小林可夢偉「TS050にはまだ多くのポテンシャルが秘められているはず」

WEC第1戦シルバーストーン6時間決勝 TOYOTA GAZOO Racing 新型TS050 HYBRIDのデビュー戦でシリーズ初参戦の小林可夢偉が2位

 TOYOTA GAZOO Racingは2016年FIA世界耐久選手権(WEC)開幕戦シルバーストーン6時間レースで2位となった。

 小林可夢偉とステファン・サラザン、マイク・コンウェイのTS050 HYBRID #6号車は3位でゴールしたのち、上位車両の失格により2位となり、トヨタにとって2012年のWEC参戦開始以来のシルバーストーンでの連続表彰台記録を更新した。

 コンウェイはWECで自身3度目となる表彰台フィニッシュを果たし、イギリス人レーシングドライバーズクラブメンバーの最高位ドライバーに送られるリチャード・ロイド・トロフィーを獲得した。

 小林にとってはLMP1カーでのデビュー戦であり、トヨタで参加した世界選手権としては2009年のF1アブダビGP以来となるレースで素晴らしいパフォーマンスを見せ、表彰台獲得の一翼を担った。

 中嶋一貴、アンソニー・デビッドソン、セバスチャン・ブエミの#5号車も力強い走りを見せていたが、不運なタイヤのパンクにより車両後部にダメージを負い、16位に終わった。

 降雪に見舞われた前日とは一転、好天に恵まれた決勝日となり、TS050 HYBRIDはレース中の最速ラップで、全車の最速ラップからわずか0.354秒遅れとその速さを実証し、希望を繋ぐレースデビューを果たした。

 次戦以降での更なる性能向上を目指し、チームは新しい2.4リッターターボエンジンと8MJのハイブリッドシステムから、最大のパフォーマンスを引き出すために必要なセッティングの解析を進めて行く。

 レース序盤、予選5番手、6番手からスタートを切った、コンウェイの#6号車とブエミの#5号車は、ポルシェ#1号車とアウディ#8号車のアクシデントにより、3位、4位へとポジションを上げた。

 レースが折り返しを過ぎたところで、3位を走行していた#5号車は右リアタイヤのパンクに見舞われた。不運にもこのパンクはピットアウト直後に発生し、中嶋は1周5.901kmのコースをスローダウンしたまま周回することとなり、バーストしたタイヤにより車両後部にダメージが及んでしまった。

 メカニックの懸命な努力により、41分間の作業の後に修復され、ブエミへと交代した#5号車は首位から24周遅れの29位でコースへと復帰した。

 大きく遅れた#5号車は世界選手権のポイント獲得のために追い上げを続けた。一方、チームメイトの#6号車はライバル勢と遜色のないラップタイムで周回を重ね、5万2千人(週末合計)のファンが見守る中3位でチェッカーフラッグを受けたが、その後、上位車両の失格により2位となった。

 トヨタは、LMP1-ハイブリッドクラスのマニュファクチャラーで唯一2台が完走を果たしたことで、全9戦で戦われるシリーズの開幕戦を終えた時点で、マニュファクチャラーズ選手権では首位につけている。

 次戦は5月7日(土)にベルギーのスパ・フランコルシャン・サーキットで開催されるスパ6時間レース。TOYOTA GAZOO Racingにとっては、チームの本拠地であるドイツのケルンから120km程と近い、「ホームレース」とも言える一戦に臨む。

佐藤俊男 チーム代表:
開幕戦からエキサイティングで様々なことが起こったレースでした。予選が厳しい結果だっただけに、勇気づけられる決勝結果となりました。全く新しい車両が、2台共に完走出来たこと、そしてパフォーマンスもこれからに期待を繋ぐものでした。まだ我々は望んだレベルには達していませんが、昨年に比較すれば大きな進化を遂げています。#6号車がレース終盤、非常に良いラップタイムを刻んでくれたことは、TS050 HYBRIDの高いポテンシャルを示しています。次戦へ向けて更に性能を向上すべく努力を続けます。

TS050 HYBRID #5号車:
(中嶋一貴、アンソニー・デビッドソン、セバスチャン・ブエミ)
決勝レース: 16位 170周、ピットストップ7回、グリッド:6番手 最高ラップタイム:1分41秒076

中嶋一貴:
我々の#5号車にとっては厳しいレースとなってしましました。ペースはまずまずだったのですが、ライバルには届きませんでした。パンクは残念でした。GTカーと接触してしまったのだと思いますが、それ以上は分かりません。あの瞬間に全てが終わってしまいました。修復してコースに戻してくれたメカニックに感謝しており、選手権で重要なポイントも獲得出来ました。我々はチームとしては進歩していることを示せたと思いますし、良いシーズンのスタートを切れました。次戦のスパではどれだけ進歩出来るかお見せしたいと思います。

アンソニー・デビッドソン:
チームメイトが表彰台フィニッシュを果たせたことを喜んでいます。冬の間のハードワークが報われました。我々の#5号車については、もしパンクに見舞われていなければ、とも思いますが、それでもレース終盤には、勝つには充分な速さはありませんでした。まだやるべきことは多いですが、次戦はもっと良い戦いが出来ればと思っています。

セバスチャン・ブエミ:
まず#6号車に祝福を送ります。彼らは全力でレースを戦い、良い結果をチームにもたらしてくれました。我々は不運なタイヤのバンクに見舞われたことで、表彰台フィニッシュのチャンスを失ってしまいました。この週末に学んだことを活かして次戦以降に臨みます。ライバルを捕らえるために更なるハードワークが必要なことは明らかですが、昨年に比べれば着実に進化しており、これからもプッシュを続けます。

TS050 HYBRID #6号車:
(小林可夢偉、ステファン・サラザン、マイク・コンウェイ)
決勝レース: 2位 193周、ピットストップ7回、グリッド:5番手 最高ラップタイム:1分40秒657

小林可夢偉:
良いシーズンのスタートが切れました。特に私にとっては最初のレースだったので良かったと思います。昨年と比べて進歩していますが、まだ多くのポテンシャルが秘められているはずです。更なる改良を続け、TS050 HYBRIDからもっとパフォーマンスを引き出せば、ライバルと良い戦いが出来ると思います。TS050 HYBRIDでどれだけの戦いが出来るかとても楽しみです。

ステファン・サラザン:
勝利こそ叶いませんでしたが、表彰台フィニッシュはチームにとっても良かったと思います。TS050 HYBRIDは本当に素晴らしいレースカーで、大きなポテンシャルを秘めています。まだまだ多くの領域で使いこなすための努力が必要ですが、既に昨年よりもライバルには近づいています。これからも全ての領域について全力でプッシュを続けなくてはなりません。チームはやる気に満ちており、我々は上位争いへと激しく戦い続けています。

マイク・コンウェイ:
表彰台を獲得出来たのは素晴らしいことで、良いシーズンのスタートを切ることが出来ました。簡単なレースではなく、2位はハードな戦いの末の結果です。1周のみのラップタイムでは遜色ないのですが、スティントを通してのペースという面では、ライバルに追いつくためにはまだ努力が必要です。専念すべき領域は分かっています。世界選手権という意味で我々は着実にポイントを獲得しました。良い結果で週末を終えることが出来ました。

TOYOTA GAZOO Racing News

 

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この記事について
シリーズ WEC
イベント名 シルバーストン
サブイベント 日曜日 決勝レース
サーキット シルバーストン
ドライバー Kamui Kobayashi , Kazuki Nakajima
記事タイプ レースレポート