【スーパーGT】谷口信輝「厳しい1年だったが、最後に表彰台に登れて救われた」

GOODSMILE RACING & TeamUKYO レースレポート

会期:2016年11月12~13日
場所:ツインリンクもてぎ(栃木県)
天候:雨、晴れ
動員:5万9500人(2日間)
予選:第3戦 19位、第8戦 5位
決勝:第3戦 18位、第8戦 3位

■SUPER  GT史上初となる変則スケジュールの最終戦

 ついに2016年の最後のレース。舞台となるのは栃木県のツインリンクもてぎ。今年は平成28年熊本地震の影響で第3戦オートポリスが中止となったため、11月12日に第3戦の代替レース、11月13日に第8戦という、SUPER GT史上で初めての試みである2デイ2レースが開催された。

 1日で予選、決勝、サポートレースを行なうため、通常は金曜日が搬入・設営なのだが、今回は木曜日に搬入・設営、金曜日に練習走行が行なわれた。

 週末は晴れの予報だったが、金曜日の練習走行は大雨。午前中は様子を見ながら走行していたが、赤旗中断が続出し、3回目の赤旗中断後はそのまま走行終了。悪天候によりどのチームもまともに走れていなかったため、午後の走行は40分間延長されることとなった。午後は雨もやみ全車ペースが上がった中、片岡選手は「1'50.121」を記録し、1位で走行終了した。練習走行とはいえ、1番手で終えられたのは期待が持てる。

■1112日(土)第3戦は無念のノーポイント

 12日土曜日、第3戦。この日の予選は片岡選手が担当する。練習走行はないので、ぶっつけ本番に近い。予選は朝8時35分からだったが、この時点で路面は乾いておらず、ウェット宣言が出されていた。しかし、チームはすぐに乾くと見込んでスリックタイヤを選択。マシンはスリックタイヤでコースに飛び出していくが、低気温で路面は乾かずすぐにピットイン。レインタイヤに交換しアタックラップを確保したが、レインタイヤも路面にマッチせず「1'58.885」を記録したものの、今季ワーストの19位となってしまった。

 午後からの決勝レースは19番手スタート。ここから優勝争いに絡むのは至難の業だが、チャンピオンの可能性が残っている以上は諦めずに戦っていく。ドライバーは片岡選手からスタート。1周目から仕掛けて1台抜くも、3周目に55号車(ARTA BMW M6 GT3)が大クラッシュ。序盤からセーフティーカーが導入される荒れた展開になった。17位のまま7周目にセーフティーカーは解除。16周までに15位まで上がり、17周目に早めのピットイン。ここでタイヤ4本を交換し、谷口選手にドライバーを交代してコースに戻る。

 アウトラップでは22位まで落ちたものの、28周目には18位まで上がってきていた。しかし、タイヤが合っておらず思ったようにペースがあがらない。レースは中盤も過ぎているので、このままではポイントを取ることも難しい。チームはタイヤ交換することを決断。29周目に2回目のピットインを行なった。アウトラップで24位まで落ちたが、タイヤがマッチしベストタイムを連発、さらにファステストも記録した。この後、18位まで順位を上げたが、残り周回数も少なかったため、これ以上のポジションアップはならず18位でチェッカーを受けた。

 第3戦がノーポイントで終わったため、残念ながらチャンピオンの権利は喪失。しかし、2016年を笑って終えるためにも、最終戦は総力を振り絞って挑む。

■1113日(日)タイヤがハマり、最終戦は3位!

 13日日曜日、第8戦。慌ただしいレースウィークが、そして2016シーズンが終わる。この日も練習走行はないので、朝の予選はぶっつけ本番。前日と違って朝から路面も乾いているので、谷口選手がスリックタイヤでアタック。2周目に「1'47.729」、そして3周目に「1'46.961」を叩き出していきなり暫定1位に。タイヤの温存もあり5周目にはピットに戻ってきた。このままポールかと思われたが、続々と46秒台を出すライバルたち。なんとか5位で踏ん張り、決勝は5番グリッドを獲得した。3列目なので悪くない位置である。

 決勝レースは再び片岡選手がスタートドライバーを担当。レーススタート直後に前を走る9号車(GULF NAC PORSCHE 911)に襲いかかり、1コーナーでオーバーテイクに成功する。4位に上がったあとは、1~4位までがほぼ同じペースで走っているため、順位の変動がないまま時間がすぎていく。しかし、8周目に3位を走っていた88号車(マネパ ランボルギーニ GT3)がスローダウンし順位が入れ替わる。16周目には2位を走行中だった65号車(LEON CVSTOS AMG-GT)がルーティンのピットに入り、17周目にトップの31号車(TOYOTA PRIUS apr GT)もピットに入ったことで、ミクAMGは1位を走ることになった。

 レース中盤、24周目にミクAMGもピットイン。谷口選手に交代し、タイヤも4本交換してピットアウト。JAF-GT勢はタイヤ無交換をしているチームがほとんどで、ミクAMGはどうしてもピット作業に時間がかかるため、アウトラップは9位まで落ちてしまう。そして、タイヤが暖まっていないアウトラップ中に、3号車(B-MAX NDDP GT-R)に前に出られてしまった。3号車より約0.5~1秒くらい速いペースで走っているので、すぐに追いついたが、オーバーテイクがなかなか難しい。このバトルは終盤まで続くことになる。その間、他チームのピットインやスローダウンなどで、38周目に5位まで順位を戻していた。

 39周目にペースを落としていた26号車(TAISAN SARD FJ AUDI R8)を、まずは3号車が抜き去り、ミクAMGも抜こうとしたそのとき、若干接触してしまう。足回りやタイヤのトラブルが心配されたが特に何も起きず、少々先に行ってしまった3号車をジワジワと追い込んでいく。3号車より1秒近く速いペースで周回し、45周目についにオーバーテイクに成功! これで3位表彰台圏内に入った。この時点でレースは残り5周を切っており、1~2位には10秒ほどの差がついていたため、これ以上上位に行くことは叶わず……。ペース的には上位2台より速かったので、3号車とのバトルがなければもしかしたら……という可能性もあっただけに残念だが、開幕戦以来となる表彰台に上ることができた。

 開幕戦で2位を獲得した後、停滞してしまった2016シーズン。最終戦前に王座奪還の夢は潰えてしまったが、最後の最後に3位で表彰台に乗れたことは、諦めずに応援してくれたファンに対しても、チームにとってもひとつの光明が見えた。そんな2016年の締めくくりだった。

安藝貴範(チーム代表)

優勝には惜しくも届かなかったですね。良いタイヤをチョイスできたし、片岡選手の走りもよかった。ちょっと接触もあったけど、後半の谷口選手の男っぽいレースも心強かった。改めてパッケージはいいチームだなと思いました。今後へ繋がるものが見えた最終戦でした」

「今年は本当に辛いシーズンでした。マシンを扱い慣れていないというのもあるけど、最初はどこに手を入れたらいいのかわからなかった。でも後半はだいぶ理解が進んで、それが今回の結果に繋がったんじゃないかと。途中、不協和音も奏でましたが、やっぱり成績がいいとチームの空気も良くなりますね。今シーズンは、SUPER GTに対応していくことを学んだ1年間でした」

片山右京(チーム監督)

最後に表彰台に乗れて良かったんですが、予選でもうちょっと時間がずれていたらコンマ数秒速くて、ポールか2番手だったかも、なんてタラレバを考えてしまいました。決勝では片岡選手が良いペースで走ってくれて、ピットでロスがあったけど、それほど順位を下げずに戻れた。ただ、タイヤが冷えてるときに3号車にやられてしまったのは痛かった。しばらく抑えられちゃったし。抜くときに接触して黒白旗をもらったけど、レースだから仕方ないですね。3位というのは、ライバルの脱落もあってのものだから手放しには喜べないけど、応援してくれたスポンサーさんやファンの方々に良いところを見せられて本当に良かったです」

大橋逸夫(コミュニケーションディレクター)

途中のタイム差とかピット作業の時間とかいろいろ見ていたんですけど、前半のスティントで片岡選手が50秒台で走っていて、ほかのクルマはピット前には51秒台になっていた。だから、もしかしたらトップ争いできるかもと予想していたんですが、ちょっと3号車が頑張っていたのでコンマ5秒くらいづつ損してしまい、結果20周くらいやり合ってたから、トップとだいぶ差が開いてしまいましたね。とはいえ3位入賞。表彰台に乗れるとムードが明るくなっていいですね」

谷口信輝(#4 グッドスマイル 初音ミク AMG)

「予選で5番手を取れたので、勝負できるポジションからスタートできました。片岡選手が粘り強く走って、いい順位でバトンを渡してくれたのでピットでのロスも最小限に抑えられたと思います。今回はタイヤも良くて、重量が軽いのもあるけど昨日よりは乗りやすいクルマになっていましたね。26号車と3号車を抜いたのはV字コーナーなんですが、もてぎだとあそこしか抜くチャンスがないんですよ。S字から速度を乗せてV字で刺すしかない。ほかのコーナーだと立ち上がりで置いていかれてしまうので」

「他のライバルのトラブルに助けられた部分もあるけど、3位表彰台に上れたのは、厳しい1年間だっただけに最後に救われたなと。今日も散々な結果で終わってたらチームがどうなっていたことか(笑)。久しぶりにレースらしいレースができました」

片岡龍也(#4 グッドスマイル 初音ミク AMG)

今日は谷口選手が予選で良いタイムを出したので、決勝では戦える予感がしました。決勝ではタイヤが苦しい瞬間があったんですが、ちょっとセーブしてクーリングしたらフィーリングが戻ってきて。そのあとは周りと比較しても良いタイムで走れたので、ピットでロスする時間をコース上で稼ぐつもりでプッシュしました。結果的にやれることをやりきってバトンを繋げたかなと。谷口選手に交代したあともタイムは悪くなかったし、マシンも良かったけど、3号車に前に出られてしまって、かなり長い時間抑えられてしまいましたね。あれがなければもしかしたら優勝争いに入れたかもしれません。遅くなってしまいましたが、ようやく自分たちのスピードのあるレースができましたね」

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この記事について
シリーズ スーパーGT
イベント名 ツインリンクもてぎ
サーキット ツインリンクもてぎ
記事タイプ プレスリリース