明暗分けた新型GT3。しかし、決勝では……

開幕から2戦連続で新型GT3マシンがポールポジションを獲得した。しかし今回の富士では、明暗を分けた……。

 スーパーGT第2戦富士ラウンド予選。GT300クラスでポールポジションを獲得したのは、#55 ARTA BMW M6 GT3である。これで開幕戦の#65 LEON CVSTOS AMG-GTに引き続き、新型GT3マシンが、連続でポールポジションを獲得したわけである。

 

#4 Goodsmile Racing & Team Ukyo Mercedes SLS AMG GT3: Nobuteru Taniguchi, Tatsuya Kataoka
#4 Goodsmile Racing & Team Ukyo Mercedes SLS AMG GT3: Nobuteru Taniguchi, Tatsuya Kataoka

Photo by: Yasushi Ishihara

 

 ただし、新型GT3勢がいつも速いというわけではない。現に、開幕戦で速さを見せたメルセデス・ベンツAMG GT3勢は、ここ富士では苦戦を強いられている。最上位は#4 グッドスマイル 初音ミク AMGの10位。開幕戦優勝の#65 LEON CVSTOS AMG-GTに至っては、18位でQ1敗退となっている。

「ドラッグが大きくて、解せないくらい最高速が遅い」

 そう語るのは、GOODSMILE RACING & TeamUKYOの片山右京監督である。片山は前日から、富士への危惧を語っていた。これを裏付けるのは、予選後の黒澤治樹(#65 LEON CVSTOS AMG-GT)のコメントである。

「昨年までのSLSはストレートが速かった。しかし今年は直線よりもコーナーが速いマシンになっている。だから岡山で勝てた。ダウンフォース=ドラッグということもありますから、ここ富士では厳しい戦いになると思ってました」

 

#65 LEON CVSTOS AMG-GT
#65 LEON CVSTOS AMG-GT

Photo by: Motorsport.com

 

 1コーナーから第3セクターの登り区間まではいいとしても、日本一長い直線を持つ富士スピードウェイは、最高速にハンデがあるAMG GT3にとっては向かないコースということだ。ただ、そのダウンフォースが決勝では生きてくると言う。

「メルセデスは基本的に、予選よりも決勝に強い傾向にありますから」と黒澤。ダウンフォースが大きいということは、タイヤをしっかりグリップさせることにつながり、デグラデーションを減らすことが可能なのだ。これは、前出の片山監督も「(岡山では)AMG GT3がダウンフォースがあるから、タイヤがもって、勝つことができたということが分かってる。作動温度領域さえ外さなければ、長丁場のレースなら絶対に落とせない。どんなに悪くても、2位にはならなきゃいけない」と、事前に自信を見せていた。予選では辛酸を舐めたAMG GT3勢が、決勝でどんな巻き返しを見せるか、注目である。

 

#7 BMW Team Studie BMW M6 GT3: Jorg Muller, Seiji Ara
#7 BMW Team Studie BMW M6 GT3: Jorg Muller, Seiji Ara

Photo by: Yasushi Ishihara

 

 一方ポールポジションと4番グリッドを獲得したのは、BMW M6 GT3である。こちらも、今季から登場したGT3マシンだ。

「富士のテストが良かったので、手応えを感じた状態でこの富士に来ています」と予選前に語ったのは、#7 Studie BMW M6の荒聖治だ。M6 GT3は、AMG GT3とは逆に、ストレートスピードが伸びる傾向にあるという。

「昨年までのZ4はコーナリングマシンだったので、ストレートが厳しかった。でもM6はターボエンジンにもなっているし、コーナリングの高い性能は保ちつつ、最高速もあげるという感じで、バランスの取れたマシンになっている。より実戦的だと思います」

 事前にこう語っていた荒が乗る#7 Studie BMW M6は、予選で4番手につけた。その荒は予選後、次のように語った。

 

#55 Autobacs Racing Team Aguri BMW M6 GT3: Shinichi Takagi, Takashi Kobayashi
#55 Autobacs Racing Team Aguri BMW M6 GT3: Shinichi Takagi, Takashi Kobayashi

Photo by: Yasushi Ishihara

 

「良いポジションだと思いますよ。ただ、僕らの力はかなり出し切った。路面や(涼しくなった)気温のコンディションが、僕らに向いていたと思います。決勝では良いペースで走り続けたい。目標は表彰台です!」

 一方、ポールポジションからスタートする#55 ARTA BMW M6 GT3。「決勝は気温が上がるという情報もあったので、ハード側のタイヤで予選に臨んだ」と言うのは、高木真一である。ただ、前出の荒が言うように予選時の気温は涼しく、その中でも「選んだタイヤのフィーリングは良かった」と語る。本来ならば、気温が低ければ柔らかいタイヤが適し、逆に気温が高ければ硬いタイヤを履きたい。そんな中でもハードタイヤでPPを獲得したM6の実力は計り知れない。チームメイトの小林崇志も、「タイヤのコンディションは合っていた」と語っていた。

 しっかりとダウンフォースを持ち、しかも前代マシンに最高速を追加してきたマシンと言えるBMW M6 GT3。その中でも決勝を見据えたタイヤチョイスでポールポジションを奪った#55 ARTA BMW M6 GT3は、決勝でも優勝最有力と言って差し支えないだろう。ただ、開幕戦ウイナーのAMG GT3も「決勝では」と望みを託す。

 予選では明暗を分けたふたつの新型GT3マシン。さて、決勝はどんな展開になるのか? あとは、実際にコンディションがどうなり、それに各マシンが反応・対応するのか? 興味深いところである。

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この記事について
シリーズ スーパーGT
イベント名 富士
サブイベント 火曜日 予選
サーキット 富士スピードウェイ
ドライバー Jörg Müller , Seiji Ara , Shinichi Takagi , Takashi Kobayashi
記事タイプ 速報ニュース