将来はグリーンなWECに:ACOが会見で表明

「理想のモータースポーツ」実現のため、将来に向けた規則改定の展望を、ACOが会見で明らかにした

 6月16日、予選2日目を迎えたル・マンでは、午前11時から主催者ACOの会見が行われた。会見の内容は多岐に渡り、充実した会見だった。

 重要な点は、2017年以降のル・マン(WEC)の方向性が示されたことだ。現在WECのLMP1にはハイブリッドシステム搭載のマニュファクチャラーチーム(LMP1-H)と未搭載のプライベートチーム(LMP1)が存在するが、WECとしてはプライベートチームの参加台数を増やしたい意向を持っている。そのため、LMP1クラスに様々なレギュレーションの変更を施す方針だ。

 空力面ではフロントスプリッター位置の変更、リヤディフューザーの小型化、リヤウイング幅の拡大が実施される。また、フロントボディワーク幅の拡大、最低重量の軽減(830Kg)、シングル燃料流量メーターの装着、トルクメーターの廃止、使用エンジン数制限の撤廃、排気量の自由化が行われ、DRSの採用も協議されている。

 LMP2に関しても、2017年以降はワンメイクエンジン化がなされ、そのエンジンであるギブソン・テクノロジー製GK428が発表された。自然吸気V型8気筒、排気量4169cc、出力600馬力で、各チームに貸与される。

 以上は2017年に施行される具体的な内容だが、LMP1に関する2018年以降の方針も同時に発表され興味を引いた。方向性としては、モータースポーツ技術の主導、安全性の向上、排気ガスの軽減を目的としたものだ。技術主導に関しては、ERSエネルギー量が10MJに、ERSシステムは現行の2個から3個に増やせることになる。しかし、搭載燃料量はガソリンもディーゼルも現行から8%削減される。

 安全性に関しては、ドライバーを包み込むサバイバルセルがより強固になり、ドライバーシートの背面の角度まで規制された(55度)。また、ドライバーのヘルメット周辺には十分な空間を保持、コクピット全体は拡大され、ペダル類は調整可能に。また、ドライバーの脚を保護するフォームの装着が推進される。クラッシュテストはフロント/リヤが義務付けられ、コクピットにはより広い視野の確保が要求される。

 最後に排気ガスの削減に関しては、ピットレーンはモーター/バッテリーのみの走行、コースではエンジンとハイブリッドシステムの併用となる。

 さらに将来に向けては、バイオ燃料の採用で排気ガスを限りなくゼロに近づけると共に、バイオガスを取り除いたバイオメタンの採用も考えられる。これは、量産車の世界では環境対策が急がれる中、モータースポーツも知らぬ顔は出来ぬということなのだろう。モータースポーツの世界で技術主導を謳うル・マン(WEC)が避けて通れない道だ。水素燃料の燃料電池車がその究極の形かもしれない。

 その理想のモータースポーツを実現するために、ACOとFIAは自動車メーカーを含めたワーキンググループを作る予定だ。

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この記事について
シリーズ Le Mans
記事タイプ 速報ニュース