【WEC】motorsport.comが選ぶ2016年のトップ10LMP1ドライバー:Part 1

motorsport.comのジャーナリスト/エディターが今年のLMP1ドライバーのトップ10を選考した。

 世界耐久選手権(WEC)に参戦しているアウディの最終シーズンとなった2016年は、今までのシーズンよりもLMP1のレースの質と競争力が高い年だった。

 サム・スミスジェイミー・クラインは特に活躍したと思うパフォーマーをトップ10で選出した。

 今回は、トップ10からトップ5までをお届けする。

10.  オリバー・ジャービス

Audi Sport Team Joest, Car #8

 シーズンが始まる前からジャービスは、注目に値するドライバーだったと言えるだろう。

 彼の印象的な強みは妥協を一切しない集中力だ。これは5月のスパのレースで明らかとなったと言えるだろう。いくつか酷いトラブルに見舞われたが、バーレーンの最終ラップまでその集中力は維持されていた。

 アウディの撤退が発表され、彼の将来の雲行きが怪しくなったが、2015年のドイツラウンドでLMP1のドライバーとしてフル参戦することになってから、2016年最後のレースまで彼のパフォーマンスは、一貫して最善を尽くされていた。

 富士の開幕戦での彼のパフォーマンスとメキシコでの(報われることはなかった)彼の業績は、アウディにとって大きな財産だった。

 彼のこの実力で別のチャンスを得ることができなかったのなら、それはとても残念なことだろう。

Oliver Jarvis, Audi Sport Team Joest
Oliver Jarvis, Audi Sport Team Joest

Photo by: Audi Communications Motorsport

9.  マーク・ウェーバー

Porsche Team, Car #1

 今シーズンは、これまでのWECの中でも最も激しい競争が起きた。その戦いの中でウェーバーがヘルメットを脱ぐことを決意した事実は、ある意味皮肉な話だ。

 ウェーバーのチームメイトである若手のブレンドン・ハートレーは、1周のアタックでウェバーよりわずかに速かったが、実際のところウェーバーと彼の教え子(ハートレー)はレースにおいてはどちらも同じようなペースだった。

 以前ウェーバーの弱点と考えられていたル・マン24時間レースの時でさえ、ウェーバーはチームメイトたちのペースに匹敵していたが、今季初めて1号車ポルシェに起きたマシントラブルでウェーバーの努力は水の泡になった。

 今季の終わりにかけて、40歳のウェーバーは自分の限界で走らなくなったように見える。だが彼は公然とポルシェとの契約の3年目に引退をすることを決めた理由について語ったので、おそらくあまり驚くべきことではないのかもしれない。

 ラストから5回前のレース中に4回勝利することができ、最終戦バーレーンの最終スティントを担当し、3位でフィニッシュできたことは、成功した長いキャリアに幕を降ろすのに適していたと思う。

Race winner Mark Webber, Porsche Team
Race winner Mark Webber, Porsche Team

Photo by: Porsche Motorsport

8.  小林可夢偉

Toyota Gazoo Racing, Car #6

 昨年引退したアレックス・ヴルツの代わりを務めた、かつてのザウバーとケータハムF1ドライバーである小林がスピードアップしてくるのは早かった。耐久レーサーとして台頭してくるのには少し時間がかかったが。

 ル・マンでの小林はペースを上げていた。夜間のレースで接触してスピンを喫し、修理のためにピットインしながらも、6号車は2位に入賞した。

 次のトヨタのターゲットとなった富士では、小林はレース終盤にダブルスティントを敢行。一貫したペースで走りきり、2014年にトヨタがWECに復帰して以来、彼が母国での初勝利を挙げたことは今季レースの中でも印象的なものだ。

 彼のチームメイトであるマイク・コンウェイとステファン・サラザン、またチーム代表であるロブ・ルーペンからの称賛を集めるのに値するパフォーマンスだった。

 シーズンの後半での走りは間違いなくハイライトに値していただろう。常に小林は6号車のペースセッターだった。2017年の彼はもっと良くなるに違いない。

LMP1 Race winners #6 Toyota Racing Toyota TS050 Hybrid: Stéphane Sarrazin, Mike Conway, Kamui Kobayashi
LMP1 Race winners #6 Toyota Racing Toyota TS050 Hybrid: Stéphane Sarrazin, Mike Conway, Kamui Kobayashi

Photo by: Vision Sport Agency

7.  ロイック・デュバル

Audi Sport Team Joest, Car #8

 8号車アウディのチームメイトであるルーカス・ディ・グラッシのおかげでデュバルの影が薄くなっているが、彼は2015年の不安定なシーズンを送った後、今季は調子を取り戻したようだ。

 デュバルはメキシコとオースティンのレースで素晴らしいパフォーマンスを発揮した。2レースともトラブル(メキシコでは電装系、オースティンではホイールベアリング)を抱えるまで、アウディ勢が優勝を競い合っていた。

 富士では、小林がドライブするトヨタを捉え、追い抜く任務を任されたのがデュバルだった。最終的にアウディが1.3秒で負け、トヨタの小林がダブルスティントで勝利を挙げた一方で、バーレーンでのデュバルのスタート後のスティントが、アウディにとってWEC最後の勝利の礎を築き上げた。

 2017年のLMP1にフルタイムのシートを持っていない34歳のデュバルの将来は未だ不透明であり、彼が別のスポーツカーレースの舞台でパフォーマンスを発揮する機会を得ることができなかったのなら、それは本当に残念で仕方がない。

Loïc Duval, Audi Sport Team Joest
Loïc Duval, Audi Sport Team Joest

Photo by: Audi Communications Motorsport

6.  ティモ・ベルンハルト

Porsche Team, Car #1

 ポルシェ919ハイブリッドプログラム開発の背後にある、静かで控えめな原動力であるベルンハルトは、2016年もこれまで通りハイペースで信頼性のある走りをした。

 彼のレースのパフォーマンスはほぼ控えめではあったが、トラフィックを颯爽と処理する際のスピードはいつも抜群で、シーズンを通して彼特有のペースを見せつけた。

 一方、1号車ポルシェがタイトル防衛に向けて絶望的なシーズン序盤を過ごした後、ベルンハルトの舞台裏での仕事がクルーを活気づけ、ル・マン後の5レースで奇跡的な速さを発揮し、4勝をあげることができた。

 もしチームに欠員が出たような場合、ベルンハルトはドライバーリストの最上位にいるようなドライバーだ。

#1 Porsche Team Porsche 919 Hybrid: Timo Bernhard
#1 Porsche Team Porsche 919 Hybrid: Timo Bernhard

Photo by: Porsche Motorsport

 なお、残りのランキングは明日公開する予定だ。

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この記事について
シリーズ WEC
ドライバー Andre Lotterer , Brendon Hartley , Kamui Kobayashi , Loic Duval , Lucas di Grassi , Mark Webber , Neel Jani , Oliver Jarvis , Sébastien Buemi , Timo Bernhard
チーム Audi Sport Team Joest , Porsche Team , Toyota Gazoo Racing
記事タイプ 分析