バンドーン、ブレーキに泣く。ブレーキの耐久性に各所から意見

スーパーフォーミュラ発のポールポジションを獲得したストフェル・バンドーンは、ブレーキトラブルによるリタイアに終わった。

 昨日、スーパーフォーミュラで初のポールポジションを獲得し、先頭からレースをスタートさせたストフェル・バンドーン(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)。しかしスタート直後の1コーナーでブレーキングをミスし、フロントをロックさせてオーバーラン。4番手に転落する。その後、ベルトラン・バゲッド(NAKAJIMA RACING)らと3番手争いを繰り広げるも、48周目の1コーナーでブレーキが壊れ、グラベルに捕まってレースを終えた。

「浮き沈みの大きな週末だった」と語るバンドーン。

「スタートは良かったけど、加速が伸びなかった。でも、3位が見えていたのにブレーキトラブルでリタイアとなってしまった」

 実は今回のレースから、スーパーフォーミュラのブレーキは変更されている。このブレーキに発生したトラブルがバンドーンをリタイアに追い込んだ。

 このブレーキの変更は、従来品の供給量が理由なわけだが、このブレーキの問題については、多くのチームやドライバーが指摘している。

 新しいブレーキは、「温度を上げないと効かない」と、P.MU/CERUMO・INGINGの石浦宏明が語る。

「僕のドライビングスタイル的には、ブレーキの温度が低いんです」

「温度を上げないと効かないのに、レース直前に『ブレーキを冷す方向で使って欲しい』という通達がありました。なのでブレーキダクトを閉じなかった。それで1周目は全然温度が上がらず、止まれなかったんです」

 しかし結局は、多くのマシンのブレーキの温度が上がり過ぎ、ブレーキングで黒煙を上げたり、バンドーンのようにコースオフしてしまったりしたわけだ。

「温度が上がり過ぎてしまったんで、危険な状態だったんです。僕もリヤの温度が上がってしまい、ブレーキのバランスが狂ってしまった」

 中嶋一貴が2位フィニッシュを果たしたVANTELIN TEAM TOM’Sの東條力エンジニアも「ウチはとりあえず持ちましたけど……」と語る。

「まだマシンの保管期間中なんで、開けて見ていないので分からないですけど、ビデオを見ていると、多くのマシンが1コーナーとかBコーナーで黒い煙を吹いてるじゃないですか。これは危ないと思います」

 小林可夢偉(SUNOCO Team LeMans)も、このブレーキについて再考を求めた。

「僕はひとりで走ってたんで問題なかったけど、基本的にはこのスピードで走るクルマに使うブレーキではないと思う。レース直前に『新しいブレーキで行ってほしい』という通達があったわけです。しかも、そのブレーキはチームがお金を出して買ってるものですからね」

「ぶっちゃけ、鉄のブレーキを使ってもいいと思います。値段も安いし、そのくらいのことをしてもいい。毎回新しいブレーキを入れるというのは、チームにとっては大変な負担ですから」

 可夢偉のチームメイトであるナレイン・カーティケヤンも、バンドーンのようにブレーキに問題を抱えていたと語る。

「僕もブレーキに問題を抱えていた。最終ラップのダンロップコーナーでブレーキを失い、タイムをロスしてしまったんだ」

 このトラブルにより失速したカーティケヤンは、フィニッシュライン直前で石浦に6位のポジションを明け渡すことになった。

「このブレーキには、正直危険なものを感じた。ブレーキは非常に重要だ。だから、テストをしながら改善していく必要があると思う」

 しかし一方、全く問題なかったというドライバーもいた。3位でフィニッシュした関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)だ。

「初期が効きにくかった、温まりにくかったですね。踏んでも、なかなか効いてこなかったです。でも、それはみんな一緒の問題なんで、気にしてないです。危険性という点については、全くわからないですね。気にはなりませんでした」

 関口はそう語っている。

 バンドーンが所属するDOCOMO TEAM DANDELION RACINGの村岡潔監督は「こればかりはどうしようもない」と語っている。

「ちょっと対策を考えてもらわないといけないかもしれないですね。ブレーキに負担をかけないドライバーなら良いかもしれないですけど」

「ストフェルは、特にブレーキに厳しいドライバーということはありません。でも、速いドライバーはブレーキもある程度ハードになるはずですから、まあ(その分負荷がかかった)そういうことでしょう」

 ブレーキに対してはそれほど厳しくない富士で頻発した新ブレーキへの懸念。次戦もてぎは、シーズン中でも特にブレーキに厳しいサーキットとしても知られる。今回のブレーキでは厳しいだろうということは当初から指摘されていたため、次のもてぎには、別メーカー製の特別使用のブレーキが使われることになっているようだ。

Be part of something big

コメント
コメントを書く
この記事について
シリーズ スーパーフォーミュラ
イベント名 第3戦富士スピードウェイ
サブイベント 日曜日 決勝レース
サーキット 富士スピードウェイ
ドライバー Hiroaki Ishiura , Kamui Kobayashi , Kazuki Nakajima , Narain Karthikeyan , Stoffel Vandoorne , Yuhi Sekiguchi
記事タイプ 速報ニュース