ポルシェ、WEC富士6時間レース連覇なるか?

10月14日(金)から、WEC第7戦富士6時間レースが開幕。ポルシェはレース及び選手権2連覇を目指し、富士スピードウェイに挑む。

 明日(10月14日)から静岡県・富士スピードウェイで始まるFIA WEC第7戦富士6時間レースで、ポルシェが昨年に続く2連覇を目指して最終準備に入っている。第6戦オースティンのレースが終了した時点でマニュファクチャラー選手権でも238ポイントを獲得してトップを走っており、こちらも昨年に続いて2年連続のタイトル獲得へ王手をかけている。ちなみにライバルのアウディは185ポイント、トヨタは137ポイントだ。

 ポルシェにはスポーツカーレースの血が脈々と流れている。1970年にル・マン24時間レースを制覇したのを皮切りに、70年〜80年代はスポーツカーレースを席巻。特に82年にグループC規定が採用されてからは、ワークス及びプライベートチームの活躍が続き、ポルシェ時代を築いた。1998年、911 GT1でル・マン制覇を成し遂げて一旦スポーツカーレース活動を休止したが、2013年には新生FIA WECのLM-GTE Proクラスに参戦を開始、翌14年からLMP1にも参戦を始めた。翌15年にはル・マンの総合優勝通算17回目を挙げ、今年16年にもゴール寸前のトヨタの失速で逆転優勝を飾った。その勢いは選手権争いでも遺憾なく発揮され、15年にはタイトルを獲得、今年も前述したように3レースを残して選手権をリードしている。

 ポルシェの強さは、参戦カテゴリーの徹底分析とその分析結果を反映した技術開発だ。ポルシェのレースカーである919ハイブリッドには、耐久レースに勝利するための技術が詰め込まれている。WEC LMP1-Hのレギュレーションを最大限に生かすために、様々なアイデアが採用されているが、ターボチャージャー搭載2.0リッターV4ガソリンエンジンがまずその基本解決策だ。LMP1-Hクラスはハイブリッドシステムを利用するエネルギー放出によって走行性能を上げるが、そのエネルギーの回生・放出にターボエンジンは大きな役目を果たす。

 エネルギー回生は、そもそも減速時にブレーキが放出する強大な運動エネルギーによってまかなわれるが、それにターボからの排気熱を利用する熱エネルギーが加わると、回生量はさらに大きくなる。それらをリチウムイオンバッテリーに蓄えて、加速時に放出、前輪を駆動するモーターを回す。その出力は294kW(約400PS)。後輪を駆動するエンジンの出力は368kW(約500PS)だから、両者を併せると662kW(900PS)以上の出力になる。

 この強力なパワーユニットを搭載したポルシェ919ハイブリッドは、空力性能も高い次元で纏められている。富士スピードウェイの1.5kmに及ぶ長い直線と、コース後半のタイトなコーナーの両方に適したセッティングを得るのは非常に難しい。直線に必要なドラッグの低減とタイトコーナーに要求されるダウンフォースの増加は相反する要素で、妥協が求められる。技術者の力量が試されるだろう。しかし、ポルシェの技術者達は過去2年の経験を踏まえ、ライバルに劣らないパフォーマンスを引き出すことに成功しているはずだ。

 さて、ここまでは技術に関してポルシェ919ハイブリッドを見てきたが、実際に迎えるレースに関してチーム関係者の気持ちはどうか? 

 1号車に乗るマーク・ウェバーは、「コース後半のタイトコーナーが好きだ」という。「4WDの利点を活かして走ることが出来れば、運転はとても面白い」と。チームメイトのティモ・ベルンハルトは、「タイトルがかかっているレースなので、慎重かつ速く走らなければなりません。運転もそうですが、戦略、ピットワークなど全てが完璧に揃って始めて勝てると思います。厳しいレースですが、もちろん勝ちに行きます」。同ブレンドン・ハートレーは言葉少なに、「日本は好きです。富士スピードウェイも好きなコースです。それだけ言えば、僕がどれだけ勝利を望んでいるか分かるでしょ」と結んだ。

 2号車はロマン・デュマ。「チームがタイトルを取るために我々は努力します。勝利は欲しいですが、1号車もいるのでどうなることやら。でも、勝ちに行きます」と言う。ニール・ジャニは、「ここ3戦は我々は少々不調をかこっていましたが、富士ではその不調を吹き飛ばしたいですね。去年勝てなかったので、今年は我々の番です」。次ぎにマルク・リーブ。「セッティングが難しいサーキットですね、富士は。でも、金曜日、土曜日と走行時間帯があるので、いい答が見つかると思います。これまでの不運を富士では吹き飛ばしたいですね」

 最後にチーム監督のアンドレア・ザイドルの言葉を聞こう。「LMP1-Hは熱対策が重要ですが、富士は気温が低いので、我々にとれば好材料です。919ハイブリッドは基本的にダウンフォースがそこそこあると思うので、コースの後半部分は我々の得意とするところです。あとは長い直線のスピードをいかに上げるかという点が重要です。レースまでには理想的な解答を見つけなければなりませんが、自信はあります。去年同様にいいレースをファンの皆さんに見て頂きたいと思います」

 参戦2年目にル・マンと選手権を制した実力はポルシェならではのもの。そしてもちろん、長い歴史がポルシェのスポーツカーレースを支えており、そこで培われた自信が今年のポルシェ919ハイブリッドを再びチャンピオンカーに輝かせることだろう。その瞬間を富士スピードウェイに集まったポルシェファンは目にすることが出来るかも知れない。

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この記事について
シリーズ WEC
イベント名 富士
サーキット 富士スピードウェイ
ドライバー Brendon Hartley , Marc Lieb , Mark Webber , Neel Jani , Romain Dumas , Timo Bernhard
チーム Porsche Team
記事タイプ プレビュー