NTTコミュニケーションズ「F1は親和性が高いと思った」

マクラーレン・ホンダと技術提携のNTTコミュニケーションズ。F1への参入意義を訊く

 シーズン半ばの突然の発表だった。

 イギリスGPの週末、マクラーレン・ホンダとNTTコミュニケーションズの技術提携が発表された。NTTコミュニケーションズといえばNTT(前身は1952年設立の日本電信電話公社)のグループ会社の一社。1999年にNTTから分社されて設立され、現在は世界中に24万人の社員を擁する。クラウドや次世代のNWを活用した企業向けのICT基盤や、IoT導入などのICTソリューション提供をグローバルに手がける会社だ。

 両社が提携を発表したのは7月8日。当日、庄司哲也社長はマクラーレンのMTC(マクラーレン・テクノロジー・センター)で調印式を行い、代表のロン・デニスと発表を行った。提携の内容は当サイトでも採り上げたので読者の方はご存じだと思う。

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 その後、庄司社長はイギリスGPが開催されているシルバーストンを来訪、チームスタッフやドライバーと顔を合わせた。motorsport.com Japanでは庄司社長にインタビューを申し込んだが、帰国便に間に合うようにシルバーストンを離れなければならず、写真撮影だけに付き合っていただき、話は経営企画部の種田哲也広報室長に聞いた。

F1は技術の塊

——F1への参入理由を。

「NTTグループの中でNTTコミュニケーションズはグローバルな仕事をやらせてもらっており、我々はさらにプレゼンスを海外に広げたいと考えています。アジア地区では知名度が高いけれど、欧米ではまだまだ低いので、欧米で知名度を上げるのに適したスポーツ、シナジーが発揮出来るスポーツを探していました」

——F1、そしてマクラーレン・ホンダはどこかの紹介か?

「NTTコミュニケーションズが独自に探ししました。F1は技術の塊。しかも、データ解析の結果をリアルタイムでかつ透明性を持って、サーキットの現場だとか、そこで働くドライバーだとかに繋げていかなければならないスポーツ。そうしたF1の形態は、我々が持っているクラウドサービスやネットワークサービス、あるいはデータ系のサービスとの親和性が非常に高いと考え、今回の参入になりました。中でもマクラーレン・ホンダとパートナーシップを組めたことは幸せでした。そこにはNTTコミュニケーションズのプレゼンス、それからテクノロジーが生かせるはずです。このふたつの面から非常に良いパートナーシップが得られたと思っています」

——NTTコミュニケーションズはまだ新しい会社ですね。

「NTTはもともと一社だったのですが、1999年に分社して、NTTコミュニケーションズが誕生しました。グローバル、あるいは長距離のサービスが主な分野・領域ですが、それだけではなく、いま業界が変革しつつある中で、お客様にとって使いやすいように通信そのものをグローバルに提供していきたいと思っています。NTTコミュニケーションズはそうした企業体です」

欧州での知名度を上げるのにF1は最適

——通信の世界はまさに過当競争ですね。

「アメリカを例に取ると、ネットワーク・レベルではAT&Tとかベライゾンが我々の直接の競争相手になると思います。それ以外でもインターネット事業者がどんどん同じようなサービスを提供してきている。レイヤーを越えて、国境を越えて多角化、多面化していると見てもいいと思います」

——F1を足がかりによりグローバルなマーケット拡大を目指すのか?

「我々のテクノロジーは、Fortune誌上位100社の8割ぐらいの企業が使ってくれています。そういう意味では、国際的なマーケットでお客様に浸透していると思います。196の国と地域でネットワークを提供しているというのが我々のベースです。分社から16年ほどですが、拡大は進んでいます。しかし、まだ欧州が弱い。アジアは強く、アメリカでもそこそこ歴史はありますが、AT&Tに比べるとまだまだだと実感しています。そうした我々の弱い国や地域で知名度を上げビジネスを展開するという意味でも、F1は絶好のツールだと言うことが出来るでしょう」

マクラーレンとの業務はすでにスタート

——マクラーレン・ホンダとの提携の内容は?

「基本的に技術供与ですね。我々のテクノロジーをマクラーレンに使っていただきたい。マクラーレンがNTTコミュニケーションズを使っているということでプレゼンスが高まれば嬉しい。我々は信頼性では評価されている自負があります。それをチームに提供することで我々もポジションを獲得出来るはずです。それがグローバルなブランド力を高めることに繋がると思います。お互いにメリットが得られることが望ましいです」

——NTTコミュニケーションズはスポーツへの参入はあるのか?

「NTTとしては、日本ではトライアスロンを応援し、今行われているツール・ド・フランスにも協賛しています。NTTコミュニケーションズはプロのラグビーチームも持っている。この前のワールドカップには何人か選手を出しました」

——マクラーレン・ホンダとのビジネス形態はどうなるのか?

「数カ月前からマクラーレンとはネットワークなどの構築を始めています。現在、マクラーレンにはSAPが提供しているプラットフォームがあるので、我々はレイヤーの低いところで技術を提供したいと思っています。すでにイギリスGPから、マクラーレン・ホンダのマシンのリヤウイング翼端版、ドライバーのレーシングスーツの右腕にNTTコミュニケーションズの名前が付いています」

 

庄司哲也(NTTコミュニケーションズ代表取締役社長)とロン・デニス(Chairman and CEO, McLaren Technology Group)
庄司哲也(NTTコミュニケーションズ代表取締役社長)とロン・デニス(Chairman and CEO, McLaren Technology Group)

Photo by: NTT Com

取材・文:赤井邦彦

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この記事について
シリーズ F1
イベント名 マクラーレン・ホンダとNTTコミュニケーションズ、テクノロジー・パートナーシップ契約
サブイベント 契約発表
記事タイプ 速報ニュース