ヨコハマタイヤ「SUGOで勝とうと思って準備を進めてきた」:スーパーGT第4戦SUGO

スーパーGT第4戦SUGOを制したヨコハマタイヤ。「無交換」は想定外ながらも、SUGOでの勝利を狙っていたという。

「あの予選さえなければ、ギャンブル的なタイヤ無交換作戦を選ぶことはありませんでした」と苦笑交じりに語るのは優勝した24号車にタイヤを供給したヨコハマ・モータースポーツ・インターナショナル株式会社第一開発部藤代秀一部長だ。土曜日の公式予選が赤旗で打ち切られたため、24号車はQ2に進出できず9番手というスターティングポジションに追いやられていた。

「予選をきちんと走っていれば、もっと良いポジションからスタートできていたはずなので、1セットで81周のレースを走りきるなどというトリッキーな作戦はとりませんでした」と藤代は言う。言うまでもなくピット滞留時間を短縮して一気に順位を上げようという作戦である。しかし横浜ゴムとしては、無交換のテストは一切したことはなかった。

「チーム判断で無交換作戦で生きたいと言われたとき、これまでのデータから大丈夫だろうなとは思ってOKを出しましたが、不安はありました。でも2スティント目を担当した佐々木大樹が、タイヤを守りつつラップタイムをなるべく落とさないという非常にクレバーな走りをしてくれました。彼の技量に助けられた部分は大きいと思います」

 さらに、今回は低温で推移したうえ、コース上の混乱でレース中のラップタイムが予想よりも低かったことが無交換作戦を後押しした。スタートを担当した柳田真孝が30周を走りピットに滑り込んで佐々木へ交代する間、横浜ゴムの担当者がタイヤをチェックし、残り周回数を走りきれると最終判断を下してGOサインを出した。

 実は、今回の勝利はギャンブルが当たっただけの結果ではなかった。横浜ゴムの開発陣は、スポーツランドSUGOでのレースに焦点を絞って開発を進めてきたというのだ。

「うちのタイヤの特性に合ったコースなので、SUGOで勝とうと狙いを定めてスケジュールを立て、テストを進めてきたんです」

 年間2回許されているタイヤメーカーテストをSUGOで行い、GTAの公式テストと併せてSUGO向けのタイヤ開発が進んだ。テストは天候にも左右されるが、低温から高温まで十分なテストができ、コンパウンドも構造も安定してレースを走れるタイヤが今回のレースには持ち込まれた。開発陣の読みも当たった。

「今回のコンディションは我々に非常に有利に働いたと思います。たぶん他社はもう少し高い温度域を想定してタイヤを用意したのだろうと思います。我々も温度が上がったときのことも考えながら、前回のテストを通して温度が下がることもありうると考え、低温にもアプローチをかけてタイヤも準備しました。それが今回はうまくはまりました」

 藤代は週末の天気予報を見ながら低温になりそうな様子を確かめ、手応えを感じていた。「でも金曜日あたり、レースの時間帯は晴れると予報が出たんですよ。『う〜ん、まずいなあ』と思ったんですが、土曜あたりから晴れマークが消えて、今日は朝に雨が降って温度が下がったので『よし!』と」

 予選の赤旗中断がなければ、24号車も19号車ももっと有利なポジションからスタートして、異なる結果になったかもしれない、と藤代は言う。

「19号車が勝っていたかもしれないし、ヨコハマの1-2フィニッシュだって可能だったのではないかと思います」

 会心の一撃が決まった技術者の、冷静な雄叫びであった。

取材・文/大串信

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この記事について
シリーズ スーパーGT
イベント名 スポーツランドSUGO
サーキット スポーツランドSUGO
ドライバー Daiki Sasaki , Masahiko Kondo , Masataka Yanagida
チーム KONDO RACING
記事タイプ 速報ニュース