まで走りきると思われていたハミルトンがピットイン。再びソフトタイヤを履いた。続く55周目にロズベルグもピットイン。こちらはスーパーソフトである。

 ハミルトンはアウトラップでミスを犯してしまったため、ロズベルグをアンダーカットできず。さらにハミルトンは、「なんで彼のタイヤの方が柔らかいんだ?」と無線で文句を言う。

 これで先頭に立ったのはフェルスタッペン。しかしフェルスタッペンのタイヤも周回を重ねたものであり、61周目にロズベルグに、63周目にハミルトンにオーバーテイクを許してしまう。

 フェルスタッペンはこの後ライコネンに詰め寄られるが、実質1ストップのまま走りきることを狙う。これが、後々功を奏してくることになる。

 先頭を行くロズベルグとハミルトンは、1秒前後の差でレース終盤に。しかし、ひたりひたりと、ハミルトンがロズベルグに近づいてくる。残り5周を切った頃には、ふたりの差は約0.5秒に急接近する。

 この差のまま、ふたりは最終ラップに入る。しかし、ロズベルグが1コーナーでミス! この隙を見逃さず、ハミルトンはロズベルグに近づき、ターン2でアウトから並びかける。そして、2台は接触。ハミルトンはコース外に押し出され、ロズベルグはフロントウイングを脱落させてしまった。

 ハミルトンには大きなダメージはなく、ロズベルグを抜き去ってトップでチェッカーを受ける。一方のロズベルグはフロントウイングをマシンの下に引っ掛けてしまい、ペースを上げることができない。その間にフェルスタッペンとライコネンの先行を許してしまい、4位でフィニッシュしている。

 メルセデスのふたりのクラッシュは、審議対象となっており、この後順位の変更があるかもしれない。

 実質的な1ストップで走りきったフェルスタッペンが2位に入り、自身2度目の表彰台。3位にはライコネンが入った。5位にはリカルドである。

 マクラーレン・ホンダのバトンは、3番グリッドという好位置からスタートしたこともさることながら、レース中の戦略も成功し6位でフィニッシュ。チームメイトのアロンソは、終盤10番手を走っていたもののトラブルが発生し、リタイアとなっている。

 この他、7位ロマン・グロージャン(ハース)、8位カルロス・サインツJr.(トロロッソ)、9位バルテリ・ボッタス(ウイリアムズ)とフィニッシュ。10位にはマノーのウェーレインが入り、自身初入賞を果たした。これは大健闘と言っていいだろう。

F1オーストリアGP決勝結果

Pos.#DriverChassisEngineLapsTimeGap
1 44  Lewis Hamilton Mercedes Mercedes 71 1:27'38.107  
2 33  Max Verstappen Red Bull TAG 71 1:27'43.826 5.719
3 7  Kimi Raikkonen Ferrari Ferrari 71 1:27'44.131 6.024
4 6  Nico Rosberg Mercedes Mercedes 71 1:27'54.817 16.710
5 3  Daniel Ricciardo Red Bull TAG 71 1:28'09.088 30.981
6 22  Jenson Button McLaren Honda 71 1:28'15.813 37.706
7 8  Romain Grosjean Haas Ferrari 71 1:28'17.775 39.668
8 55  Carlos Sainz Jr. Toro Rosso Ferrari 71 1:28'25.507 47.400
9 77  Valtteri Bottas Williams Mercedes 70    
10 94  Pascal Wehrlein Manor Mercedes 70    
11 21  Esteban Gutierrez Haas Ferrari 70    
12 30  Jolyon Palmer Renault Renault 70    
13 12  Felipe Nasr Sauber Ferrari 70    
14 20  Kevin Magnussen Renault Renault 70    
15 9  Marcus Ericsson Sauber Ferrari 70    
16 88  Rio Haryanto Manor Mercedes 70    
17 11  Sergio Perez Force India Mercedes 69    
18 14  Fernando Alonso McLaren Honda 64    
19 27  Nico Hulkenberg Force India Mercedes 64    
20 19  Felipe Massa Williams Mercedes 63    
  5  Sebastian Vettel Ferrari Ferrari 26    
  26  Daniil Kvyat Toro Rosso Ferrari 2    

Be part of something big

コメント
コメントを書く
この記事について
シリーズ F1
イベント名 オーストリアGP
サブイベント 日曜日 レース
サーキット レッドブルリンク
ドライバー Lewis Hamilton , Nico Rosberg
記事タイプ レースレポート