青山博一”もうひとつの役割”。アジア&オセアニアを世界と繋ぐ

ペドロサの代役としてマレーシアGPに出走した青山博一。彼には、もうひとつ重要な役割がある。

 第17戦マレーシアGPで、負傷欠場中のダニ・ペドロサ(レプソル・ホンダ・チーム)の代役として参戦した青山博一は、HRCテストライダー以外にもうひとつの肩書きを持っている。シェル・アドバンス・アジアタレントカップのコーチ兼アドバイザー、という役割だ。

 アジアタレントカップ(ATC)とは、アジア地域の若い才能を発掘することを目的として、MotoGPやSBKを運営するスペインのスポーツプロモート企業ドルナスポーツ社が、2014年から開始した選手権だ。Honda NSF250Rのワンメイクレースで、アジアラウンドのMotoGPやSBKなどのサポートイベントとして一年間にわたるシリーズ戦を行う。

 アジア諸国やオーストラリアから広く募集した選手を選抜し、その指導役にあたるのが、ダニ・ペドロサやケーシー・ストーナーを育成したことでも知られるアルベルト・プーチで、青山はいわばプーチの補佐役としてヤングライダーたちの面倒を見ている。

 2014年のATCは鳥羽海渡、2015年は佐々木歩夢と、日本人選手が連続してチャンピオンを獲得した。先日のマレーシアGPでは、ATCの2016年最終戦が併催され、タイ人選手のソマキット・チャントラが総合優勝を達成。そのレースに先立って、2017年のATCに申し込んできた選手たちのセレクションも行われている。

 この選考にも立ち会った青山は、「2015年や2016年のオーディションでは、日本人の速さが目立っていました。今もその傾向は同じですが、今年はマレーシアとインドネシアの速い子たちが印象的でした」と、その印象を述べた。

 ATCで高いポテンシャルを発揮した選手たちは、プーチが結成した〈アジア・タレント・チーム〉に抜擢されて、FIM CEVレプソル国際選手権(CEV)にも参戦をしている。

「ATCから世界に繋がる中間地点を作りましょう、ということで、アルベルトがチームを率い、僕もそこでコーチ役として活動しています。環境や言葉の違いにも子供たちは順応性が高く、最初は英語ができなくても少しずつ話せるようになってきているし、バンピーな路面やハイスピードコースにも適応しながら、それぞれのポテンシャルの中でそれぞれ成長しています」

 これらの環境で戦ってきた佐々木は、MotoGPのジュニア選手権に相当するレッドブル・ルーキーズカップにも参戦し、日本人選手として初めて同シリーズのタイトルも獲得した。来年は、SICレーシングチームからMoto3クラスに参戦することが決定している。同じくATC初代王者の鳥羽も、来季のMoto3クラス昇格が有力視されている。

「ATCやCEVを戦ってきて、来年からMoto3クラスに参戦する子たちにとっては、ようやくこれからが本番。互いに同じように速さを持っているけれども、それぞれ性格や個性の異なる若い子たちが、切磋琢磨しながらどうやってライダーのスキルを上げていくのか。そして、このMotoGPのパドックの中でどんな人間関係を作っていくのか。パーソナリティの部分もMotoGPの世界で生きていくためには重要だし、パドックの中でどれだけ愛されるかで、彼らが長くレースできるかどうかも変わってくるので、ライダーとして、そして人間としての彼らの今後の成長に注目をしています。このスタートラインにはつけるのは限られた数名なのだから、そのチャンスをしっかりと活かして頑張って欲しいですね」

取材・文/西村章

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この記事について
シリーズ MotoGP , Moto2 , Moto3
イベント名 マレーシアGP
サーキット セパン・インターナショナル・サーキット
ドライバー Hiroshi Aoyama , Ayumu Sasaki
チーム Repsol Honda Team , Drive M7 SIC Racing Team
記事タイプ 速報ニュース