灼熱? 今週末開催、7月の富士SFにヨコハマはどう挑む?

今週末、富士でスーパーフォーミュラ第3戦が行われる。灼熱・長い直線……過酷なコンディションにヨコハマはどう挑むのか?

 今シーズンから横浜ゴムが、全日本スーパーフォーミュラ選手権のワンメイクタイヤを独占供給している。実際にタイヤ供給を開始して、鈴鹿、岡山と2戦を終了。今週末には富士での第3戦を迎える。ヨコハマはどんな手応えを感じているのか? 同社のモータースポーツを担当するヨコハマ・モータースポーツ・インターナショナル株式会社開発本部の渡辺晋プランニングジェネラルマネージャーに話を訊いた。

「厳しい開発になるということは覚悟していました。弊社ではF3のタイヤは手がけていますが、スーパーフォーミュラのタイヤはF3とはレベルが全然違うということもわかっていました。マシン自体のレベルも高い。そのため、最初は何から手をつければいいかも分からない状況でした」

 そう語る渡辺マネージャー。そんな状況の中で、とにかくまずはタイヤを作って、ドラム試験機でのシミュレーションテストを行い、どのくらいのスピードだとどのくらいの荷重に耐えられるのかといったテストを進め、昨年5月からサーキットでの実走テストを始めた。

「最初のテストを実施した時、マシンにはスピードリミッターを付け、280km/hまでしか出せないようにしてもらいました」と渡辺マネージャー。しかし、「ドラムを使用してのテストで320km/hを出すことができても、本当のところはやはり実際に走って確かめないとわからない」という状況だったという。

 実走テストともなれば、当然マシンにはドライバーが乗り込む。もちろん、そのドライバーを危険に晒すわけにはいかない。そのため徐々にスピードと負荷を上げ、安全性を確認しながら開発を進めていったのだ。

 とはいえ、実車でのテストは非常に限られた回数しか許されなかった。実際にサーキットでのテストを実施したのは、メーカーテストの5回だけ。その厳しい制約の中、プロジェクトは進められていった。

 そして完成したスーパーフォーミュラ用のタイヤは実戦に投入され、ここまでの2戦で安全性の問題は出ていない。

「鈴鹿での開幕戦はずっとドライコンディションでしたが、タレという点でもグリップはキープできましたし、まずは当初の目標は達成できたと思います。安全第一とは言え、去年までのタイヤよりも2秒遅いタイヤだったら、出す意味がないと考えていました。しかし、時間的な制約もあり、技術的には荒削りの中でも、十分な手応えを感じることができました」

「第2戦の岡山についてはウエット路面でのレースになり、コース上の水が多い状況で、全車がレインタイヤを履いてスタートしました。しかし、雨がかなり強まり、レースの続行は不可能との判断が下されてしまいました。我々のウエットタイヤの性能をお見せすることができませんでしたが、今後も引き続きウエットでのグリップ向上を目指していきたいと考えています」

「少しずつでも『より速く、壊れないレーシングタイヤ』を目指して、開発を進めていきたい」と語る渡辺マネージャー。「スーパーフォーミュラへのタイヤ供給ができ、技術屋としてはとてもやり甲斐があります」とも付け加えた。

 そして迎える第3戦富士ラウンド。富士スピードウェイは、鈴鹿や岡山とも違う特性のサーキット。当然、タイヤにかかる負荷も異なってくる。例えば、国内では他に類を見ない1.5kmも続く長いメインストレートでは、最高速は300km/hを超える。そのため安全性という面でも、強い構造が求められる。また、7月の富士ともなれば、これまでの鈴鹿や岡山よりも暑くなり、タイヤにとっては厳しいコンディションになってくる。当然、雨になる可能性だってあるだろう。

 そんな富士スピードウェイでのレースに、ヨコハマはいかに挑むのか。今週末のスーパーフォーミュラでは、そのタイヤにも十分ご注目いただきたい。

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シリーズ スーパーフォーミュラ
記事タイプ プレビュー