想定以上の高温で、ソフトタイヤの性能は「ちょっと物足りなかった」:SFもてぎ予選

高い気温下で行われたSFもてぎの予選。この影響でソフトタイヤは、想定性能を出せなかったという。

 今回初めて実戦投入された、ヨコハマのソフトタイヤ。事前のテストカーを使ったテスト、そして前戦富士終了後に行われたテストの結果、ソフトとミディアムのペース差は”1秒前後”と言われていた。

 しかし、実際のペース差は0.2〜0.4秒ほど。これは気温が大きく影響していると、ヨコハマタイヤ開発本部のプランニングジェネラルマネージャーである渡辺晋氏は語る。

「ソフトタイヤのパフォーマンスは、事前のテストからすれば、ちょっと物足りなかったかもしれないです。ただ、路面温度がテストの時よりも高かったので、ソフトの悪い面が出たのかもしれません」

「テストの時は路面温度が30度くらいだったと思います。そういう意味で今日は、その時よりも10度以上高かったんです」

「グリップと言っても、ただ柔らかければ良いと言うことではありません。硬さを保ってグリップしてくれないと、良いところは出ないんです」

 実際、走行が終わった後のソフトタイヤを、水を張った水槽に入れ、ジャブジャブと洗っていたチームもあったほどだ。これは、最適な温度領域を超えて熱が入ってしまったタイヤを冷やし、再び作動温度領域に入れることを狙ったものと考えられる。

 ただ、ソフトタイヤの方が確実に速いと言うことが実証されたので、その点については満足していると言う。

「確実のソフトの方が速かった。狙いが完璧だったとは言えませんけど、良い線では進んでると思います」

「これでチームの作戦が分かれますから。Q3なんかは面白かったと思います」

気になるタイヤのライフとデグラデーション

 さて、気になるのはタイヤのライフだ。これについて渡辺氏は、次のように説明した。

「ソフトタイヤの磨耗は、ミディアムよりもかなり進むんですね。250km走るという想定で計算すると、残り8周くらいの時点でゴムがなくなってしまうかもしれない。構造が出てしまうとか、そういうことではなく、路面の凹凸に追従する部分が足りなくなってしまうということなんです。そうなると、グリップしなくなってしまう。ただ、それも残り8周の時点ですから、交換すると言う前提で言えば、問題ないと思います」

 もうひとつ気になるのは、タイヤのデグラデーション(性能劣化によるラップタイムの下落)だ。タイヤが柔らかくなれば、当然デグラデーションも大きくなる。これについて渡辺氏は、次のように語る。

「デグラデーションの角度については、ソフトとミディアムでは多少差がつきます。ただ、先ほど申し上げたギリギリのところまで使い切ってしまわない限り、両者(ソフトとミディアム)のペースが逆転(ミディアムの方が速く、ソフトの方が遅い)することはないと思っています。つまり、想定ではソフトでできるだけ長く走った方がいいと思います」

 しかし、と渡辺氏は付け加える。

「ただ、それはテストの時の話です。予選でもテストの結果とは違ったわけですから、路面温度の影響により、決勝でのソフトタイヤのデグラデーションが大きくなってしまう可能性も当然あります。そうすると、チェンジオーバー(ソフトとミディアムのペースが逆転)するかもしれません」

「この路面温度では、テストしたことがないですからね」

 今回初めて投入されたソフトタイヤ。予選を見ただけでも、戦略の幅を広げ、面白さが増したように感じる。まだこのソフトタイヤに対する各チームの理解度は、それほど大きくないようだ。

 そんな中で行われる明日の決勝レース。気温と路面温度が高くなるであろうということはもちろんのこと、本日同様、突然雨が降るような、予測不能な天候に見舞われる可能性もある。その中で、各チームはどんな戦略を組み立て、実践してくるのか? 非常に興味深いところだ。

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この記事について
シリーズ スーパーフォーミュラ
イベント名 ツインリンクもてぎ
サブイベント 土曜日 予選
サーキット ツインリンクもてぎ
記事タイプ 速報ニュース