片山右京「ドライバーの能力だけでは勝てない。開発力をもっと学ばないと」

GOODSMILE RACING & TeamUKYO レースレポート4:第5戦富士は荒れたレースを粘りの走りで5位完走

SUPER GT 2016 第5戦

会期:2016年8月6〜7日/場所:富士スピードウェイ(静岡県)/天候:晴れ/動員:5万1900人(2日間)/予選:5位/決勝:5位

■8月6日(土):吸気を絞られながらも予選は5位獲得!

 SUPER GT 2016 第5戦 富士スピードウェイ。ゴールデンウィーク中に開催された第2戦 富士スピードウェイではタイヤバーストによりノーポイントで終わってしまっただけに、今回は上位を狙いたい。

 また今回のレースでは、性能調整により前戦で50kg積まれていたウェイトが5kgにまで減らされ、車両重量が1290kgまで軽量化された。その一方で、エンジンに空気を送り込むリストリクターの径を、36mmから34.5mmに縮小されてエンジンパワーが抑えられた為、ストレートが特に長い富士スピードウェイでは、かなり厳しい戦いが予想された。

 6日、予選日。朝から天気は快晴で、気温33度、路面52度とうだるような暑さとなった。予選1回目(Q1)は片岡選手が担当。セクター2で最速タイムを叩き出し、「1‘38.662」を記録。しかし練習走行時から上位陣は37秒台から38秒台前半を出しており、それはQ1でも同じ。徐々に順位が落ち、途中赤旗中断が入るもタイム更新はならず、Q1は11位で通過した。

 予選2回目(Q2)は谷口選手がステアリングを握る。1つでも前のグリッドを獲得する為に、猛アタックを敢行。3周目に「1‘38.145」を叩き出し、上位につける。その後、Q1と同じく37秒台を出すライバルたちが続出したものの、なんとか5位で踏みとどまり、決勝は今季最上位グリッドの5番手からスタートすることになった。

■8月7日(日):クラッシュやタイヤバースト多発! 荒れたレースを粘り強く戦い5位完走

 7日、決勝日。朝のフリー走行は片岡選手からスタート。全体的に調子がよく、谷口選手に代わってからは「1'39.795」で3番手タイムを出し走行時間を終えた。

 決勝レースは300km。第2戦の500kmに比べればスプリントレースと言える距離である。決勝開始時間の14時になる頃には気温は34度、路面温度が52度と、タイヤとエンジンに優しくない状況になっていた。スタートを担当するのは今回も片岡選手。スタート直後の奇襲を得意とし、1周目に順位を上げて戻ってくることが多い片岡選手だけに、5番手スタートからどこまでいけるのか期待が高まる。

 路面から陽炎が立ちのぼるほどの灼熱の中、レースがスタート。片岡選手は期待通り1コーナーで前を走る61号車(SUBARU BRZ R&D SPORT)を抜くも、直後に抜き返されてしまう。その後、後ろから迫ってきた31号車(TOYOTA PRIUS apr GT)を抑えていたが、3周目にパスされ6位に。さらに追いついてきた88号車(マネパ ランボルギーニ GT3)にも9周目に抜かれて7位になってしまった。

 上位3台が下位をじりじりと引き離していくが、16周目に接触によりボンネットが外れてしまったマシンを回収するため、セーフティーカー(SC)が導入される。ミクAMGの順位は変わらず7位のまま、SCは22周目に解除となり、レースが再開された。26周目にピットに入った31号車はエンジンがかからずストップ。これで6位に上昇する。ミクAMGも30周目にピットインし、前戦SUGOと同じくタイヤ交換を左側2本だけにしてピット作業時間を短縮、谷口選手へ交代してコースへと復帰した。

 アウトラップは8位とポジションダウンは最小限に留まった。32周目に9位まで落ちたが、全車がピットインを終えた42周目には6位まで上がっていた。この時点で前を走るのは同じマシンに同じタイヤを履く65号車(LEON CVSTOS AMG-GT)。当然ながらほぼ同じペースで走っているので、抜きあぐねていたが、45周目にオーバーテイクに成功。5位にポジションアップした。その後、抜いた65号車からの激しい追撃に遭うも、55周目に65号車はマシントラブルでスローダウン、戦線離脱となった。

 4位を走る88号車まで4秒近くの差があったが、88号車はタイヤが厳しいのか徐々にペースが落ち始め、ついにはラストラップのヘアピンで追いつく。そして、最終コーナーでインに入り、遂にオーバーテイクに成功するも、加速力勝負でパワーに勝る88号車はストレートでミクAMGに並び、ゴール直前に抜き返される。その差は、なんと僅かに0.006秒。残念ながら4位獲得はならず、前戦SUGOに引き続き、またもや88号車に「あと1周」が届かず、悔しい終わり方になった。 

 今回のレース結果は5位に終わったが、幾つかの上位チームが不振な結果だったため、シリーズランキングは25ポイントで4位に上昇した。トップを走る55号車(ARTA BMW M6 GT3)との差は12ポイントだが、まだ4レースあるので逆転は十分あり得る。次戦鈴鹿サーキット(8月27~28日)は1000kmのロングレースで、ポイントも他のレースより多く付与される。大量ポイント獲得のチャンスにチーム力で表彰台を狙っていく。

安藝貴範代表「苦手なはずの富士でドライバーの頑張りと作戦で5位を獲れたのはハッピーだなと思います。最後はパワーでやられましたね。今のレギュレーションを映し出したバトルというか。AMG GT3の中でも速度差がありますが、これも解明が進むと思いますし、AMG側とのミーティングでやれることはまだ残っているし、個体差があるということが『ここかな? あそこかな?』と車輌への理解に繋がっていて、良い方向に向かっていると思います」

片山右京監督「決勝を予選と同じポジションで終わったのは、可も無く不可も無くという感じですね。できれば織戸君(88号車)を抜ければ良かったんだけど、大きな問題点はそこではなく、上位陣に食い込むハードルが高くなっていることですね。今回、ブリヂストンとダンロップに表彰台を独占されただけでなく、マシンのストレートスピードとか、性能調整とか、いろいろと問題がありました。結果を見ればみんなやるべきことをしっかりやっての5位なので良かったのかもしれませんが、もうドライバーの能力だけで勝てるレースではないので、次戦鈴鹿に備えてチーム一丸となってもっと開発力を学んで努力しないといけませんね」

大橋逸夫コミュニケーションディレクター「今日のレースは最後惜しかったですね。ですが、できることはすべてできていたと思いますし、ミスもトラブルもなかった。ほかのチームが脱落していったことに助けられた部分はありましたが、いいレースだったんではないでしょうか。ピットインのタイミングも、もしかしたらもっとベストな選択肢があったのかもしれませんが、あれ以上引っ張ったら片岡選手が大変だったろうし、その逆の可能性もあったと考えると、やはりあそこが良かったかと思います」

谷口信輝選手「今回も前を走るクルマにはまったく太刀打ちできませんでした。基本的に我々のクルマがストレートが遅いので、富士は苦しかったですね……。そして、あと1周あれば88号車を抜けたかも、というのは前回と一緒で、ちょっと惜しいレースでした。最終コーナーで無理矢理抜いたんだけど、加速力の差で抜き返されてしまいました。軽くなったけど、リストリクターを絞られてしまい、コーナリングは良かったけど富士みたいに長い直線があるところでは不利になったかなと。なんとか5位で追われましたが、苦しい苦しい5位でした。ランキングは4位に上がったみたいだし、目立ったところはないけど、地味に頑張ってるシーズンですね(笑)」

片岡龍也選手「前戦よりはまだ良かったのですが、まだまだ首位に食い込んでいく力がないなと。ストレートで結構差があったのに追いつかれてしまって、ブロックしたりブレーキ競争をしたりしていたら、タイヤがオーバーヒートしてしまって、曲がらないし止まらないしで。途中SCが入ったので、タイヤをクーリングできたのは不幸中の幸いでした。そんな苦しい展開ながらも5位で終わったのは良かったですね。最後、88号車を一瞬抜いて抜き返されたのは僕たちもそうだけど、見ているファンの方たちも悔しかったと思うので、次戦鈴鹿では巻き返していきたいと思います」

【GOODSMILE RACING & TeamUKYO レースレポート】

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この記事について
シリーズ スーパーGT
イベント名 富士Ⅱ
サーキット 富士スピードウェイ
記事タイプ 速報ニュース