4位入賞の36号車。「最悪の始まり」の原因

表彰台まであと0.7秒、4位入賞を果たした#36 au TOM'S RC F。しかし予選はまさかに13位と、本人も「最悪」と語る出だしだった。その原因は一体何だったのか?

「最悪の形で始まってしまった」と伊藤大輔が語るように、富士の初日は#36 au TOM'S RC Fとっては厳しい展開だった。予選は振るわず、結果グリッドは13番手。しかし決勝では、前を行くマシンの脱落などにも助けられ、表彰台まであと0.7秒という4位でフィニッシュすることになった。

想定より低かった気温

 彼らが苦労した原因、それはマシンのセットアップと持ち込んだタイヤのマッチングにあった。

「まさかこうなるとは思っていなかった。どこがどうとは言いづらいけど、とにかくグリップ不足。特に低速コーナーが辛く、セクター3が厳しかった」と予選後の伊藤。さらに話を聞くと、こんなことを教えてくれた。

「実は今回使ったタイヤは、テストでは使っていないタイヤなんです」

 どのチームでもそうだが、テストの際のコンディションをベースに、レース当日の気候を予測し、そして持ち込むタイヤを決める。しかし実際の気温は、想定より低かったのだという。

「持ってきたタイヤはミディアム系ですけど、想定以上に硬く振舞っている感じがする。僕らは、もう少し高い気温を想定していましたが、特に日が陰ってしまうと、路面温度がレンジを外れてしまう。テストの結果から、想定に合ったタイヤを用意してもらって、今回持ち込んだのですが、うまく作動させられなかった」

 ミディアム系タイヤの中でも、彼らが選んだのは少し硬めだったと言う。そしてその時、伊藤はこうも語ってくれた。

「ブリヂストンとしても、ある程度しっかりしたタイヤの方が、長丁場のレースではもつと言っていた」

「決勝日の気温が上がれば、今日のようなことはない。気持ちを切り替えるのは大変ですけど、このまま終わるわけにはいきませんから」

硬めのタイヤと展開が功を奏した?

 そして決勝、伊藤は第1スティントと第3スティントを担当。上位の脱落やセーフティカーの出動などもあり、4位まで挽回することに成功した。

「長いレースなので、何が起きるか分からないと思っていた。できる限りのことはできたと思います」

「車は完璧に治ってる感じはしないけど、燃料も多く積んでいるので、全体的にルーズな印象になり、悪い感触が薄まった」

 予選時に比べ、決勝の特に第1スティントは気温が高くなった。これは、#36 au TOM'S RC Fにとっては好材料だった。

「走っていて、もっと硬いタイヤをつける必要はないと思った。レース中、ニック(キャシディ)に交代する際に、ハードタイヤをつけると言う選択肢もあったけど、僕のスティントの後半はタイムも戻ってきたので、同じタイヤを付けて走ってもらった」

 他のレクサス勢よりもおそらく若干硬めのタイヤを選んだことで、特に第1スティントでは、安定した周回をこなすことができ、順位を上げることに繋がったのだろう。そして「最後まで諦めず、集中して」走ったことにより、9つも順位を上げてのフィニッシュとなった。

 最終的には好結果を残したとはいえ、もちろん伊藤は兜の緒を引き締める。

「こういう展開のレースもありますけど、勝つためにはしっかりと前からスタートし、前でゴールするというレースも必要。次のレースまで時間があるので、しっかり準備したい」

 

Be part of something big

コメント
コメントを書く
この記事について
シリーズ スーパーGT
イベント名 富士
サブイベント 水曜日 決勝レース
サーキット 富士スピードウェイ
ドライバー Daisuke Ito
チーム TOM'S
記事タイプ 速報ニュース