メキシコGP決勝レースレポート:ハミルトン51勝目の勝利、8秒354差でロズベルグを下す

メキシコGP決勝は、ハミルトンがロズベルグを下し、勝利をあげた。ふたりの差は19ポイントに縮まった。

 メルセデスのルイス・ハミルトンがメキシコGPで51回目の勝利を上げ、ドライバーズ選手権でトップを行くチームメイトのニコ・ロズベルグ(2位入賞)とのポイント差を19点に縮めた。残り2レース。果たしてハミルトンの逆転はあるのか? ロズベルグ初タイトルなるか?

 決勝レースは標高(海抜)2300mのメキシコシティ市街地にあるアウトドローモ・エルマノス・ロドリゲス(Autódromo Hermanos Rodríguez)で行われ、ポールポジションからスタートしたハミルトンがほぼ完璧なレースを見せて勝利をあげた。彼のたったひとつのミスはスタート直後の第1コーナーでブレーキをロックさせてコース外を突っ切ったこと。これで彼は2番手のロズベルグに大きな差を付けたが、審査対象にならずペナルティは科せられなかった。ロズベルグもレッドブルのマックス・フェルスタッペンと接触してコース外にはみ出したが、こちらもお咎めなし。この瞬間にメルセデスの1–2位が決まったといえるだろう。

 メルセデスのドライバーに迫ったのはフェルスタッペンのみ。彼は一時ロズベルグを1秒5まで追い上げたが、結局最後は3位に落ち着いた。その3位もレース後にフェラーリのセバスチャン・ベッテルに奪われることになるのだが……

 レース序盤は混乱が続いた。ハミルトンとロズベルグのコース外走行に始まり、ベッテルの勘違いパンク説、トロロッソのカルロス・サインツのギヤボックス・トラブル、そして最悪はザウバーのマーカス・エリクソンとマノーのパスカル・ウェーレインの事故。この事故で早々にウェーレインはリタイア、事故の後処理のためセーフティカーの出動になり、レースは波乱の幕開けになった。

 このタイミングでタイヤ交換をしたのはレッドブルのダニエル・リカルド。スタートで使用したスーパーソフトからミディアムに変更してレースを乗り切る作戦に出た。その後エリクソン、ジョリオン・パーマー(ルノー)、ロマン・グロージャン(ハース)がタイヤ交換に続くが、リカルド以外はいずれも下位のドライバーで、レースの流れには影響はなし。 

 上位の変動は13周目のフェルスタッペンのピットストップが皮切りで、17周目のハミルトンがピットストップの間にロズベルグがレースをリード、そして21周目にロズベルグがピットストップして順位は一巡した。いずれもミディアムタイヤへの交換がなされた。リカルドが最初にタイヤ交換をした際、彼の作戦は功を奏し、レースの流れを変えるように見られた。しかし、実際には大きなアドバンテージにはならず、一時3位にまで上がった順位を22周目にチームメイトのフェルスタッペンに譲り、フェルスタッペンのロズベルグ追走を助けた。

タイヤ交換を最後まで延ばしたのはベッテル。彼はソフトタイヤでスタートしたが、実に32周まで走り続けた。その間、僅か数周だがトップに立つ場面もあった。チームメイトのキミ・ライコネンは21周目にタイヤ交換をしていたが、彼は早々にグリップ不足を嘆いた。

 レースが3分の2を消化し、2位のロズベルグが遅いクルマに行く手を阻まれた時、フェルスタッペンがロズベルグに急接近。51周目には第4コーナーで彼を捕らえるが、次のコーナーで抜き返されて順位を3位に戻した。チームからは「素晴らしいトライだったが、3位をキープ」と無線が入った。

 終盤になると今度はそのフェルスタッペンがベッテルに追われる立場になった。両者の差はたちまち縮まり、レースが残り4周になったとき、第1コーナーでフェルスタッペンはベッテルの攻撃をブレーキングで防いだが、そのままコース外を走ってベッテルを押さえた。この行為にチームはフェルスタッペンにベッテルに3位を譲るように伝えるも、フェルスタッペンはそのまま走り続け、3位でゴールラインを横切った。しかし、レース後にフェルスタッペンは5秒のペナルティを科せられ、表彰式直前に5位に引きずり下ろされた。実はオープニングラップの第1コーナーでハミルトンもロズベルグも同じような状況にあったが、彼らには何らペナルティは科せられなかった。FIAの判断基準に不満がでそうだ。

 フェルスタッペンのペナルティによる順位降下で3位に入ったフェラーリのベッテル。ところがレース後になって彼に10秒のペナルティが科せられ5位に転落、おかげでリカルドが4位、フェルスタッペンは再び順位がひとつ繰り上がって4位に落ち着いた。ベッテルのペナルティはリカルドの攻撃をかわしてコース外を走行したことが問われたのだ。このベッテルの順位降下でリカルドが3位に、フェルスタッペンが再び4位に上がって最終的に落ち着くことになった。

 フェルスタッペンとベッテルのトラブルが勃発する中、6位争いのヒュルケンベルクとライコネンが接触、ヒュルケンベルクはスピンして7位に後退、ライコネンに6位を奪われた。8位以下はウィリアムズのバルテリ・ボッタスとフェリッペ・マッサ。マッサはレースを通じて、フォースインディアのセルジオ・ペレスを抑える走りを見せ、結局ペレスを抑えきった。

 マクラーレンホンダはアメリカで見せた俊足ぶりは影を潜め、ジェンソン・バトンが12位、アロンソは最悪のピットストップ作業の煽りを食って13位に甘んじた。

 優勝したハミルトンと2位ロズベルグの差は8秒354。このタイム差が2人の実力の差といえるが、長いシーズンを通して見ると、その差が全てではないことが分かる。必要な時に必要な収穫を得る者がチャンピオンに相応しい。その点を考えると、今シーズンはロズベルグに若干のアドバンテージがあるように思える。残り2レースでどこまで状況が変わるか、興味津々だ。

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この記事について
シリーズ F1
記事タイプ レースレポート