フォーミュラE最終戦決勝:タイトル争いのふたりが接触。ブエミがFLを記録し王座獲得

タイトルを争うふたりがスタート直後にクラッシュ。しかしブエミが最速ラップを記録し王者に輝いた。

 フォーミュラE最終戦ロンドンePrix決勝レース。セバスチャン・ブエミ(ルノー・e.ダムス)がポールポジションを獲得したことで、ルーカス・ディ・グラッシ(アプト・シェフラー・アウディ・スポート)と獲得ポイント153で並び、全く同ポイントで最終戦決勝レースを迎えた。つまり、決勝で1ポイントでも多く獲得した方が、2代目王者となるということだ。

 ポールポジションのブエミは好スタートを決め、チームメイトのニコラス・プロスト(ルノー・e.ダムス)がこれをしっかりとエスコートしていく。ディ・グラッシは3番手からスタートし、まずはプロストに並びかけていく。

 ドラマはすぐに起こった。スタート直後のターン3で、ディ・グラッシは止まりきれず、ブエミに追突。ブエミはマシンのリヤエンドを、ディ・グラッシはフロントエンドを大破させてしまう。1990年のF1日本GP、セナとプロストのクラッシュを彷彿とさせるようなシーンだった。

 ふたりのマシンは共に走行を続けることができる状況ではなく、ピットへ。なんとタイトルを争う2台が、ここでマシンを乗り換えることになる。

 これで両者の入賞はまず不可能。ただ、まだポイント獲得の可能性は残っている。フォーミュラEではファステストラップにも2ポイントが与えられるため、2台はこの最速ラップを狙っていくことになる。どちらかがファステストラップを記録すれば、その時点でチャンピオンが決まる。

 ふたりの事故により、このレース最初のセーフティカーが出動。ターン3に散らばったデブリを回収する。

 3周目からレース再開。プロストが順当に逃げていく。

 ディ・グラッシはすぐにマシンを乗り換えてコースに復帰し、ファステストラップを記録する。ブエミはピットにとどまり、コースが最適な状況になるまで待っている。

 7周目、今度はサム・バード(DSヴァージン)がスローダウン。コース上にマシンを止めてしまったため、2度目のセーフティカー出動となる。

 9周目からレース再開。ブエミとディ・グラッシのアクシデントの触発されたのか、各所で熱い戦いが繰り広げられていく。

 先頭が12周目に入ったところで、ブエミがコースに復帰。他のマシンがバトルをしている中、ただひとり予選アタックに出ていくような雰囲気だ。ディ・グラッシはピットに戻り、再びタイミングを伺う。

 ただブエミがコースインした直後、アンドレッティのロビン・フラインスがクラッシュ。これでこのレース3回目のセーフティカー出動となる。フラインスは、ロイック・デュバル(ドラゴン)と激しく接触していたのだ。

 ブエミはこのセーフティカーにより、再びピットに戻り、エネルギーを温存する。

 15周目からレース再開。このタイミングで、ブエミが再びコースイン。ディ・グラッシもコースに入っている。

 18周を走り終えたところで、各車がピットイン。マシンを乗り換える。先頭はプロスト、2番手にダニエル・アプト(アプト・シェフラー・アウディ・スポート)、3番手にジャン-エリック・ベルニュ(DSヴァージン)である。

 このタイミングでブエミがアタック。しかし、チーム・アグリのマー・チンホワに追いついてしまい、最速ラップを塗り替えることができず。ペースを落として前とのギャップを築く。そして再びアタック。1分26秒056を叩き出し、この時点でのファステストラップを記録する。ディ・グラッシもアタックするが、ブエミを上回ることはできない。

 ブエミは一度ピットに戻り、再度アタック。自らのタイムを1.5秒更新し、1分24秒582を記録する。この時点でブエミがタイトルの可能性をグッと引き寄せた。ディ・グラッシもアタックをするが、0.4秒ブエミには及ばない。

 25周目の時点でレースを引っ張るのは、やはりプロスト。2番手のアプトに約8秒の差をつけている。その1秒後ろにベルニュがつけ、ふたりは接戦を続けている。

 4番手のニック・ハイドフェルド(マヒンドラ)以下は大接戦。アントニオ・フェリックス・ダ・コスタ(チーム・アグリ)、オリバー・ターベイ(ネクストEV TCR)、ジェローム・ダンブロジオ(ドラゴン)、デュバルまでが、1秒以下の間隔で続いている。

 29周目、ダンブロジオがターベイをオーバーテイク。デュバルもこれに続いた。ターベイは全くペースが上がらず、どんどん抜かれてしまい、11番手まで落ちてしまう。

 ディ・グラッシが再びアタック。セクター1とセクター2で全体のベストタイムを計測し、最速ラップを狙う。しかし、わずか0.05秒ブエミに及ばない。

 このディ・グラッシのアタックを見たブエミも再度アタック。自らのタイムを更新し、1分24秒150を記録する。これを見たディ・グラッシは勝負あったとみて、マシンを降りた。

 レースはプロストが先頭で優勝。前日の第9戦に続き、連勝を果たした。2位にはアプト、3位にはダンブロジオが入った。

 この瞬間、ブエミのファステストラップが確定し、ブエミはシーズン2のチャンピオンを手中にした。決定の瞬間をピットで迎えたブエミは、喜びを控えめに表現。アラン・プロストに祝福されると、堪えていたものと堪えきれず、泣き崩れた。最終戦のファステストラップポイントのみ、わずか2ポイント差の決着だった。また、チームタイトルも昨年に引き続き、ルノー・e.ダムスが獲得している。

 なお、ブエミとディ・グラッシの1周目のクラッシュについては、レース後に審議されることになった。

 

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この記事について
シリーズ フォーミュラE
イベント名 ロンドンePrix
サブイベント 日曜日 決勝レース
サーキット ロンドン市街地
ドライバー Nicolas Prost , Sébastien Buemi
記事タイプ レースレポート