インタビュー

スーパーGT

まるでフォーミュラ! クインタレッリ、新型GT-Rの進歩に太鼓判「2014年以降で最高のクルマ」

まもなく開幕を迎える2020年のスーパーGT。#23 MOTUL AUTECH GT-Rのロニー・クインタレッリは、今季のマシンは2014年以降で最高だと語った。

Jamie Klein 松本 和己

公開日時: 2020/07/16 8:00

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#23 MOTUL AUTECH GT-R

 今週末の7月18〜19日に富士スピードウェイでついに開幕を迎える2020年のスーパーGT。motorsport.comは#23 MOTUL AUTECH GT-Rのロニー・クインタレッリに独占インタビューを行ない、新車や富士で行なわれたテストの感触、今季に向けた意気込みなどを訊いた。

 その内容を、前後編に分けてお届けする。今回はその前編だ。

 富士スピードウェイで開催された公式テストで、日産GT-R勢は信頼性トラブルに悩まされた。また日産勢で最速タイムを記録したのは#24 リアライズコーポレーション ADVAN GT-Rのヤン・マーデンボローだったが、最速タイムを記録した#100 RAYBRIG NSX-GTの牧野任祐からは0.686秒遅れ。#23 MOTUL AUTECH GT-Rは、松田次生が約1秒差だった。

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 トヨタやホンダといったライバルに対して、不利が噂される日産勢。しかしクインタレッリは、富士テストのタイムはあまり気にしておらず、走り出しから感触が良かったと振り返った。

「富士では、すぐにいい感触を感じました」

 クインタレッリは、motorsport.comに語った。

「クルマにポテンシャルがあるように感じましたが、タイヤのテストに集中していたので、セットアップにあまり取り組むことができず、トラックにラバーが載った時に何かが欠けていました。ミシュランが持ってきた新しいタイヤで、アンダーステアに苦しんだんです。取り組まねばならないところは分っています」

「最初は以前と全く異なるシステムであるボッシュ製の電子制御に苦労していました。それも今では大幅に改善され、ドライバビリティは非常に良く、セッション1からすでに良いフィーリングでした」

「午前中のセッションではトップ3に入っていました。午後の最後の10分間、GT500クラスだけがタイムアタックした際にはトップ10に入っていないけど、正直なところラップタイムを追求してはいなかったんです」

 GT-R勢に発生した信頼性トラブルに関しても、対策は可能だと考えているという。

「他のクルマには駆動系のトラブルが起きたようですが、それは私達にも起こる可能性があるものでした。でも実際には発生せず、対応が正しいことが確認出来ました」

「また、富士テスト2日目は雨でした。これはトランスミッションやプロペラシャフトなどに対してデリケートなコンディションですが、私達はそれに対応するノウハウを知っていますし、僕たちのクルマでは問題は発生せず、対策可能だと思います」

 ミシュランのタイヤは、全てフランスで研究開発が行なわれている。クインタレッリによると、ミシュランはタイヤ競争ができるスーパーGTに精力的に取り組んでおり、コロナ禍の中でもタイヤの開発を進め、23号車や3号車(#3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R)に十分な数のタイヤを供給しているという。

「ブリヂストンと直接戦うことができる唯一のチャンピオンシップなので、彼らも力を入れているんです。彼らにとって、ブリヂストンは主要なライバルであり、互いにリスペクトしあっています。F1でも、非常に高いレベルで戦っていました。彼らがスーパーGTにカムバックしたのは、F1を去った後、ブリヂストンと戦える選手権がなかったからです」

「彼らは私達のためにファクトリーを再稼働し、タイヤを生産し、富士テストのために多くのソリューションを用意してくれました。開発の計画は進んでいるので、問題はありません。彼らも非常に熱心なので、何も不足はしていません」

 2020年のGT500クラスには、DTMとの共通技術規則”Class1”に基づいた新型車両が導入されている。クインタレッリは、ルールに適応した新たなベースモデルであるトヨタのGRスープラにアドバンテージがあることを認めつつ、今季のGT-Rは2014年以降で最高のマシンだと考えているという。

「このような機会に新たなベースモデルを導入するのは、アドバンテージであり、彼らは空力の面で完璧なクルマを作ることができます。一方、僕たちは2008年からGT-Rでレースをしているので、それほど大きく変えることはできません」

「スープラは予想通り速かったですが、ホンダの速さの方が印象的でした。今のスーパーGTは、マニュファクチャラーやタイヤメーカー、ドライバーのレベルがとても高いです。もし何か少しでもミスをしたら、下位に沈んでしまいます」

「でもClass1規定が2014年に導入され始めて以来、このクルマは僕がドライブした中で最高のクルマです。まるでフォーミュラカーのような感じで、ドライブしやすいんです」

 では、従来のマシンに比べてどんな点が改善されたのか。そう訊くと、彼は次のように付け加えた。

「最も大きいのはブレーキングです。特にハードブレーキングしている時ですね。以前はリヤの安定性に少し苦労していたため、コーナーに深く突っ込めない時がありました。ブレーキングと、コーナリング時のバランスを上手く保てるような、セットアップの妥協点を見つけるのが難しかったです」

「新しいクルマは、ブレーキングでとてもバランスが取れています。ハードブレーキングが必要なコーナーですぐに快適だと感じられました。昨年はフロントのダウンフォースにも苦労することがありましたが、空力特性が改善され(1月の)セパンテスト以降、フロントのダウンフォースが増えバランスも改善されているんです」

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