ポコノでの大事故から3年……ウィケンスがレース復帰! 特別仕様のヒュンダイをドライブ
インディカーで大事故に見舞われてから約3年、リハビリを続けてきたロバート・ウィケンスが、IMSAのミシュラン・パイロット・チャレンジでレース活動に復帰することになった。
2018年8月に行なわれたインディカーのポコノ戦で、マシンが宙に舞う大クラッシュに見舞われたロバート・ウィケンス。リハビリを続けてきた彼は、1月28日にデイトナで行なわれるIMSAのミシュラン・パイロット・チャレンジでレース活動に復帰する。
ウィケンスは2018年にインディカーにデビューすると、開幕戦のセントピーターズバーグでポールポジションを獲得するなど、いきなり速さを見せつけた。第2戦フェニックスでも残り4周まで首位を快走し、最終的に2位表彰台を獲得した。
だが、ウィケンスの快進撃は突如、ストップすることになった。第14戦ポコノの7周目、ライアン・ハンター-レイと3番手を争い、ターン2で2台が接触。ウィケンスのマシンはハンター-レイ車のノーズに乗り上げる形で宙に舞い、コース外側のキャッチフェンスに激しく衝突してしまったのだ。
この事故で、ウィケンスは胸椎骨折、脊髄損傷、首骨折、両足の脛骨・腓骨骨折、両手の骨折、右前腕骨折、肘骨折、脳震盪、肋骨4本骨折、肺挫傷を負う大怪我を負った。
SNSでリハビリの様子を報告するなど、復帰に向けて努力を続けてきたウィケンスは、事故から約1000日後の昨年5月、ブライアン・ハータ・オートスポート(BHA)のヒュンダイ・ヴェロスターにハンドコントローラーが装備された1台をミッドオハイオで試した。
そして彼は、同じカナダ出身のマーク・ウィルキンスと組み、BHAのTCRマシンでレースに復帰することになった。1月28日にデイトナで行なわれる、IMSAのミシュランパイロットチャレンジ4時間耐久レースに出場するのだ。
「この瞬間のことをずっと考えていたし、夢見てきた。ブライアン・ハータとヒュンダイのサポートにより、全てが現実のモノになったんだ」
そうウィケンスは語った。
「また優勝を狙うために、事故前よりもっとハングリーになっている。BHAのチームのみんなと一緒に、ヒュンダイ・エラントラN TCRの感触を味わうのが楽しみだ」
ブライアン・ハータは次のように話した。
「今日は、チームとして、そしてロバート・ウィケンスのファンとして、記念すべき日だ。我々はロバートのリハビリを見守り、彼の決意と献身に驚嘆し、彼の多くのファンと共に歩んできた」
「このたび、彼が我々のヒュンダイ・エラントラN TCRでプロのモータースポーツに復帰することを発表できるなんて、本当に信じられない。ロバートが本来いるべき場所に戻るための道筋を作る手助けをしてくれた、ヒュンダイの素晴らしいサポートに感謝する」
Steering wheel for Robert Wickens
Photo by: IMSA
BHAのマシンには、BHAテクニカルディレクターのデビッド・ブラウンと開発技術者のジョナサン・ゴームリーが設計したカスタムハンドコントロールシステムが搭載されている。
このシステムは、金属製のリングが一連のロッドでブレーキペダルに接続されており、指で操作することでブレーキを作動させる仕組みになっている。同じくステアリングホイールの背面に取り付けられた2連のスロットルパドルとシフトパドルで、加速、シフト、ステアリングの入力を行なうことができる。
なお、ハンドスロットルを解除するスイッチも搭載されており、ウィルキンスがマシンをドライブする際はこれを操作し、従来通りフットペダルでスロットルとブレーキを操作し、マシンをコントロールする。
ヒュンダイは声明で、「ウィケンスの忍耐と粘り強さは、毎日続く身体のリハビリと治療において、ブレイクスルーをもたらしたのだ」と述べた。
「ウィケンスと彼のセラピストやトレーナーのチームは、脊髄損傷者のための革新的な技術や治療法を開発する先駆者となっている」
ミシュラン・パイロット・チャレンジの4時間レースは、1月28日の現地時間13時35分にスタートする。
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