中嶋一貴「勝つまでやりましょう!」と雪辱を誓う

「世界に1億人のトヨタファンが増えたと思う。それだけは、やった価値があると思う」

 トヨタにとっては、なんとも厳しい結末となった今年のル・マン24時間レース。悲願だったル・マン初優勝は、残り1周、時間にして3分というところで、手の内から零れ落ちた。

 勝利目前だったトヨタTS050ハイブリッド5号車のステアリングを最後に握っていたのは、中嶋一貴だった。その中嶋にレース後、今年のル・マン24時間、そしてトラブルが起きた際の状況について訊いた。

「前半、僕らのクルマ(TS050ハイブリッドの5号車)はあまり流れが良くなかったんで、最初に僕が乗った時には『今回は6号車かなぁ』と思っていました。でも、夜が明けて朝になって2回目に乗った時には、6号車との差がだいぶ縮まっていました」

「1回目と2回目のスティントに関しては、自分としては結構難しかった。でも、もう何年もやっていますから、自分のラップタイムよりも、クルマをしっかり持って帰ってくることを考えて走っていました。もちろん、速く走らなきゃいけないですけどね。とにかくカリカリせず、他のドライバーが頑張れる時に頑張ってもらえばいいかなと。実際、セブ(ブエミ)はかなり良いスティントで、前に出てくれました。そこから、頑張れば(勝てる)チャンスがあるかなと思い始めました」

「僕が3回目に乗った最後のスティントは、2番手のポルシェ2号車には(ニール)ジャニが乗ってるし、差も30秒くらいしかなく、ペースによっては何が起きるかわからないという展開でした。正直かなりプレッシャーがありましたが、乗ってみるとクルマのバランスは良く、ペースも良かったので、合格かなと思いました」

「(異変を感じたのは、スローダウンする)前の周からです。突然パワーが低下して、エンジニアからは縁石を使わず、回転数を上げずに走れと言われていました。そして『うわ、僕なんかした?』と思ったんですが、そのくらい突然パワーがなくなってしまった」

「いろいろと試したり、リセットしたりしたけどダメで、最後はエンジンだけでゆっくり1周してくることになりました。原因は僕にはわからないです」

「まあ、パニックですよ。ピットもパニックだったと思いますけどね。このレースを何人の人が観てくれたんですかね? テレビも入れたら、世界で1億人くらいですかね? もし1億人が見てくれているのだとしたら、世界に1億人トヨタのファンが増えたと思う。それだけは、やった価値があると思います。でも、勝つまでやりたいなと思いますよね。勝つまでやりましょう!」

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この記事について
シリーズ Le Mans , WEC
イベント名 ル・マン24時間レース
サブイベント Sunday race
サーキット ル・マン
ドライバー Kazuki Nakajima
チーム Toyota Gazoo Racing
記事タイプ レースレポート