世界初のEVラリークロスマシンがオーストラリアで開発中

オーストラリアの会社が、EVのラリーカーを開発中。将来的にはWRXにエレクトリッククラスの設立を目指す。

 かつて世界ラリー選手権(WRC)グループNのチャンピオンのドライバーであり、最近では世界ラリークロス選手権(WRX)に参戦しているマンフレッド・ストールは、オーストラリアを拠点にとする研究開発会社スタード(STARD)でEVラリー、ラリークロスコンセプトのテストと開発に取り組んでいる。

 このプロジェクトはEVでラリーをすることが注目されており、プジョー207スーパー2000のボディがベースとして使用されている。

 開発された車両は四輪駆動で、544馬力、トルク760N m相当のスペックを持っており、WRXスーパーカーのパワーに匹敵する。現在マシンは最大出力で15分間走行することが可能であり、単速のトランスミッションで時速195kmを記録する。

「これは、間違いなく今まで私が運転してきた中で一番衝撃的なマシンだ」とストールは話した。

「テストしたエンジニアから今まで知っているEVカーではないという話を聞いて、もちろん始めは疑わしく思っていた。でもそのパワーは言葉に表すことができない。即急的で、連続的なトルクは、あまりにも滑らかに時速195kmまで到達させる。それはまるで広大な宇宙にパチンコで飛ばされるような感覚だ!」

「わずかなトルクギャップもないんだ。加速している間は、息が止まり、自分の体を抑えていなければならなく、起こり得ないシフトアップをずっと待つようだ」

 1250kgのマシンはスタートから約0.4秒で全トルクの90%を出力することができる。現在はフロントとリヤで個々のモーターを使用しているが、今後は4モーターシステム(1つのホイールにあたり1つのモーター)を実装するために取り組んでいる。

 また使用済みのバッテリーはスタードによって設計されることで、さらに多くの電力を供給することが可能になる。

 スタードのCEOであるミハエル・サコウィッチは次のように述べている。

「これは、モータースポーツの将来に少しでも貢献するための投資活動の一環だ」

「将来像を語るのは少し難しい。開発中の水素、燃料電池など他の技術も持っている。しかし現在は電力の技術的な将来図が気になるところだ。それはフォーミュラEに参画しているメーカーのリストや、シリーズ参戦しているチーム名を見ると明らかなものだと思う」

 現状、ラリーやラリークロスはエレクトリッククラスを導入する計画はない。しかしスタードはそのようなクラスが設立される時代を先取りするために、私費でプロジェクトを立ち上げた。

 最高レベルの性能を活用するとともに、同社はミューの低い路面でもエネルギー回生システムが機能するような開発を進めている。距離の長いラリーステージでも活躍できることを想定しているのだ。

「ラリークロスをEVマシンで走るというのは、繊細なトピックになるだろう」とサコウィッチは語った。

「ラリークロスと電力によるレースのフォーマットは、完璧に合致するものだ」

「我々のマシンは、バッテリーシステムをFIA規則の準拠している。つまり、EV技術を活用したカテゴリができた時の準備はできている」

「電気モーターが持つ可能性を私は信じている。電力密度や機能、また制御は内燃機関に則った仕組みだ」

 12月から翌年2月にかけてフランスのアルプスで行われるアンドロス・トロフィー・アイス・レーシングシリーズにはエレクトリッククラスがある。シングルモーターの後輪駆動車が規則で定められている、現在唯一のカテゴリだ。

 一方、スタードはWRXの2016年シリーズに向けて、オーストリアのチームのためにフォードフィエスタスーパーカーを開発した経験を持つ。その時には2015年にストールもそのマシンをドライブしている。

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この記事について
シリーズ Other rally , World Rallycross
ドライバー Manfred Stohl
記事タイプ 速報ニュース