F1カナダGP決勝:ハミルトンがベッテルとの一騎打ちを制し連勝。フェラーリは戦略を過信!?

F1カナダGPの決勝レースが行われ、メルセデスのルイス・ハミルトンがモナコGPに続き連勝を果たした。

 低い雲が垂れ込める状況で迎えた、カナダGP決勝。各車がレコノサンスラップに出て行った頃には若干の雨が落ちたが、スタートを迎える頃にはそれも上がった。装着タイヤは、ほとんどのマシンがウルトラソフトを選んだが、ジェンソン・バトン(マクラーレン)がスーパーソフト、セルジオ・ペレス(フォースインディア)がソフトを履くなど、異なる戦略を採ったマシンも散見された。

 絶好のスタートを見せたのは、3番手スタートのセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)。最高の蹴り出しを見せ、一気にメルセデス2台の前方に躍り出る。メルセデスの2台は、またも接触。両者にダメージはなかったものの、これでニコ・ロズベルグはコースの外に押し出され、10番手まで順位を落としてしまう。ロズベルグはその後もなかなかペースが上がらず、ポジションを上げていくことができない。また、8番手に上がったフェルナンド・アロンソ(マクラーレン)もペースが上がらず、その背後には渋滞が出来てしまう。

 ベッテルはレース序盤、2番手のハミルトンに1秒以上の差をつけて逃げていく。しかしベッテルが10周目を走っていたところでバトンのマクラーレン・ホンダがブロー。これでバーチャルセーフティカーが宣言されたのを好機と見たベッテルが、先陣を切ってピットインして、タイヤをスーパーソフトに替える。チームメイトのキミ・ライコネンもこれに続くが、他のマシンはピットインせず。フェラーリ勢とその他の戦略が、この時点で大きく分かれた。

 4番手に落ちたベッテルは、ハイペースで前を追う。ベッテルはレッドブルの2台を難なくかわしてすぐに2番手に浮上。その後もハミルトンよりも1周あたり1秒以上速いペースで飛ばし、差を詰めていく。

 ベッテルとの差が約5秒になった24周目終了時点でハミルトンがピットイン。ハミルトンはここで、航続距離の長いソフトタイヤを選択する。メルセデス陣営は、1ストップの戦略を選んだ。

 これでベッテルが先頭に立つが、まだタイヤ使用義務(今回は少なくとも1回はソフトタイヤを履かなければならない)を果たしておらず、もう1度ピットインしなければならない。ベッテルはなんとか頑張って飛ばしたが、当初13秒以上あったハミルトンとの差は9秒台まで縮まってしまう。

 27周を走りきったところで、ベッテルは2回目のピットインを行ってソフトタイヤを履く。ベッテルはそこから飛ばし、一時5秒以内までハミルトンとの差を詰めるも、最終コーナーでのコースオフを繰り返してしまう。これでハミルトンとの差は縮まらなくなってしまい、勝負あり。ハミルトンは前戦モナコに続き、連勝を果たすことになった。ベッテルは2位に終わる。

 結果から言えば、先頭を走っていたベッテルが、先陣を切ってピットに飛び込む必要があったのか、判断に苦しむところだ。最高速に勝るメルセデスに、コース上で抜かれることを恐れたのかもしれないが、ハミルトン同樣に1ストップの戦略を採り、ポジション重視で走っていれば、ハミルトンを抑え切った可能性も否定できず、戦略を過信した感もある。これは、チームの見解を待ちたいところだ。

 3位でフィニッシュしたのは、今季初表彰台となるウイリアムズのバルテリ・ボッタス。レース当初はレッドブル勢が3番手と4番手をキープしていたが、彼らはタイヤが厳しかったのか、2ストップを行う。ボッタスは1ストップで70周のレースを走りきり、表彰台の一角を得た。

 レッドブルのマックス・フェルスタッペンが4位。レース序盤はペースが上がらず、ピットからチームメイトのダニエル・リカルドに順位を譲るよう促されるシーンもあったが、これを実行せずにポジションキープ。レース終盤にはロズベルグの厳しい攻撃に晒されたが、これを巧みにかわして4位でフィニッシュしている。

 スタートで後退してしまったロズベルグは、集団の中で走っていた影響なのか、温度関係のトラブルが発生してレース序盤はペースを上げられず。そのあとタイヤのパンクチャーにも見舞われてしまう。しかし終盤、2セット目のソフトタイヤを履いた後は好ペースで走り、リカルドやライコネンを交わすも、フェルスタッペンを攻略できず。69周目の最終シケインの飛び込みでフェルスタッペンに並びかけるも、ブレーキングで痛恨のスピンを喫し、これで万事休す。5位フィニッシュとなった。開幕4連勝を果たしたロズベルグだが、ここ3戦は足踏み状態。ハミルトンとのポイント差は、今回のレースを終えた時点で9ポイントまで縮まってしまった。

 以下ライコネン、リカルド、ニコ・ヒュルケンベルグ(フォースインディア)、カルロス・サインツJr.(トロロッソ)、ペレスまでがポイントを獲得した。

 予選Q3に進出し、モナコに続いて入賞が期待されたマクラーレン・ホンダのフェルナンド・アロンソだが、決勝ではペースが上がらず、11位でのフィニッシュに終わっている。

 ハミルトンが連勝を果たした第7戦カナダGP。前述の通り、シーズン序盤を席巻したロズベルグが足踏みするなど、流れが変わった印象がある。しかし、フェラーリの戦略に助けられた感があるというのも事実である。

 北米の1戦を終えた今季のF1だが、すぐさま欧州に取って返し、連戦でヨーロッパGPに臨む。舞台は初開催のアゼルバイジャン、バクーの市街地である。直線が多く、カナダに引き続き高速性能が求められるだろうこの新しい公道コースで、躍動するのはどのマシンなのか? また、ハミルトン対ロズベルグのタイトル争いの流れがどうなるのか? 次も目が離せない1戦となりそうだ。

F1カナダGP決勝結果

PosDriverTeamTime
1 United KingdomLewis Hamilton  GermanyMercedes 1:31:05.296
2 GermanySebastian Vettel  ItalyFerrari +5.011
3 FinlandValtteri Bottas  United KingdomWilliams +46.422
4 NetherlandsMax Verstappen  AustriaRed Bull Racing +53.020
5 GermanyNico Rosberg  GermanyMercedes +1:02.093
6 FinlandKimi Raikkonen  ItalyFerrari +1:03.017
7 AustraliaDaniel Ricciardo  AustriaRed Bull Racing +1:03.634
8 GermanyNico Hulkenberg  IndiaForce India +1 lap
9 SpainCarlos Sainz Jr.  ItalyToro Rosso +1 lap
10 MexicoSergio Perez  IndiaForce India +1 lap
11 SpainFernando Alonso  United KingdomMcLaren +1 lap
12 RussiaDaniil Kvyat  ItalyToro Rosso +1 lap
13 MexicoEsteban Gutierrez  United StatesHaas F1 Team +2 laps
14 FranceRomain Grosjean  United StatesHaas F1 Team +2 laps
15 SwedenMarcus Ericsson  SwitzerlandSauber +2 laps
16 DenmarkKevin Magnussen  FranceRenault F1 Team +2 laps
17 GermanyPascal Wehrlein  United KingdomManor Racing +2 laps
18 BrazilFelipe Nasr  SwitzerlandSauber +2 laps
19 IndonesiaRio Haryanto  United KingdomManor Racing +2 laps
R Felipe Massa  Williams  
R Jolyon Palmer  Renault F1 Team  
R Jenson Button  McLaren Engine

Be part of something big

コメント
コメントを書く
この記事について
シリーズ F1
イベント名 カナダGP
サブイベント 日曜日 レース
サーキット サーキット・ジル・ビルヌーブ
ドライバー Lewis Hamilton , Sebastian Vettel
記事タイプ レースレポート