ヤマハのビニャーレス、カタール“だけ”のテストを警戒。「他のコースでどうかを理解しないと…」
ヤマハのマーベリック・ビニャーレスは、2021年シーズンのプレシーズンテストがカタール1箇所でのみ行なわれることにより、マシン開発に悪影響があるのではないかと危惧している。
写真:: Gold and Goose / Motorsport Images
MotoGPの2021年シーズンに向けたプレシーズンテストが、3月6日から始まる。今年は新型コロナウイルスの影響により、例年の開催地であるセパンでのテストが中止。結果としてカタールテストに追加日程が設けられることになったが、マーベリック・ビニャーレス(ヤマハ)はこれをあまり歓迎していない様子だ。
近年のヤマハはカタールテスト、そして続いて開催される開幕戦カタールGPでは調子が良いことが多い。しかしビニャーレスは、カタールでのみテストが実施されることで、ヨーロッパラウンドに入った後に露見することの多い、YZR-M1の抱えている“安定性の問題”が見えづらくなってしまうのではないかと警戒しているのだ。
テストを前にmotorsport.comの取材に応えたビニャーレスは、カタールテストではカタール以外のトラックでどうなるかを理解していかなければならないと警鐘を鳴らした。
「確かに、僕らはひとつのコースでしかテストを行なわないからね」
今季のプレシーズンは、厳しいものに直面しているかどうかと訊かれると、彼はそう答えた。
「カタールは特別な場所でもある。2時から4時はトラックが埃っぽくてグリップが無いからね」
「だから僕らは、そこに取り組むことができるか、そしてポルトガルGPや残るシーズンに向けていろんなことを明らかにできるかどうか……それを見てみよう」
「カタールにはひと月いることになるから、みんな速くて難しいだろうね」
「それで自分たちがどの位置にいるのかを理解するのは大変だろう。だけど僕らは次のコースでどうなるかを理解すべく、十分に賢明でなくちゃいけない」
「だからどうなるか様子を見てみよう。テストの後になればもう少し話せると思うよ」
またビニャーレスは2020年の戦いを通して、レースウィークにパーツの開発を行ないつつ自分のレースを戦う必要があることが、妨げになっていたと感じている。
ビニャーレスはこの点は自分が迷走してしまう要因にもなっていたと考えており、2021年は新たにテストライダーとして着任したカル・クラッチローの存在によって助けられるだろうと期待を示した。
今季はペトロナス・ヤマハSRTから参戦するバレンティーノ・ロッシも、クラッチローは「違いを生める」と期待しているが、ビニャーレスも次のようにベテランへの期待を語っている。
「僕もバレンティーノと同じように感じている。クラッチローは違いを生み出せると思うんだ。僕にとっての問題の大部分は、レースウィークエンドに、多くのモノを試さなくちゃいけないという点がある」
「僕は自分自身の仕事をするのに十分な時間がないんだ」
「彼は違いを生めるだろう。思うに、彼は“イエス”と“ノー”が言える。これは最も重要な点だ」
「カルはそこが良いと思う。だから僕はカルにはとても信頼を置いているんだ」
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