ベンチュリ、日本企業ロームのSiCを導入。研究開発を加速させるレース環境

ベンチュリ・フォーミュラEチームは、新しい先端科学技術の導入で、今シーズン上位進出を狙っている。

 ベンチュリの今季マシンであるVM2000-FE-02には、マシンの効率を改善するために、新しい半導体シリコンカーバイド(SiC)ダイオードが使われている。

 ベンチュリは、先週行われた香港ePrixでマーロ・エンゲルが9位、チームメイトのステファン・サラザンが10位でフィニッシュし、2台ともがポイントを獲得した。

 日本の、世界的なテクノロジー企業であるROHM(ローム株式会社)が作った、特別なSICダイオードは、ベンチュリのインバータに使われており、シーズン2に使われていたものより2kgの軽量化を果たしている。

 また、電気効率についても1.7%上昇しており、熱抽出機の大きさを30%減少させることにつながっている。

 この素材は従来のシリコンと比べて、より高い電界強度があると考えられており、結果として非常に電力損失が少なく、より高い温度抵抗を示す。

 この新技術は、先週の香港でベールを脱いだ。ベンチュリのテクニカルディレクター、フランク・バルデットは「我々のインバータに素晴らしいソリューションをもたらした、ロームが開発したシリコンカーバイド技術を使ってパワートレインを開発できたことに、我々は非常に誇りに思っている」と語った。

「フォーミュラEはパワーマネジメントが全てだ。出力半導体界のリーダーであるロームとのパートナーシップにより、我々のマシン全体のエレクトロニクスが改善された。だから、我々の電気モーターはより高いパフォーマンスを発揮できる」

 バッテリーから供給されるエネルギーを、最も効率的に路面に伝えるというフォーミュラEのチャレンジにおいて、新しい半導体技術が一旦開発されてしまえば、ベンチュリはそこからアドバンテージを得ることができると考えている。

 FIAの電気及び新エネルギーチャンピオンシップ委員会の会長であるブルクハルト・ゴーシェル教授は、先週の香港で「ベンチュリがやっていることは、まさにフォーミュラEのチームが全力を注ぐべきことだ」とmotorsport.comに語った。

「電気工学における進歩は素晴らしいが、レースの環境が研究開発を加速させる」

「マニュファクチャラーやチームには、いくつかの実に有益で、興奮するような技術を集約する機会が沢山ある」

シリコンカーバイド(SiC)とは何か?

 インバータを、より小さくより強く、より速くするというSiCは、シリコンと炭素からなる化合物である。SiCは2000℃という高温下で、結晶成長過程を経て精製される。

 この技術を出力デバイスに使ったROHMは、SiC応用におけるリーダーであり、より低消費、高効率な製品を生み出した。従来のシリコンに比べ、いくつかの利点が存在する。

小ささ

 システムの小型化は、サイズと重量の減少を意味しており、モータースポーツにおいては重量配分の改善に、一般的には電力消費量の低減に寄与する。

強さ

 SiCのデバイスは、より高電圧高電流で動作することができる。このため、高温の状況下でも、出力密度の増加や、スイッチングによる損失を低減できる。

速さ

 ベンチュリとROHMのパートナーシップの最大の成果は、最高の性能によって、スピードを最大化させたことである。

Be part of something big

コメント
コメントを書く
この記事について
シリーズ フォーミュラE
イベント名 香港ePrix
サーキット 香港ストリート・サーキット
ドライバー Maro Engel , Stéphane Sarrazin
チーム Venturi
記事タイプ 速報ニュース