完璧すぎる決勝。山本尚貴開幕戦を圧勝! バンドーンも初戦表彰台:SF開幕戦鈴鹿決勝レポート

スーパーフォーミュラの開幕戦鈴鹿の決勝レースが行われ、TEAM 無限の山本尚貴がポール・トゥ・ウインを達成。2位には国本雄資(P.MU / CERUMO · INGING)、3位にはストフェル・バンドーンが入った(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)。

山本絶好のスタート。序盤から独走状態へ

 ポールポジションスタートの山本は好スタートでホールショットを決める。2番手の国本も良いスタートを切ったが、3番グリッドの関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)は蹴り出しが悪く、この間に4番手スタートのバンドーンが3番手に上がる。関口は1コーナーまでに小暮卓史(DRAGO CORSE)にも並ばれるが、巧みなポジション取りで4番手を死守。以下小暮、塚越広大(REAL RACING)、野尻智紀(DOCOMO TEAM DANDELION RACING )と続いた。後方では小林可夢偉(SUNOCO Team LeMans)がふたつポジションを下げ、伊沢拓也(REAL RACING)も5つポジションダウンしている。

 先頭をキープした山本は好調なペースで飛ばし、4周目を走りきった段階で2番手国本に対して3秒の差を築いている。しかし国本のペースが遅い訳ではなく、国本もバンドーンとの間に1秒以上の差をつけている。つまり、山本が圧倒的に速いのだ。関口は小暮に突かれる苦しい展開だが、スタートの手順違反があったとして、10秒ストップ&ゴーのペナルティを課せられてしまった。関口は7周目を終了した時点でピットインしてペナルティを消化。最下位に下がってしまう。

 前方から関口がいなくなった小暮はペースが上がり、バンドーンとの差をどんどん詰めていく。しかし山本のペースも衰えず、9周目を終えた時点で国本との差は5秒だ。

 11周目を終えた時点で伊沢がピットイン。作業は給油のみだ。戦略をライバルと変え、前に出る戦略だろう。続く12周目にはジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)がピットインし、給油とタイヤ交換を実施。伊沢の後ろに出る……が、伊沢は2コーナーでスピン! オリベイラは労せずして先行する格好となる。

 14周目のスプーンで、可夢偉が挙動を乱してベルトラン・バゲット(NAKAJIMA RACING )の先行を許してしまう。可夢偉はすぐにペースを取り戻してバゲットに攻撃を加えるが、バゲットはこれを巧みにかわしてポジションをキープする。15周目にはウイリアム・ブラー(KONDO RACING)がピットイン。こちらはタイヤを交換せず、給油のみでコースに復帰させた。

 16周を終えた時点で、山本は国本に対して6.866秒のリード。独走状態はさらに拡大していく。1周あたり、0.5秒前後山本の方が速いのだ。

中盤、各陣営に相次ぐトラブル、アクシデント

 18周目を終えた時点で可夢偉がピットイン。給油と4本のタイヤ交換を行い、オリベイラの後ろでコースに復帰するが、右リヤタイヤがうまくはまっておらずに加速できず、ゆるゆるとしたペースで1周。結局シケインでタイヤを飛ばしてしまった。翌周再びピットインし、これで可夢偉は最後尾に下がってしまう。

 19周目終了時点で中嶋一貴もピットイン。こちらも4本のタイヤを交換する。

 22周を終了した時点で、山本と国本の差は9.6秒。その後方にはバンドーン、小暮、塚越が2秒の等間隔で続く。

 23周を走りきった時点でナレイン・カーティケヤン(SUNOCO Team LeMans)がピットインするが、連絡が行き届いていなかったようでピット側は全く準備できておらず、バタバタの状態で給油及びタイヤ交換。これでカーティケヤンも大きく順位を落としてしまう。そしてそのカーティケヤンは、デグナーを直進してグラベルにはまり、リタイアとなってしまう。24周目には関口もピットインするが、こちらはジャッキが折れてしまうトラブル。レースはまだ半分を終えたばかりだが、様々な出来事が次々に起こっている。

 25周目には上位陣で最初に、5番手走行中の塚越がピットイン。こちらもタイヤを4本替えている。この作戦が吉と出るか?

 しかしこの間に山本のペースが徐々に落ちだす。周回遅れのマシンに引っかかったのが主な原因で、国本との差は急速に縮まり、一時10秒程度あったものが、28周終了時点で6.2秒となっている。

 29周を終えた時点で、5番手走行中の野尻がピットイン。こちらはタイヤを変えずにコースに送り出す。これを見たアンドレ・ロッテラー(VANTELIN TEAM TOM’S)は飛ばしに飛ばし、ピット戦略で前に出ることを目指す。30周目には小暮もピットインし、タイヤを変えてコースに戻る。

 31周目に山本とバンドーンがピットイン。山本はタイヤ交換をせず。バンドーンも換えなかった。ロッテラーもタイヤを変えずに給油のみのピットインである。ロッテラーはこの作戦で、野尻の前に出ることに成功。32周目に2番手の国本がピットイン。国本もバンドーンらに反応してタイヤを交換せず。ロシターとバゲットもここでピットインしている。つまり、多くのマシンがタイヤ無交換で43周を走りきろうというのだ。

影すら踏ませない走り。完璧な”決勝”を遂行した山本

 全車がピットインを終えた時点で、先頭は山本。7秒遅れて国本。その後方にバンドーン、小暮、塚越と続く。ロッテラーとロシターは戦略で野尻を攻略し6番手7番手だ。

 トップが37周目を走行する中、小林可夢偉に10秒のストップ&ゴーペナルティ。タイヤが外れてしまったことを、危険行為と取られてしまったのだ。また中嶋大祐はトラブルに見舞われたようで、ここでリタイアとなっている。37周を走りきったところで、伊沢もトラブル。こちらもリタイアだ。

 38周目にはロシターがロッテラーを交わし、6番手に浮上している。

 40周目のシケイン、ずっとバゲットに攻め続けられていた野尻が、たまらずオーバーラン。これで順位が入れ替わり、バゲットが8番手に浮上している。バゲットに抜かれた野尻は、今度はオリベイラに狙われる。その後方からは昨年チャンピオンの石浦宏明(P.MU / CERUMO · INGING)も狙っている。

 結局山本がポールポジションから43周を逃げ切ってトップチェッカー。2位国本に11.7秒の差をつける独走だった。国本の後ろには初参戦のバンドーン、4位には小暮、5位塚越、以下ロシター、ロッテラー、バゲットの順でフィニッシュしている。9番手争いはそのまま、野尻、オリベイラ、石浦の順で終わっている。

 これで山本は昨年の最終戦に続くスーパーフォーミュラ連勝。しかし陣営は、金曜日と土曜日には「とても優勝など狙える状況ではなかった」と口を揃える。そんな状況を跳ね除けての勝利は、より一層の意味を持つことだろう。2013年以来のチャンピオン獲得に向けて、最高のスタートを切った。

 また、これがスーパーフォーミュラ初戦となったヨコハマタイヤだが、多くのマシンが無交換作戦を採用したにもかかわらず、特に先頭集団の各車は大きなデグラデーションも発生せずに43周を走り切ることになった。

■スーパーフォーミュラ開幕戦鈴鹿:決勝結果

1. 16 山本尚貴(TEAM 無限)43Laps
2. 2 国本雄資(P.MU / CERUMO · INGING)+11''710
3. 41 ストフェル・バンドーン(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)+13''194
4. 34 小暮卓史(DRAGO CORSE)+16''758
5. 10 塚越広大(REAL RACING)+23''270
6. 3 ジェームス・ロシター(KONDO RACING)+25''199
7. 36 アンドレ・ロッテラー(VANTELIN TEAM TOM’S)+30''052
8. 65 ベルトラン・バゲット(NAKAJIMA RACING)+31''040
9. 40 野尻智紀(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)+37''410
10. 19 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)+37''971
11. 1 石浦宏明(P.MU / CERUMO · INGING)+38''214
12. 37 中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOM’S)+45''132
13.18 中山雄一(KCMG)+1'09''602
14. 20 関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)+1''10''595
15. 4 ウイリアム・ブラー(KONDO RACING)+1'39''752
16. 8 小林可夢偉(SUNOCO Team LeMans)+2Laps
17. 11 伊沢拓也(REAL RACING)+6Laps
18. 64 中嶋大祐(NAKAJIMA RACING)+8Laps
19. 7 ナレイン・カーティケヤン(SUNOCO Team LeMans)+20Laps

 

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この記事について
シリーズ スーパーフォーミュラ
イベント名 第1戦鈴鹿サーキット
サブイベント 日曜日 決勝レース
サーキット 鈴鹿サーキット
ドライバー Naoki Yamamoto
記事タイプ レースレポート