中嶋一貴「メキシコのファンは熱狂的。素晴らしい雰囲気の中レースができると思う」

TOYOTA GAZOO Racing、WEC初開催のメキシコ6時間レースへ

 TOYOTA GAZOO Racingは今週末、FIA世界耐久選手権(WEC)初開催となる、メキシコでのシリーズ第5戦メキシコ6時間レースに向かう。

 メキシコの首都メキシコシティに位置する1周4.304kmのサーキットで、中嶋一貴とアンソニー・デビッドソン、セバスチャン・ブエミの3名が駆るTS050 HYBRID #5号車と、小林可夢偉、ステファン・サラザン、マイク・コンウェイの3名がドライブする#6号車が、表彰台へと挑む。

 6名のドライバーのうち、ブエミ、サラザン、コンウェイの3名は、メキシコシティのサーキットの一部を既に経験済みだ。3名は3月に行われたフォーミュラEメキシコラウンドで、サーキットの一部を使用した2.14kmレイアウトでレースを戦い、ブエミは表彰台を獲得している。

 世界トップレベルの耐久レースがメキシコで最後に行われたのは1991年。世界スポーツカー選手権最終戦のひとつ前のレースとして行われた。トヨタはこのレースには出場しなかったが、その前年までにメキシコでのレースを2度経験している。

 1990年、世界スポーツカー選手権最終戦となったメキシコシティ480kmレースに、ジョニー・ダンフリーズ/ロベルト・ラバーリア組がトヨタ90C-V、ジェフ・リース/ジョン・ワトソン組がトヨタ89C-Vで出場したが、共にトラブルでリタイアに終わった。その前年にはダンフリーズ/ワトソン組が89C-Vで参戦し、予選では3番手を獲得するも決勝はリタイアに終わっている。

 戦いの舞台となるサーキットは、当時と同じアウトドローモ・エルマノス・ロドリゲスだが、コースは当時とは大きく変わった。このサーキット名は、レース中の事故で亡くなったメキシコ出身の名ドライバー、リカルドとペドロのロドリゲス兄弟にちなむ。エルマノスとはスペイン語で兄弟を意味する。

 旧コースレイアウトは長く、緩やかなバンク角のついた高速のペラルターダと呼ばれた最終コーナーが有名だったが、2015年のコース改修に伴いこの名物コーナーは姿を消した。改修された新コーナーは併設されている野球場の中を通過する。それ以外のレイアウトは、再舗装以外は旧コースを踏襲している。

 このコースは海抜2,285mという高地に位置し、WECの戦われるコースの中では最も標高が高い。高地による空気の薄さゆえ、グリップ確保のために超ハイダウンフォースの空力パッケージを必要とする。また、エンジンやハイブリッドシステムについても、通常よりも大きな容量の冷却システムが使用される。

 超ハイダウンフォースパッケージのTS050 HYBRIDは第4戦ニュルブルクリンクに投入されたが、5位、6位という結果に終わった。チームは、メキシコのコースに合わせた車両特性の最適化を目指して全力で改善作業を進めている。

 レースウィークは9月1日(木)、計4時間半にわたるテスト走行と2度の公式練習走行で幕を開ける。2日(金)は最終公式練習走行と予選が行われ、3日(土)の現地時間午後1時半(日本時間4日午前3時半)に6時間の決勝レースのスタートが切られる。

佐藤俊男 TOYOTA GAZOO Racingチーム代表:
「今週末のWEC第5戦メキシコは、シリーズ初開催であり、我々はもとよりWEC参戦全チームにとって新たなチャレンジとなります。また、メキシコのWECファンの方々にお会いできることをとても楽しみにしております。今シーズンのWECシリーズはここで中間点を迎え、レースは欧州内から世界への転戦が始まります。TS050 HYBRIDの力強い走りをお見せしたいと思いますし、それが出来るポテンシャルを持っていると確信しています。メキシコ戦には超ハイダウンフォース仕様の車両を持ち込む予定ですが、薄い空気ゆえに、高い最高速も期待できるものと予想しています。これほど標高が高いサーキットでTS050 HYBRIDを走らせるのは初めてであり、レースへの万全な準備に全力を尽くします」

中嶋一貴(TS050 HYBRID #5号車):
「ニュルブルクリンクのあと、メキシコまで充分な準備の時間が取れたことは良かったです。WEC初開催のコースということで、レイアウトの学習を続けて来ましたが、充分に準備は整ったと感じており、実際にコースを走るのが待ち切れません。メキシコのファンはとても熱狂的だと聞いており、素晴らしい雰囲気の中でレースが出来ると思います。彼らの前で最高のレースを戦い、良い週末になることを願っています」

アンソニー・デビッドソン(TS050 HYBRID #5号車):
「私はメキシコでのレースを戦ったことがありませんし、メキシコを訪れること自体が初めてで、この旅を前にとても興奮しています。メキシコのファンの素晴らしさも多く聞いており、最高の雰囲気の中でのレースをとても楽しみにしています。我々の#5号車の目標は最低でも表彰台獲得で、そのための競争力を期待しています。良いパフォーマンスを発揮すべく全力を尽くします」

セバスチャン・ブエミ(TS050 HYBRID #5号車):
「新しいコースに挑戦出来るのは嬉しいことです。WECの舞台としてメキシコは素晴らしいコースだと思います。多くのモータースポーツの歴史を持ち、ファンも耐久レースについて良く知っています。私自身は今年の初めにメキシコを訪れており、コースの一部を体験しました。スタジアムセクションは特に素晴らしく、ファンも熱狂的でした。ニュルブルクリンクは我々にとってやや厳しいレースとなってしまいましたが、また上位を争える自信はあります」

小林可夢偉(TS050 HYBRID #6号車):
「メキシコは全てのチームにとって未体験のコースであり、面白い週末になるでしょう。薄い空気についても考慮しなくてはならず、レースカーやドライバーにどんな影響を及ぼすかも興味深い点です。我々のパフォーマンスはニュルブルクリンクよりは向上しているはずですが、正確な状況は走り出すまで分かりません。決勝レースへ向けて、完璧なレースカーを仕上げるために全力で作業を続け、表彰台争いが出来ればと思っています」

ステファン・サラザン(TS050 HYBRID #6号車):
「シリーズに新たなコースでの一戦が加わるというのは、いつもとてもチャレンジングでエキサイティングです。練習走行では、このコースでTS050 HYBRIDがどのような反応をするか、詳細に多くのデータを収集する必要があり、忙しい週末になるでしょう。また、他のレースとは異なる要素として、標高の高さがあります。空気が薄いので、ドライバーにとってもタフなレースになるでしょうが、私自身は充分に準備が出来ています。この週末へ向け自信を感じていますし、上位を争いたいと思っています」

マイク・コンウェイ(TS050 HYBRID #6号車):
「サーキットのフルコースを走れるのが楽しみです。素晴らしいコースで、メキシコのファンは本当にモータースポーツを楽しんでくれるので、特別なレースになるでしょう。あの標高でのレースを経験しており、何が起こるか分かっているので、それに対する準備という点で多少気は楽です。新しいコースに慣れるため、大変な週末になるでしょうが、準備は出来ており、ライバルとバトルが出来ることを望んでいます」

【TOYOTA GAZOO Racing News】

Be part of something big

コメント
コメントを書く
この記事について
シリーズ WEC
イベント名 メキシコ・シティ
サーキット アウトドローモ・エルマノス・ロドリゲス
ドライバー Anthony Davidson , Kamui Kobayashi , Kazuki Nakajima , Mike Conway , Stéphane Sarrazin , Sébastien Buemi
チーム Toyota Gazoo Racing
記事タイプ プレビュー