F1ベルギーGP決勝:波乱のレースでロズベルグが完勝。ハミルトン”18台抜き”の3位

大波乱となった今年のベルギーGP。優勝したロズベルグは一度も首位を譲らない完勝を果たした。

 F1ベルギーGPの決勝が行われ、メルセデスのニコ・ロズベルグが一度も首位を譲ることなく、完璧な勝利を成し遂げた。

 気温26℃、路面温度36℃という、前日までよりは若干涼しくも、スパ・フランコルシャンとしては暑いコンディションの中迎えた今年のベルギーGP。約1カ月の夏休み明け初戦でもある。また、ルイス・ハミルトン(メルセデス)、フェルナンド・アロンソ(マクラーレン)など、パワーユニットの追加により大量のグリッド降格ペナルティが科せられており、レースが始まる前にすでに波乱含みである。

スタート直後の混乱。フェラーリ2台とレッドブルが3ワイドに

 グリッドについた多くのマシンがソフトタイヤを選択。トップ10のうち6台がスーパーソフト、グリッド降格ペナルティで最後尾を占めたハミルトンとアロンソがミディアムタイヤを選択した。

 ポールポジションのロズベルグは絶好のスタートを決め、1コーナーにホールショットを決める。しかし、後方は大混乱。2番手を争うマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、キミ・ライコネン(フェラーリ)、セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)が、1コーナーに3ワイドで突入していく。そして、3台が接触。もっともイン側にいたフェルスタッペンがフロントウイングの左側を壊し、中央にいたライコネンもマシンにダメージを負い、外側にいたベッテルは弾き飛ばされるようにスピンしてタイヤにダメージを負った。

 後方ではパスカル・ウェーレイン(マノー)とジェンソン・バトン(マクラーレン)が接触。両者共にダメージを負い、リタイアに追い込まれている。さらには2周目にカルロス・サインツJr.(トロロッソ)が右リヤタイヤを派手にバーストさせ、リヤウイングも壊してコース脇にマシンを止めている。

マグヌッセン大クラッシュで赤旗中断

 これらの事故によりバーチャル・セーフティカーが出動。4周目にこれが解除されてレースが再開されるが、後方スタートだったアロンソがすでに10番手に上がり、ハミルトンも12番手まで上がっている。

 これでレースが落ち着くかと思いきや、今度は6周目にケビン・マグヌッセン(ルノー)がオー・ルージュを登りきったラディオンで大クラッシュ。これでセーフティカーが出動する。

 マグヌッセンのクラッシュは激しかったが、自力でマシンから脱出することができた。しかし、足首に裂傷があったという。

 このクラッシュによりコース脇のタイヤバリヤは激しく損傷してしまったため、9周を走りきったところで赤旗中断。各車はピットに戻り、ピットレーンでレース再開を待つことになる。この中断中に、ほとんどのマシンがタイヤを交換した。

ハミルトンの進撃。一気に表彰台圏内へ

 タイヤバリヤの修復が終わった後、セーフティカー先導でレースが再スタート。ロズベルグがしっかりと先頭をキープし、ダニエル・リカルド(レッドブル)が2番手、3番手には自身初の表彰台を狙うニコ・ヒュルケンベルグ(フォースインディア)がつけた。その後方4番手にアロンソ、5番手にハミルトン。スタート位置から考えれば、思いもよらぬ大ジャンプアップとなった。再スタートの際、アロンソはヒュルケンベルグに並びかけ、3番手を奪い取ろうとするが、これは叶わなかった。

 ロズベルグはハイペースでリカルドとの差を広げていく。ヒュルケンベルグはリカルドについていくことができず、徐々に引き離されていく。12周目にはハミルトンがアロンソを交わして4番手に浮上し、早くも表彰台まであと少しという位置まで迫った。

 後方では、スタート直後のアクシデントでポジションを下げたフェルスタッペンとライコネンがバトル。このふたりがバトルをするのは、今季何度目だろうか? しかし、ライコネンは今回もなかなかフェルスタッペンを抜くことができず、無線でそのブロックについて激しく非難する。

 ベッテルも、なんとかトップ10圏内に戻ることに成功。そして入賞圏内に戻ったベッテルは、次々とオーバーテイクを成功させ、ポジションを上げていく。

 18周目、ハミルトンがヒュルケンベルグのオーバーテイクに成功し、ついに表彰台圏内に浮上した。

 22周目、ヒュルケンベルグとアロンソが同時にピットイン。マクラーレンのピット作業は優れており、タイヤ交換を終えた2台は、並走してピットレーン出口へ向かう。そして、両者は若干の接触。しかしいずれのドライバーもペナルティに問われることはなかった。

ロズベルグ、一度も首位を譲らず完勝

 その後アロンソは、ペレスにオーバーテイクを許し、そしてベッテルにも抜かれてしまい、7番手まで順位を落とす。しかし、後続の追撃を、なんとか抑え続けていく。なおアロンソを追う集団はマッサ、バルテリ・ボッタス(ウイリアムズ)、ライコネンの3台。このうちマッサはペースが上がらず、ボッタス、ライコネンの先行を許し、10番手まで落ちてしまう。

 33周目、それまでソフトタイヤを履いていた3番手のハミルトンがピットに戻り、ミディアムタイヤに交換する。これでヒュルケンベルグの後方4番手に順位を落とすも、このヒュルケンベルグをあっさりパス。その後、1周2秒速いペースでリカルドを追うが、さすがに届かず。3位が精一杯だった。

 結局、勝利を収めたのはロズベルグ。スタート以来、ピットインのタイミングも含め、一度もトップを譲ることなく44周のレースを走り切った。ヨーロッパGP以来5戦ぶり、今季6勝目である。この勝利で、ハミルトンとのポイント差を9まで縮めた。

 リカルドは2位フィニッシュ。ハミルトンは”18台抜き”の3位で、完璧とも言えるリカバリーを果たした。フリー走行から好調ぶりをアピールしていたフォースインディア勢が4位と5位、ベッテルもリバカリーに成功し、6位でフィニッシュした。

 アロンソも混乱をうまくくぐり抜けることで、最後尾スタートから7位入賞を果たした。

 次戦は2週連続開催となるイタリアGPである。舞台はミラノ近郊のモンツァ。超高速決戦である。メルセデスのふたりによるタイトル争いはもちろんのこと、アップグレード版のパワーユニットを持ち込むと言われているフェラーリの上昇度、そしてベルギーで高い戦闘力を示したレッドブルやフォースインディアも、興味深いレースを繰り広げるだろう。また、今回投入されたホンダの新しいパワーユニットの真価も、さらに確認することができるかもしれない。

 2週連続で、F1から目が離せない。

F1ベルギーGP決勝結果

ClaDriverChassisEngineGap
1  Nico Rosberg  Mercedes Mercedes 1h44'51.058
2  Daniel Ricciardo  Red Bull TAG 14.113
3  Lewis Hamilton  Mercedes Mercedes 27.634
4  Nico Hulkenberg  Force India Mercedes 35.907
5  Sergio Perez  Force India Mercedes 40.660
6  Sebastian Vettel  Ferrari Ferrari 45.394
7  Fernando Alonso  McLaren Honda 59.445
8  Valtteri Bottas  Williams Mercedes 1'00.151
9  Kimi Raikkonen  Ferrari Ferrari 1'01.109
10  Felipe Massa  Williams Mercedes 1'05.873
11  Max Verstappen  Red Bull TAG 1'11.138
12  Esteban Gutierrez  Haas Ferrari 1'13.877
13  Romain Grosjean  Haas Ferrari 1'16.474
14  Daniil Kvyat  Toro Rosso Ferrari 1'27.097
15  Jolyon Palmer  Renault Renault 1'33.165
16  Esteban Ocon  Manor Mercedes 1 Lap
17  Felipe Nasr  Sauber Ferrari 1 Lap
   Kevin Magnussen  Renault Renault  
   Marcus Ericsson  Sauber Ferrari  
   Carlos Sainz Jr.  Toro Rosso Ferrari  
   Jenson Button  McLaren Honda  
   Pascal Wehrlein  Manor Mercedes  

Be part of something big

コメント
コメントを書く
この記事について
シリーズ F1
イベント名 ベルギーGP
サブイベント 日曜日 レース
サーキット スパ・フランコルシャン
ドライバー Fernando Alonso , Lewis Hamilton , Nico Rosberg
記事タイプ レースレポート