FE第8戦ベルリン決勝:ブエミ今季3勝目。ポイント差1で最終戦へ
フォーミュラE第8戦ベルリンePrixの決勝レースが行われ、2番グリッドからスタートしたセバスチャン・ブエミ(ルノー・e.ダムス)が優勝。ポイントリーダーであるルーカス・ディ・グラッシ(アプト・シェフラー・アウディ・スポート)との得点差を1ポイントまで縮めた。
今回のベルリンePrix、レース前から波乱が待っていた。予選で上位だったブルーノ・セとニック・ハイドフェルドのマヒンドラ2台、ベンチュリのステファン・サラザン、ドラゴンのジェローム・ダンブロジオの4台に、タイヤ内圧違反などがあってグリッド降格ペナルティが課せられ、これらのマシンは最後尾からのスタートを強いられることになってしまった。
ブエミvsベルニュのオーバーテイク合戦
絶好のスタートを決めたのは、2番グリッドのブエミ。スタート直後の第1コーナーのヘアピンでインを取り、ポールポジションスタートのジャン-エリック・ベルニュ(DSヴァージン)の前に出る。後方では多くの接触があり、特に4番手のサム・バード(DSヴァージン)のフロントウイングがグラついている。
スタートでブエミにやられてしまったベルニュだが、これでは諦めない。続く1周目最後の第1コーナー(今回のコースは変則的で、スタートラインとフィニッシュラインが別であり、1コーナーのヘアピンをクリアしたところにフィニッシュラインがある)でブエミにやり返し、奪首。レースをリードしていく。
先頭に立ったベルニュだが、ペースはなかなか上がらない。後方には多くのマシンが数珠つなぎで並ぶ展開だ。
ブエミは苦しむベルニュを6周目にオーバーテイク。マシン幅ギリギリしかないところをブエミが鋭く突いて、先頭を奪う。3番手を走っていたダニエル・アプト(アプト・シェフラー・アウディ・スポート)もベルニュのオーバーテイクを狙うが、これは叶わず。ブエミはどんどんと2番手以下との差を広げていく。
アプトはようやくベルニュを抜くが、すでにブエミとは3.5秒の差がついてしまっている。ダメージを負ったバードはオレンジボールフラッグが出され、ピットへの帰還を余儀なくされてしまう。これで、4番手のポジションをフイにしてしまう。
ハイドフェルドのオーバーテイクショー
レース序盤に魅せたもうひとりは、ペナルティにより16番手グリッドからのスタートとなってしまったハイドフェルドである。ハイドフェルドは、ピットインまでに9台を抜き、7番手まで上がってみせるのだ。
さて、アプトに抜かれたベルニュは、なんとか3番手のポジションを、ニコラス・プロストから守っていた。しかし、シケインのボラードに激突してしまい、右側のフロントウイングを破壊してしまう。ベルニュはそのまま走行を続けていくが、再び同じ箇所でボラードにヒット。今度はウイングを完全に脱落させてしまう。しかし、ピットインまであとわずか……ベルニュはポジションをいくつか落としながらも、1台目のマシンで予定の周回数を走りきる。
ブエミがピットに入ったのは、24周目終了時点。アプト、プロスト、ベルニュらもこの段階で入ったが、ディ・グラッシはエネルギー消費を抑え、1台目のマシンをライバルより1周多く走らせる作戦を実行。結局コースに復帰した時、ディ・グラッシのポジションは4番手まで上がっていた。
しかし28周目にフルコースコーションが宣言される。これは、ベルニュの1台目のマシンのウイングパーツがシケインに散乱しているためで、マーシャルにより迅速に回収・清掃が行われる。
ブエミ、貪欲に最速タイムも狙う
29周目からレース再開。ブエミはファステストラップを連発し、2番手アプトとの差を10秒以上に開いていく。このまま圧勝するのかと思いきや、ブエミとアプトの差は一時4秒弱まで縮まってくる。何かのトラブルか? と心配もされたが、これはブエミがファステストラップ(=2ポイント)獲得を目指すため、前方にスペースを空けていたということのようだ。
ブエミが逃げ、アプト、プロスト、ディ・グラッシがひと塊となる展開。しかし、各車なかなか決め手を見出せない。そんな中、39周目の最終1コーナーでディ・グラッシがプロストをオーバーテイク。これでアプト・シェフラー・アウディ・スポートが2-3位体制となる。
先頭のブエミが42周目を走行していた際、ロイック・デュバル(ドラゴン)がクラッシュ。これによりセーフティカーが出動し、隊列がグッと縮まる。
残り2周というところでレース再開。ブエミはリスタートと同時にポンと飛び出し、逃げる。アプト・シェフラー・アウディ・スポート陣営としては、チャンピオン獲得を考えれば、アプトとディ・グラッシのポジションを入れ替えた方がいい。一瞬、アプトが進路を譲るような素振りを見せたが、結局入れ替わることはなく、そのままチェッカーを受けることになる。
ポイント差1で最終戦ロンドンへ
ブエミは今季3勝目を挙げ、25ポイントを獲得。ディ・グラッシは3位に入って15ポイントを獲得したが、両者のポイント差はわずか1(ディ・グラッシ:141ポイント、ブエミ:140ポイント)となっている。この最小ポイント差で、最終戦ロンドンePrixの2レースに臨むことになる。さて、結末やいかに?
アプトが2位、プロストが4位と、ルノー・e.ダムスとアプト・シェフラー・アウディ・スポートがトップ4を分け合った。ベルニュは結局5位、以下ロビン・フラインス(アンドレッティ)、ハイドフェルド、マイク・コンウェイ(ベンチュリ)、シモーナ・デ・シルベストロ(アンドレッティ)、サラザンのトップ10となった。
3位フィニッシュを果たしたディ・グラッシは、フルコースイエローコーション中のスピード違反が疑われ、レース後に審議が行われたが、お咎めなしに終わっている。
フォーミュラE第8戦ベルリンePrix 決勝結果:
Pos | Driver | Team | Time/Gap |
---|---|---|---|
1 | Sébastien Buemi | DAMS | 53:46.086 |
2 | Daniel Abt | Team Abt | +1.767 |
3 | Lucas di Grassi | Team Abt | +2.381 |
4 | Nicolas Prost | DAMS | +3.328 |
5 | Jean-Eric Vergne | Virgin Racing | +4.927 |
6 | Robin Frijns | Andretti | +6.501 |
7 | Nick Heidfeld | Mahindra Racing | +7.700 |
8 | Mike Conway | Venturi | +8.305 |
9 | Simona de Silvestro | Andretti | +12.473 |
10 | Stéphane Sarrazin | Venturi | +13.241 |
11 | Sam Bird | Virgin Racing | +1 lap |
12 | Oliver Turvey | China Racing | +1 lap |
13 | Nelson Piquet Jr. | China Racing | +1 lap |
14 | Ma Qing Hua | Team Aguri | +1 lap |
15 | Bruno Senna | Mahindra Racing | +2 laps |
16 | Jérôme d'Ambrosio | Dragon Racing | +3 laps |
Ret | René Rast | Team Aguri | |
Ret | Loic Duval | Dragon Racing |
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