レースレポート

IndyCar ポコノ

ポコノ決勝:パワーが今季初優勝! 佐藤琢磨、多重クラッシュで0周リタイア

インディカー第14戦ポコノの決勝は、ウィル・パワー(チーム・ペンスキー)が波乱のレースを制した。

松本 和己

編集: 2019/08/18 22:36

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Will Power, Team Penske Chevrolet

 インディカー第14戦ポコノの決勝レースは、悪天候により赤旗終了となり、ウィル・パワー(チーム・ペンスキー)が今季初優勝を果たした。

 雨で予選がキャンセルされ、エントラントポイントランキング順のグリッドとなった今回のレース。各車は決勝前日に行われた2時間のプラクティスを走ったのみの、ほぼぶっつけ本番状態で”トリッキー・トライアングル”の愛称を持つポコノ・レースウェイでの決勝レースに臨むこととなった。

 200周(500マイル/約805km)のレースがスタートすると、シモン・パジェノー(チーム・ペンスキー)が好スタートを見せ、チームメイトのジョセフ・ニューガーデンを交わしトップに浮上。しかし、スタート直後のターン2で5台のマシンが絡む大クラッシュが発生した。

 佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)とアレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート)、ライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)がターン2に向けて3ワイドとなった際、佐藤がロッシと接触したことが引き金となり、ハンター-レイを含めて3台がクラッシュ。さらに後方のフェリックス・ローゼンクヴィスト(チップ・ガナッシ)、ジェームス・ヒンチクリフ(シュミット・ピーターソン)も巻き込まれてしまった。 

 佐藤のマシンは完全にひっくり返って止まってしまい、トラックは一時騒然となったが、佐藤は大きな怪我なくマシンから脱出。ローゼンクヴィストのマシンがウォールに乗り上げ、デブリキャッチフェンスに接触するなどヒヤッとする場面もあったが、ドライバーは全員命に別状はなく、ローゼンクヴィスト以外はメディカルセンターでのチェックを終えてすぐにインタビューに応じた。クラッシュ後、しばらくマシンを降りられなかったローゼンクヴィストは、精密検査のため付近の病院に陸路で搬送されたが、こちらも検査の結果は問題なかったとのことだ。

 フェンスの修復やマシンの撤去作業もあり、レースは3周を終えたところで赤旗掲示。約45分間に渡ってレースが中断された。

 ペースカー先導で4周目から走行再開。3番手を走っていたウィル・パワー(チーム・ペンスキー)はタイヤがパンクしてしまったようで、ピットに入って13番手まで後退した。これでスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ)が3番手、サンティノ・フェルッチ(デイル・コイン)が4番手となった。

 9周目にレースが再開されると、ディクソンがうまくスタートを決め、ニューガーデンを交わして2番手となった。佐藤のチームメイト、グレアム・レイホールはフェルッチをパスして4番手に浮上した。

 トップのパジェノーの約0.5秒後方を、ディクソンが追走。さらにそこから1秒後方にニューガーデンが続き、各車が淡々と周回をこなしていった。

 30周を過ぎると、徐々に各車がルーティーンのピット作業を開始。先にピットに入ったマシンがパジェノーとディクソンの間に入った関係で、パジェノーが3秒ほどまでリードを広げると、37周終わりにピットに入り、実質トップを守った。ディクソンは翌周にピット作業を行うが、先にピットに入っていたフェルッチに先行されてしまった。

 すると、40周目にスペンサー・ピゴット(エド・カーペンター)がターン1でクラッシュ。ピットタイミングがずれている関係で、暫定トップを走っていたパワーがコーション前にピットに滑り込み、2番手で隊列に合流。一気に優勝争いに復帰する形となった。

 後方ではトップオフ(燃料注ぎ足し)を行うマシンもある中、トップ5はパジェノー以下、パワー、フェルッチ、ディクソン、レイホールというオーダー。ニューガーデンは、セバスチャン・ブルデー(デイル・コイン)に次ぐ7番手に後退した。

 レースは47周目にリスタート。パワーはターン1でパジェノーにアウト側から襲いかかるが、意地を見せたパジェノーがトップを維持。しかし翌周に今度はパワーがインサイドに入りオーバーテイク、トップに立った。ディクソンはフェルッチをパスし3番手。レイホールが10番手までポジションを落とし、マーカス・エリクソン(シュミット・ピーターソン)が一気に5番手まで上がった。

 51周目のターン1でパジェノーがパワーを抜き返し、再びリーダーチェンジ。一方この頃、赤旗中からマシン修復作業を行っていたヒンチクリフがレースに復帰した。ペナルティもあって49周遅れだが、少しでも多くのポイントを得ようとレースを続けた。

 5番手のエリクソンが蓋をするような形となり、フェルッチまでの4台が抜け出し先頭集団を形成。そんな中、66周目にニューガーデンがピットに入ったのを皮切りに、ルーティーンのピット作業2回目が始まっていった。

 71周目にパジェノーが周回遅れに引っかかった隙を見逃さず、パワーがパジェノーをオーバーテイクし、トップ浮上。パジェノーはこのタイムロスが響いたか、翌周にピット作業を終えるとディクソン、フェルッチの後方でコース復帰した。

 すると、コルトン・ハータ(ハーディング・レーシング)が73周目のターン1でクラッシュし、このレース3度目のコーション。トップのパワーは77周終わりでピットに入り、7番手に後退。今度はコーションが不利に働くことになった。

 また、このコーション中に、ロッシとハンター-レイがピットレーンにマシンを並べ、その後レースに復帰した。一方、ヒンチクリフはペースが上がらず、逆にマシンをガレージに戻した。

 トップ5はディクソン、フェルッチ、パジェノー、ブルデー、ニューガーデンというオーダーで、83周目にリスタート。上位3台のオーダーは変わらなかったが、88周目までにパワーが4番手まで挽回した。

 ディクソンの後方、0.5秒前後をフェルッチがしっかりと追走。そこから1秒ずつの間隔でパジェノー、パワーが続き、レース折り返しの101周目を迎えた。

 103周を越えると、3回目のピット作業を行うマシンが出始める。ディクソンは106周を終えたところでピットイン。1周前にピットに入っていたフェルッチの前でコースに復帰した。フェルッチは、さらにパジェノーにも抑えられてしまった。

 ハイペースで飛ばしたパワーがピットインしたのは110周終わり。ディクソンの後ろ、2番手でコースに戻った。パワーはマシンがバッチリ決まっているのか、ディクソンにプレッシャーをかけると、115周目にあっさりとオーバーテイクを成功させ、トップに浮上した。

 この頃には、ターン2、3方向から真っ黒な雨雲がサーキットに接近。各チーム、空模様と相談しながらレースを進めることになった。

 トップに立ったパワーは、121周目までにディクソンとのギャップを3秒まで拡大した。どうやら、ディクソンはピットストップ時にウイングのアジャストが真逆の方向に行われてしまったようだ。

 ペースが振るわないディクソンにパジェノーが迫る中、127周目に4度目のコーションが出された。周辺で雷が落ちていることからのコーションで、そのまま赤旗が出された。

 この時点で今季未勝利のパワーが首位。2番手にディクソン、パジェノーが3番手となった。フェルッチが4番手と、ルーキー最上位。ポイントリーダーのニューガーデンは5番手。ロッシは走行復帰し、ピゴットと同一周回まで挽回していたものの、18番手となった。

 結局、レースは再開されずそのまま終了し、パワーが今季初優勝を挙げた。今回の結果、ポイントリーダーであるニューガーデンのリードは35ポイントに。最終戦のラグナセカがダブルポイントだということを考えると、52ポイント差でランキング4位のディクソンまでが、残り3レースで熾烈なタイトル争いを繰り広げそうだ。

【リザルト】インディカー第14戦ポコノ:決勝結果

順位 ドライバー チーム 周回数 タイム 差 前車との差 Mph ポイント 1 Australia ウィル パワー United States Team Penske 128 1:53'45.8296     168.771   2 New Zealand スコット ディクソン United States Chip Ganassi Racing 128 1:53'51.2984 5.4688 5.4688 168.636   3 France シモン パジェノー United States Team Penske 128 1:53'52.9246 7.0950 1.6262 168.595   4 United States サンティノ フェルッチ United States Dale Coyne Racing 128 1:53'55.2993 9.4697 2.3747 168.537   5 United States ジョセフ ニューガーデン United States Team Penske 128 1:53'56.0067 10.1771 0.7074 168.519   フルリザルトを見る

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