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MotoGPコラム:強豪チームに上り詰めたスズキ。その戦闘力と“これから”

第12戦イギリスGPで今季2勝目を挙げたスズキ。今季のスズキは大きく戦闘力を挙げてきているが、これまでの推移と“来季”の戦いに目を向けてみよう。

Race winner Alex Rins, Team Suzuki MotoGP

写真:: Gold and Goose / Motorsport Images

 第12戦イギリスGPで優勝を飾ったアレックス・リンス(スズキ)は、25ポイントを加算してランキング3位に浮上した。首位のマルク・マルケス(レプソル・ホンダ)まで101ポイント、2番手のアンドレア・ドヴィツィオーゾ(ドゥカティ)とは23ポイントの差がある。

 マルケスとの101点差を詰めるのは現実的ではないだろうが、ドヴィツィオーゾとの間に開いている23点という距離は、まだ7戦を残している現状では充分に逆転可能な射程圏内と言えるだろう。ただし、リンスの直後にはダニーロ・ペトルッチ(ドゥカティ)が4点差で控えている。この僅かな差は、小さなミスが命取りになって自分が下位に転落する可能性も高い、ということでもある。

 とはいえ、今のリンスとスズキはライバル陣営の各チームと選手たちにとって、けっして油断できない強敵であることは間違いないだろう。

 レース後にチームマネージャーのダビデ・ブリビオは「自分たちが最強チームのひとつであるとは思わないけれども、強豪のひとつだと胸を張って言える」と話しており、技術監督の河内健も「シルバーストーンは高速コーナーと切り返しの多いコースなので、うちの良い点を出せました。薄氷の勝利という感じはしましたが、すべてがうまく噛み合った優勝でした」と述べている。両名の言葉からは、ホンダ、ドゥカティ、ヤマハと互角、もしくはそれ以上に戦える自信を深めている様子がはっきりとうかがえる。

 2011年シーズン終了後に活動を一時休止したスズキがMotoGPへ復帰したのは2015年。実戦から遠ざかっていた3年の空白期間に、ライバルたちとのレベル差は大きく開いていた。復帰初年度のライダーズランキングは11位と12位。翌2016年は3位を3回、優勝を1回達成したことで、マシン開発面でルールの制約が緩やかなコンセッション(優遇)対象からはずれ、翌年からはライバルメーカーと同一条件で戦うことになった。この年の選手ランキングは、4位と11位となった。

 2017年は、ランキング4位以上を目指すことがシーズン前からの目標になったが、ライダーラインアップが前年から一新(※アレイシ・エスパルガロとマーベリック・ビニャーレス→リンスとアンドレア・イアンノーネ)されたこともあり、苦戦が続いた。

 リンスはこの年に最高峰クラスデビューを果たしているが、シーズン序盤に負傷して数戦で欠場を強いられ、ランキングは16位と低位に沈んだ。また、もう一名の選手も苦戦が続いて13位で終え、結局シーズン中に一度も表彰台を獲得できず、翌シーズンはふたたびコンセッション対象チームへと陥落してしまう。しかし、2018年は両選手で計9回の表彰台を獲得してコンセッション離脱条件を易々とクリアし、ふたたび通常ルール適用対象チームとして今季を迎えることになった。

 と、このような経緯が復帰以来のスズキが歩んできた大まかな道筋だ。次に、復帰後のスズキが好成績を残した2016年や2018年と、今シーズンの彼らの成績を比較してみよう。

 2016年の第12戦終了段階での成績は、前年にスズキから最高峰クラスデビューを果たしたマーベリック・ビニャーレスが、フランスGPで3位、イギリスGPで優勝を飾って計125ポイントを獲得し、ランキング4番手につけていた。

 2018年は、第12戦イギリスGPが劣悪な路面条件が原因でキャンセルされたため、12回目のレースを終えた第13戦終了時の状況で見てみると、アンドレア・イアンノーネが92ポイントでランキング9番手、リンスは79ポイントを獲得して10番手につけていた。

 このように、獲得ポイント数で単純に比較をしても、今年のスズキは復帰後の5年間でもっとも戦闘力の高い状態であることがわかる。

 活動休止前まで視野を広げてみよう。スズキが最も高い成績を収めたのは2007年で、この年は2名のライダーで計8表彰台を獲得し、ジョン・ホプキンスが4位、クリス・バーミューレンが6位でシーズンを終えている。今年のスズキは、最高峰クラス初年度のジョアン・ミルがまだ学習過程の途中で、しかもこの2戦は負傷欠場を強いられている。

 両選手が安定した速さを披露しながら、チーム全体で総合的な戦闘力を発揮する、という意味では、この2007年が最も安定感の高いシーズンだったといえるかもしれない。今季のスズキはリンスが孤軍奮闘している感も否めないものの、個人成績という面では、2002年以降のMotoGP時代では最高の状態にあるといっていいだろう。また、ミルがライダーとして大きく成長するであろう2020年は、両選手の成績がさらに高度に安定してくることも期待できる。

「来年はチャンピオン争いに加わる」とシーズン序盤に述べたダビデ・ブリビオの科白は、単なるリップサービスや無為な大言壮語ではなく、充分に実現可能な予測と計算の上に成り立った言葉、と言えそうだ。

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