バトン「最後の日本GPかもしれないから……」Hondaトークショーで語る。琢磨も登場

日本GPを間近に控え、バトンとバンドーンはHondaウエルカムプラザ青山で、ファンとのトークショーで意気込みを語った。

 今週末のF1日本GPを前に、様々なイベントが行われ、日本中のF1熱が高まってきている。

 10月5日、Hondaウエルカムプラザ青山では、マクラーレン・ホンダのジェンソン・バトンと、来季からバトンに変わってドライバーシートに座るストフェル・バンドーンを迎え、ドライバーアピアランスが行われた。

 このイベントには、抽選で選ばれたマクラーレン・ホンダファン320名が参加。また、インターネットで生中継されたこともあって、2人のドライバーが登場する前から会場は熱気に包まれていた。

NSXに乗って華麗に登場した2人

 イベント開始時間になると、会場のモニターに外の様子が映し出された。そこには、バトンがドライブする新型NSXの姿が。会場のボルテージがさらに上がる中、会場の前に乗り付けたNSXから降りたバトンとバンドーンは、大興奮のファンの間を通りながら登壇した。

 会場の熱気に、思わずバトンが「熱い!」と零す場面も見られる中、2人のトークショーが開始された。

 開口一番、日本語で「コンバンワ!」と挨拶したバトンはファンに感謝を述べた後、「鈴鹿はとても特別なレースになる。ホンダにとっても、僕にとってもね。最後の日本GPになるかもしれないから、素晴らしい結果を得るためにできることはすべてやるし、ホンダに関わるすべての人のために、ガンバリマス!」と日本語で最初の挨拶を締めくくった。

 ここで、マレーシアGPでF1参戦300戦目を迎えたバトンを会場全体が拍手で祝福。 

 これに応えたバトンは、自分が300戦もF1で戦うことになるとは想像もしていなかったと語った。

「F1の世界で戦うのは肉体的にも精神的にも、非常に過酷だから300戦も戦い続けることになるとは思ってもみなかった。300戦参戦は、ミハエル・シューマッハーやルーベンス・バリチェロといった、歴史に残る偉大なドライバーに肩を並べるような記録を作れたのは、非常に嬉しいことだ」

「2003年からホンダのファミリーになって、たくさんのレースを戦い、2011年には鈴鹿で優勝することもできた。日本のファンのたくさんの声援の前で戦うことができたのを思い返すと、人生で素晴らしい時間だったと思う。これからも301戦目、302戦目とまた歴史を新しく作っていくので、日本の皆さん応援をお願いしたい」

 来季、マクラーレンのF1ドライバーとなることが決まっているバンドーンはバトンを見習ってか、「コンニチハ」と日本語で一言。バンドーンは、Hondaウエルカムプラザ青山に訪れるのは初めてだという。

「正直に言って、ここに来られてちょっと感無量だ。これからもこうやって何度も、ファンのみんなと共に時間を過ごしていけるのかと思っているよ。マクラーレン・ホンダとしての今季初ポイントを、バーレーンで自分が獲得することができて、大きな喜びだった」とバンドーンは語った。

 マクラーレン・ホンダの今季のパフォーマンスについて話題が移ると、バトンは昨年から大きな成長を果たしていると語った。

「みんなも知っている通り、マクラーレン・ホンダとして迎える2年目の今シーズンは、とても大きな進歩を遂げていると感じている。来季以降、マクラーレン・ホンダは勝利に近づき、優勝を狙っていけるチームになると思っているし、そういうチームの一員として参加できているのは、本当に大きな喜びだ」

 日本に訪れ、何を食べたのか聞かれたバトンは、「日本はどこで何を食べても美味しいよね!」と答えた。

「日本に来ると、食べたいものとかやりたいことが色々ありすぎるよ。自分はトレーニングをよくしているから、皇居の周りをランニングしたりするんだけど、よくサインや写真を求められたりするんだ。そんな日本のファンの熱狂的な様子が見られるのはすごく嬉しいよ」

 今シーズン、スーパーフォーミュラに参戦しているバンドーン。覚えた日本語の中で好きな言葉を尋ねられた彼は思わず「チョットマッテ」と答え、会場が笑いと拍手に包まれた。

「スーパーフォーミュラに参戦して、ホンダとの関係を構築できたし日本の文化も学べた。第2の母国語のように日本語を習得しているところだ。大好きな日本語がたくさんあるんだよ」

 するとここで、先輩のバトンがバンドーンに日本語をレクチャー。

「まず『カワイイ』だろ。あと『キレイ』が便利だ。君は独身なんだろう?」と後輩に吹き込む一幕も見られた。

バトンの今後の活動は?

 次の話題は来季のバトンの活動について。日本、いや世界中のファンがやきもきしているであろう、バトンの今後について本人の口から語られた。

「17年間、モータースポーツにどっぷりと浸かっていた。そろそろ気分転換が必要な時期なんだ」とバトンは語った。

 今度はバンドーンが「ビーチに行くんでしょ?」と突っ込んだが、バトンは「そうだね! ビーチにもたくさん行かなきゃ」と返した。

「自分の経験を活かして、マクラーレン・ホンダをサポートしていくよ。例えばスーパーGTとか、何か他のレースに参加できるといいね。これから色んなことを考えていこうかな」

「とにかくまずは今季、残りのレースを全力で戦い切ろうと思っているよ」

 事前にウェブ上で応募された質問にも答えた2人。お互いの第1印象を動物に例えると何の動物か尋ねられた。

 バトンは「何だろうな……」と悩んだが、バンドーンは自分から「サルじゃない?」と提案。「いや猫かも……でも君は猫ほど知的じゃないよね。犬かもしれないな。プードルだね!」と答えた。

「君はそうだな、ラットかな」と答えたバンドーンに、バトンは「いいね、ニキ・ラウダみたいだ」と『スーパーラット』の異名を持つ、ラウダを引き合いに出して喜んだ。

サプライズゲスト、佐藤琢磨!

 するとここで、サプライズゲストが登場した。ざわついた中登場したのは、佐藤琢磨。バトンと共にBARホンダでF1を戦った『戦友』の登場に、会場は拍手に包まれ、バトンはハグで琢磨を歓迎した。

 バトンとは、もしかしたら2008年以来かもしれないと語る琢磨。

 バトンは「変わってないね! 日本人は全然歳を取ったように見えないよ。あの頃を思い出すね」と久しぶりの再会に驚いた。

 ここで、日本GPの舞台になる鈴鹿サーキットの話題に。スーパーフォーミュラ開幕戦で鈴鹿サーキットを経験しているバンドーンは「特別だったよ。多くの歴史がある、有数のドライバーズサーキットだ。ベストなラップを決めた時は、なんとも言えない最高の気持ちだったよ」と語った。

「ドライバーズサーキットであり、日本のファンが作る雰囲気が素晴らしいんだ。チャレンジングで、速くて難しいサーキットだ」とバトンは語った。

 琢磨は、突然BARホンダからレースに出走することになった、2003年日本GPの話も交え、鈴鹿は本当に特別なサーキットだと語った。

 ファンも含めた記念撮影のセッションでは、バトンが『イチバン』ポーズでの撮り直しを要求するなど、常に和やかな雰囲気で行われたトークショー。マクラーレンの2人が退場した後も、琢磨がバトンと乗ったプライベートジェットが緊急着陸したエピソードなどを話し、ファンを沸かせた。

 昨シーズン、困難な時期を経験したマクラーレン・ホンダは、今季大きな進歩を遂げて鈴鹿に帰ってくる。優勝、そしてチャンピオン獲得を目指すチームは、まだまだ道半ばではあるが、大勢の日本のファンの前でどんな戦いを見せてくれるのだろうか。待望の日本GPは、もうすぐそこまで迫っている。

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この記事について
シリーズ F1
ドライバー Jenson Button , Stoffel Vandoorne , Takuma Sato
チーム McLaren
記事タイプ 記者会見