ホンダ、17年新パワーユニット規定への”もどかしさ”

方向性がまとまった、2017年からのパワーユニット規則。「無尽蔵に予算を使いたい訳ではない」と前置きをしながらも「自由な開発がしたい」と、ホンダのF1プロジェクト総責任者、長谷川祐介は語る。

 マクラーレン・ホンダのドライバーは、ジェンソン・バトンもフェルナンド・アロンソも、MP4-31の走りに不満気味だったそう。アップデートしたシャシーのセッティングが決まらず、リヤのグリップ不足に悩まされたのが第5戦スペインGP金曜日の状況だった。パワーユニットに関しても満足しているわけではなく、アロンソは盛んに「エンジンパワーがない」と訴えたという。

「(連続4イベント目なので)エンジンパワーを抑えているんです」と、長谷川祐介F1プロジェクト総責任者は説明する。「(ロシアでの)レースのパフォーマンスを知っているので、それと比較して文句を言ってくる。パワーは抑えていると言ってあるんですけどね」

PUの耐久性向上については賛同

 第4戦ロシアGP後、2017年以降のパワーユニットに関する方向性が決まった。コスト削減が主目的で、年間使用基数はイベントの数にかかわらず、ドライバーひとりあたり年間4基に制限される(16年は年間5基)。

「(パワーユニットの)耐久性を上げるのは技術的なチャレンジになるので、ありだと思います」と、基数制限に関して、長谷川総責任者は賛意を示す。トークンの制度は撤廃されるので、開発領域の制限はなくなる。だが、問題は残る。

「ここでアップデートできれば(競合との)差が縮まると分かっていても、基数の制限があるので、好きなタイミングで投入できなくなります。それを無視して(制限基数以上に)投入すれば、10グリッドダウン、20グリッドダウンになってしまう。それではアップデートする意味がありません。エンジンメーカーの立場からするとペナルティが重すぎるし、ファンの立場から見てもわかりにくいと思います」

”無尽蔵”に開発したいわけではない

 スポーツなので、「一定のルールの中で戦うのは当然」という認識はある。17年以降はセンサーなどが標準パーツに指定されるが、「それはまったく問題ない」と長谷川氏は言う。

「誤解してほしくないのですが、(予算面で)無尽蔵に開発したいと言っているわけではありません。自由に開発したいのです」

 メルセデスやフェラーリに対して「エンジンのマキシマムパフォーマンスで劣っている」ことは認識している。だからこそ、開発のピッチを上げて追いつきたい。しかし、基数制限のせいで投入のタイミングが遅れてしまうことになりかねない。そこにもどかしさを感じているようだ。

 また、17年以降に向けた取り決めでは、パワーユニットが確保できなかったチームに対し、カスタマーパワーユニットを供給する義務が生じる可能性がある。この件に関して長谷川氏は、「いくつかのチームと話はしていますが、交渉と呼べるようなものではありません。F1のソサエティに対して責任を果たす意味で準備を始めたところで、態勢が整っているわけではありません」と返答。複数チームへの供給に関し、積極的な姿勢で臨んでいるわけではない様子がうかがえる。

[世良耕太 Kota Sera]

 

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シリーズ F1
記事タイプ 速報ニュース