中嶋一貴、トヨタの”悔しさ”を感じ臨んだWEC富士。しかし「”何か”が足りなかった」

中嶋一貴は、ル・マンでのトヨタの”悔しさ”を背負いながらも、富士のレースを冷静に戦い切った。

 10月16日に、富士スピードウェイで行われたWEC富士6時間レースで4位に入った、5号車のトヨタTS050ハイブリッドをドライブした中嶋一貴。彼はレースから3日経った今日、motorsport.comに心境を語ってくれた。

 レースを控え、中嶋一貴を初めとするTOYOTA GAZOO Racingのドライバー6人、トヨタモータースポーツ(TMG)の佐藤俊男社長、パワーユニット開発責任者の村田久武部長らが、トヨタ自動車本社や東富士研究所を表敬訪問、豊田章男社長を始め、多くの社員の歓迎と声援を受けた。

 中嶋は「今年はル・マンがあんな結果だったので、トヨタ社内の関心が、WECに対して非常に大きくなっているのを感じました。特に地元富士でのレースでは、是非勝って欲しいというみんなの気持ちがヒシヒシと伝わって来ました。ル・マンでのゴール寸前のドラマが、トヨタ関係者全員に悔しい思いをさせたんだと思います。その悔しさを肌で感じました」と語った。

 レースの週末は、日本ラウンドだからといって特別な気持ちにはならない、と中嶋は語った。

「他のWECと同じです。我々は与えられたクルマで精一杯の走りをする。それが仕事ですから。もちろん大勢のファンの方、トヨタの社員の方の応援はモチベーションが上がる要因ではあります。でも、舞い上がることはありません。冷静に自分の仕事をこなすことが重要だと思いますので」

 中嶋は経験豊富なドライバーだ。自分の立ち位置をよく理解しており、レースの週末全体を俯瞰しながら戦いに臨んだ。ところが、金曜日に走り始めると問題が見つかった。

「タイヤですね。金曜日のFP1で、すぐにタイヤが合っていないことに気づいたんです。その後もタイヤに悩まされました。クルマは順当に仕上がっていました。しかし、我々の富士6時間レースは、土曜日のFP3がピークだったような気がします。予選も含めて、何かが少し足りないように感じました。何か特別なところが悪いとか、特別な何かが足りないというんじゃないんです。でも、う〜ん何て言うかなあ、何かわかりませんが少し足りなかった気がします」

「レースでのペースは悪くありませんでした。絶対的値では、ライバルに十分太刀打ちできていたと思います。トップ争いに加われなかったのは、いろんな要素があります。トラフィックに引っかかったりしたことも、そのひとつだと思います。アウディに比べてセクター3が少し遅かったことは認めますが、ポルシェには遜色なかったと思います。でも4位ということは、クルマか僕たちか運か、そのどれかが足りなかったのでしょうね」

「僕たちは残念でしたが、6号車の勝利は素直に嬉しいです。これまで苦労してきた今シーズンですが、チームがこのレベルまで進歩を遂げたことを、とても誇りに思います。応援してくれた皆さんに、トヨタの素晴らしいレースを見ていただけて幸せでした」

 そして、最後に中嶋はこう付け加えた。

「レース中に僕たちのクルマに問題が一度も起きなかったのは、今シーズン初めてです」

 レースから3日を経た中嶋一貴は、すでに気持ちを切り換えて次のレースに向けて歩み出している。

「次のWECは上海です。でもその前に、スーパーフォーミュラの最終戦があります。WECはチーム3人で戦うレースですが、スーパーフォーミュラは僕ひとりです。スーパーフォミュラは現在選手権4位で、まだタイトル獲得の可能性は残っています。心を引き締めて頑張ります」

 スーパーフォーミュラのタイトル獲得と、WEC今シーズン初優勝が中嶋の念願だ。

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この記事について
シリーズ WEC
イベント名 富士
サーキット 富士スピードウェイ
ドライバー Kazuki Nakajima
チーム Toyota Gazoo Racing
記事タイプ 速報ニュース