”未知のウエイトハンデ”でレースに臨むMOTUL AUTECH GT-R

ウエイトハンデ制度が変更された今年、多くのマシンが未知のウエイトに挑むことになる。その影響は?

 シリーズ第4戦のGT500公式予選で異例のことが起きた。ニッサンGT-Rが全車Q1落ちし、予選9番手以降に沈んだのだ。その原因は、開幕2連勝を飾り現在ポイントランキング首位に立っている#1 MOTUL AUTECH GT-Rにあった。

 GT500のQ1が始まり、各車コースインしてタイムアタックを始めた矢先のことだった。ロニー・クインタレッリがステアリングを握る#1 MOTUL AUTECH GT-RがSPアウトコーナーを直進、スポンジバリアに突き刺さった。

 ステアリングを握っていたクインタレッリは、駆けつけたレスキューマーシャルの手で無事車外へ救出されたが、ほとんど減速しないままクラッシュしたマシンは大破した。セッションはここで赤旗中断となりQ1はそのまま打ち切られた。他のGT-R勢はちょうどこれからタイムアタックに入ろうというタイミングだったのでタイムが出せないままセッションを終え、アクシデント前にタイムを出していたレクサスRC F勢、ホンダNSX勢にノックアウトされ全車がQ1敗退を喫した。

 回収された#1 MOTUL AUTECH GT-Rは早速修復に入った。ニスモ関係者によれば見た目は大破していたが、実際には深刻な損傷は確認できず、決勝レースには出走できる見込みだ。

 ただ、#1 MOTUL AUTECH GT-Rが開幕2連勝の結果、80kgのハンデウエイトを搭載していた点が気になる。実は、DTMの共通モノコックを導入してから3シーズン目にあたる今年、ウエイトハンデ制度が変更になっている。従来はハンデウエイトが50kgを超えた場合は0kgにリセットとなり、その代わり50kgのウエイトに相当する燃料流量リストリクターの絞り込みを行うという規則だった。しかし今年は燃料リストリクターによる絞り込みを行わず、ウエイトを100kgまで積み増すことになった。つまり#1 MOTUL AUTECH GT-RはDTM共通モノコック導入後初めて50kg以上のウエイトを搭載して実戦に臨もうとしていたのだ。

 修復作業を見守っていた柿元邦彦ニスモアンバサダーは、「80kgは大変な重さで、ロニーも苦労して乗っていたと思います。朝のフリー走行でも12番手につけるのがやっと。予選タイムアタックでも苦しい走りだったはずです。マシンの損傷が見た目ほどではなさそうなのは幸いでしたが、好調だった他のGT-R勢を邪魔する形になってしまったのは申し訳なかった」と状況を語る。

 実際、後方グリッドへ押しやられた形になった他のGT-R勢は午前中のフリー走行で好タイムを記録しており、決勝での巻き返しは必至、レースは荒れ模様となるだろう。しかし、今後ウエイトハンデが増えて未知の領域である50kg以上になったとき、何が起きるのか。クインタレッリのクラッシュは、GT500マシンが未知の領域に踏み込もうとしているという点で、シリーズに大きな課題を残した。

取材・文:大串信

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この記事について
シリーズ スーパーGT
イベント名 スポーツランドSUGO
サーキット スポーツランドSUGO
記事タイプ 速報ニュース