トヨタ首脳「自分たちのミスでチャンスにならなかった」:WEC第4戦ニュルブルクリンク

ニュルブルクリンクで行われたWEC第4戦。そのレース終了後、トヨタチーム首脳に話を訊いた。

 先週末に行われた世界耐久選手権(WEC)第4戦ニュルブルクリンクで、5位と6位という結果に終わってしまったトヨタTS050ハイブリッド。苦戦の原因は何だったのか? トヨタの首脳陣に訊いた。

 ドライバーである中嶋一貴と小林可夢偉は、「タイヤに苦しんだ」と口を揃えた。これについてはトヨタの首脳陣たちも同じ意見である。

 トヨタのモータースポーツディレクターであるロブ・ロイペンは「一番の理由はタイヤ選択だ」と断言している。

「スパの結果に合わせて少し改良を施していたので、きっと効果を発揮するだろうと思っていた。その自信が我々にはあった。しかし、望むような結果は得られず、何スティントが走行した後に他のコンパウンドに交換することになった。もっと気温が上がることを期待していたんだけど、選択を間違えたためにペースを落とす羽目になった」

「ドライバーのコメントに耳を傾ければ、大概はタイヤが大事だという結論に行き着く。フリー走行と予選では、タイヤ選択が功を奏して良い走行が出来た。しかし、決勝では期待通りにいかなかった。だから、我々の観点ではタイヤマネジメントが大事だと思っている」

 タイヤに苦労したことについては、テクニカルディレクターのパスカル・バセロンも語っている。

「いくつか問題があったんだが、そのうちのひとつはタイヤだ。正しいタイヤを履いている時でも十分な速さがなく、1周あたりコンマ5秒は遅い。これは遅すぎる」

 しかし、タイヤだけが問題だったわけではない。今回投入されたハイダウンフォース仕様のエアロパッケージも、うまく効果を発揮しなかったという。

 ロイペンは言う。

「ダウンフォースのパッケージもうまく働かなかった。これに関しては、これからデータをよく見て原因を究明し、メキシコでもっと良いパフォーマンスを発揮できるように準備しなければならない」

 一方バセロンは「直後の解析では、ダウンフォースが以前と比べて悪化していた」と語った。

 さらに5号車6号車ともに、アクシデントやトラブルの影響に苦しんでいたと、ロイペンは言う。

「アンソニー(デビッドソン)がドライブする5号車は、GTマシンと接触して車体前部にダメージを負ってしまったため、ピットストップを余儀なくされてしまった。6号車はエンジン本体ではないものの、その周辺の部品に問題が発生し、修理が必要だった。しかし深刻な問題は何もなく、レースの継続を断念する必要はなかった。そして、スパやル・マンで起きた事とは何の関係もなかった」

 では、TS050ハイブリッドの今後の見通しはどうなのか? ロイペンは次のように語る。

「焦点はチャンピオンシップではなく、マシンを速くすることだ」

「争いはとても熾烈で、タイトル争いにのみ焦点を当てる余裕はない。チャンピオンは、レースに勝利することによってもたらされるものであり、それが我々がしようとしていることだ。我々はすでにいくつかのチャンスを逃しているが、ここ(ニュルブルクリンク)では自分たちのミスのせいで、チャンスにすらならなかった」

「昨年の結果を基準に考えると、富士のコースは我々のマシンともう少し相性が良いはずだ。加えて、我々のホームレースになるのだから、準備万端で迎えることができるだろう」

 一方バセロンは、今後のレースに向けてより楽観的だ。

「(ニュルブルクリンクでの苦戦は)コース特有の影響だろう。シルバーストンでは旧パッケージだったため、今回と同様の理由で勝負にならなかった。しかし、スパではもう少し勝負できるようになっていた。各コースにはそれぞれ理想的なバランスがあり、良いパッケージを得られたサーキットでは勝負になる」

「メキシコは、ニュルブルクリンクほどのダウンフォースは得られないが、それでも我々向きのコースだ。富士ではより期待が持てるし、上海とバーレーンも同様。これらのサーキットでは、我々のパッケージでより良い勝負ができるだろう」

 しかし、今季TS050に投入されるアップデートは、今回のニュルブルクリンクで最後になるという。

「我々のリソースは底をついた。だから、できることは多くはない。3つのパッケージ開発(WECではシーズン中に3種類のエアロキットを使用することができる)が終了したので、これで終わりだ。あとは2017年モデルの開発に力を注ぐよ」

関連ニュース:「一貴&可夢偉『タイヤに苦しんだ』と口をそろえる:WECニュルブルクリンク」

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この記事について
シリーズ WEC
イベント名 ニュルブルクリンク
サブイベント Sunday race
サーキット ニュルブルクリンク
記事タイプ 速報ニュース