WECメキシコ:木曜テストでサラザンがクラッシュ。デビッドソンは不出場に

WEC第5戦メキシコ・シティ6時間レースが開幕。その早々から、トヨタに試練が与えられている。

 WECがメキシコにやって来た。昨年、23年振りにF1グランプリがメキシコで開催されたが、それに続きWECも、1992年にスポーツカー世界選手権(SWC)のレースが行われて以来、24余年ぶりにメキシコに帰ってきた。

 舞台となるアウトドローモ・エルマノス・ロドリゲスのあるメキシコシティは標高2240mの高地。海抜0mが1気圧とすれば、サーキットのある場所は約0.8気圧。高度1万メートルを飛ぶ飛行機の機内と同程度の気圧だ。気圧の低い場所では空気が薄いためにドラッグが少ないが、これはダウンフォース獲得が難しいということを意味する。ダウンフォースが少ないとコーナリングスピードが不足し、ドライバビリティも不安定。一方、直線でのスピード獲得は容易く、1.2kmあるロドリゲス・サーキットの直線では時速360kmを達成することが出来るはずだ。

 他の問題としてはエンジン出力が下がる。これを克服するためにターボチャージャーの過給圧を上げて対処することになる。ポルシェのテクニカルディレクター、アンドレアス・シードルは、「NAに比べてターボチャージャーはパワーロスが少ない。しかし冷却が問題で、これはパワートレイン、ブレーキにトラブルを生じさせることになる」と、慎重な対応が必要と言う。

 いずれにせよ、全チームが初めて経験する高地でのレース。これまで経験したことのない環境でのレースにチームがいかに対応できるか。情報量の多寡と準備が勝敗を決める鍵になりそうだ。

木曜合同テストでポルシェがトップ。トヨタはクラッシュ

 9月1日(木)には、同地で合同テストが行われた。メキシコはWECチームにとって初めてのサーキット。そのため午前9時から合同テストが行われ、1号車ポルシェ919ハイブリッドが1分26秒847のトップタイムを記録した。2番手には0.5秒遅れて8号車アウディT18のロイック・デュバル。その後ろには2号車ポルシェ919ハイブリッド、7号車アウディR18が続き、TOYOTA GAZOO Racingの2台のTS050ハイブリッドは6号車が1分30秒790で5番手、5号車が1分31秒157で6番手だった。

 そのトヨタにふたつの災難が降りかかった。ひとつは午前中の走行でステファン・サラザンがスピンして、クラッシュしたのだ。

 6号車トヨタTS050ハイブリッドは最終コーナー立ち上がりでスピンしてそのままピットウォールへぶつかった。クルマは左前のサスペンション付け根が壊れ、モノコックにダメージを負ってしまう。チームは新しいモノコックを使用してクルマを仕上げる必要があるため、午後のフリープラクティスには6号車は出走しない。

 もうひとつは、アンソニー・デビッドソンの不出場だ。デビッドソンは先月行われたマニ・クールの合同テストで肋骨を打撲、今朝のテスト走行中に異常を感じ、ドクターと協議の結果、週末の全走行には参加しないことを決定した。

「午前中に走っていてちょっとおかしな感覚だった。週末のレースに出場出来ないのは残念だが、ここは気温も低いので(セバスチャン)ブエミと(中嶋)一貴のふたりに任せても大丈夫だ。次のオースティンは気温が高く3人で交替しなければ走りきれない。そのオースティンのレースに万全の体調で望むことを考え、ここではレースをしないことを選んだ」と、デビッドソンは語る。

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この記事について
シリーズ WEC
イベント名 メキシコ・シティ
サブイベント Thursday
サーキット アウトドローモ・エルマノス・ロドリゲス
ドライバー Anthony Davidson , Stéphane Sarrazin
記事タイプ 速報ニュース