マッサのコラム:フェルスタッペン初優勝とメルセデス同士討ちを語る

毎レース後にお届けしているフェリペ・マッサのコラム。今回のコラムでは、厳しかったスペインGP、ハミルトンとロズベルグの事故、そしてマックス・フェルスタッペンの初勝利後の熱狂について振り返る。

 最後にはポイントを獲得できて、チャンピオンシップには有利に動いたとは言え、スペインGPは予想していた以上に厳しいものだった。

 予選は、ウイリアムズ・マルティーニ・レーシングが期待していたようには、物事が上手く運ばなかった。Q1終了の数分前にもっと速いラップを出すためにピットを出るOKをもらい、何の問題もなく次のセッションにいけるはずだった。でも、ターン3とターン7でトラフィックに引っかかり、0.4秒を失ってしまった。そして、ピットに戻った時には、再アタックする時間は残ってなかったんだ。

 この先、同じ様な戦術を取り入れる時は、最低あと1分は早くスタートするべきだね。ほんの少しの時間だけど、もう1回アタックできる可能性があるなら、やる価値はあるだろう。

攻めたレース

 土曜日の結果には失望したけど、レース当日は良い結果となった。歴史的に見ても、18番グリッドからのスタートはオーバーテイクが難しいから、簡単にはいかないのは分かっていた。でも、スタートよりも前から、気持ちは前向きだったんだ。

 良いスタートが切れて、4台を抜かしたけれど、ターン1とターン3の間で起きたインシデントのおかげで、自分が好むラインとは違うラインを走らなくてはならなかった。スタートからわずか数百メートルでレースを終えないためにも速度を落とさなくてはならず、そのおかげで、また元の順位に戻ってしまった。

 しかし、メルセデスの衝突によるセーフティカーの導入が終わった後は、すぐに良いペースを保ったまま、ライバルたちを何台もオーバーテイクすることが出来た。3ストップは正しい決断だったことが証明できたよ。つまり、遅いマシンに巻き込まれる事なく、マシンの能力を最大限引き出す走りが何度か出来たからさ。

 バルセロナでは、明確な判断が大きな違いをもたらすし、自分たちに何が出来るかを見せる事が出来て嬉しい。戦略が功を奏して、何台もオーバーテイクできた。マシンのバランスは良かったし、今回もまた最速ピットストップを獲得できた。この点に関して特に、チームの進展には目を見張るし、今シーズンここまで全レースで最速ピットストップを獲得し続けているのは、本当に驚くべき事だ。

 すべてが順調に運んで、最終的に8位入賞でレースを終える事が出来たのは、素晴らしいことだよ。日曜日に僕たちが行った作業にはハッピーだ。

メルセデスの同士討ち

 先週のグランプリは多くの事が起こったね。おそらく、パドックの常連とファンの間に多くの議論を引き起こすであろうレースのうちのひとつだ。

 ルイス・ハミルトンとニコ・ロズベルグの間に起きた事について意見を求められるけど、客観的に見た事に関する意見なら述べる事が出来るよ。ターン3から抜けてくる時のルイスとの速度差を見れば、ニコのパワーユニットのセッティングに何か問題があったことは分かる。

 思うに、ニコはステアリング上でセッティングを修正している間に、チームメイトであるルイスが迫っているのに気付き、抜かれないようにコースを塞いだのだろう。
この様な状況では何でも起こりうるものさ。結局のところは、ただのレーシング・インシデントということだろう。ただ、この様な事故に巻き込まれたふたりが同じチームのドライバーとなると、議論は常に大きくなるものだ。

 彼らはチャンピオンシップを争うドライバーであり、それに伴うストレスを考慮しなければならない。それに、我々はレース後に何時間もかけて何が起こったのかを語る事ができるが、事故が起こる際にはコックピットの中では全てがコンマ数秒で決断されるということも忘れてはならないと思う。

フェルスタッペンの活躍は本物か?

 マックス・フェルスタッペンは、F1に駆け上がる過程でも、実際に辿り着いてからも、常に速いドライバーであることを証明し続けて来た。時には、18歳と言う若気の至りからもたらされるミスも散見されて来た。

 しかしながら、コース上での彼のパフォーマンスは一度たりとも疑いの余地は無く、レッドブルに所属して初めてのレースで、表彰台が狙えるマシンを初めて運転して、実際に勝利を手に入れた。

 ダニエル・リカルドより優れた戦略であったという幸運の星がついていたも確かだけど、それでも彼は素晴らしいレースをした。18歳にしてこのポジションに辿り着き、そして優勝する。そんな運命だったのだろう。

 これは歴史に名を残すチャンピオン達が見せてきたパフォーマンスと通じるものがある。しかしながら、マックスはキャリアにおいて次なる重要な節目に立ち向かわねばならない。それは、スペインでのパフォーマンスが彼の実力であること裏付ける必要があると言う事だ。

 フェルスタッペンの成功はF1の美談となるだろう。もし彼が、この後に良くないレースを3回続けたら、彼は自身に対する熱狂が冷めていくのを感じるだろう。そのようなことが起こらない方に賭けるよ。でも、スポーツの世界では物事はすぐに変わって行くからね。

モナコの熱狂

 スペインGPでフェラーリとレッドブルの方がウイリアムズよりも速かったのは確かだけど、僕たちのマシンは進化しているよ。でも、過去2年間に起きた事を考えると、戦略を練る段階で、モナコは難しい課題だ。もちろん、今回は良い結果になる事を望んでいるけれど、僕たちのマシンが、モナコの狭いコースに適していないのは確かだ。

 でも、モナコはモナコだし、僕がよく把握している場所だ。何しろ、コースは僕の家から歩いて行ける距離だからね。だから、何が起こっても不思議ではないよ。僕たちに有利に働く、予期しない出来事が起こることを望むよ。

 モナコの後に続くレースは、僕たちのマシンに適したコースで行われる。だから、モナコでは少しでも多くのポイントを獲得したいね。

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この記事について
シリーズ F1
イベント名 スペインGP
サーキット サーキット・デ・バルセロナ-カタルーニャ
ドライバー Felipe Massa
チーム Williams
記事タイプ インタビュー