F1 日本GP

「挑戦してみなきゃ分からない」ハースF1の”ナンバー2”小松礼雄、未来のF1エンジニアへエール送る

ハースF1でチーフエンジニアを務める小松礼雄が、未来のF1エンジニアに「やってみなきゃ分からない」とエールを送った。

滑川 寛

公開日時: 2022/10/12 7:30

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Ayao Komatsu, Chief Engineer, Haas F1

 今年のF1日本GPは、2021年にF1デビューを果たした角田裕毅(アルファタウリ)が初の母国GPとして注目が集まったが、F1チームに携わる日本人は彼ひとりではない。

 ホンダ・レーシング(HRC)を除いても、マクラーレンでダイレクター・レースエンジニアリングを務める今井弘や、アストンマーチンでシニアタイヤエンジニアを務める松崎淳、ウイリアムズでメカニックを務める白幡勝広……その他にも多くの日本人が、F1という舞台で活躍している。

 述べ20万人が訪れたという今回の日本GP。鈴鹿サーキットに足を運んだファンの中には、F1ドライバーを夢見る子どもたち、そして何らかの形でF1チームで働きくことを志す者もいただろう。

 そんな彼らに向けて、ハースF1でチーフエンジニアを務める小松礼雄が激励。彼もまた、若かりし頃にF1エンジニアを志し、日本から世界へ飛び出していった人物のひとりだ。

「『やりたいと思うことがあれば踏み出さなきゃ』ということですね」

 そう小松は言う。

「やっぱり、コロナにしろ何にしろ、いつの時代も障害はある訳です。ちょっと難しいことがあるからやらないとなるのであれば、最初からやらなければいい話です。それを乗り越える手段を考えるべきなんじゃないでしょうか」

「昔に比べたら、今はインターネットもメールもあります。情報もいっぱい入ってきますから、すごくやり易くはなっていると思います。障害があっても、本当にやりたいことであれば乗り越えられると思うんですよね」

「メールやメッセージを僕に送ってくる人もいます。ただ、一回返事がなかっただけで諦めるんだったら、そこまでのこと。やる気があったら、やればいいんですよ」

 そして失敗も必ず成長の糧になるとして、まず一歩を踏み出す勇気が重要だと小松は続ける。

「やってみなきゃ分からないじゃないですか」

「あまり遠い未来のことを考えないで、今やれることをやったら次が開けると思うんですよ」

「僕にはみんな止めろって言ってきて、誰もこんなことやれるだなんて言ってくれませんでした。でも、そんなの聞いていたら、何もできないじゃないですか」

「もし結局やれなくても、それはそれで良いと思うんですよ。失敗しても挫折しても、全力尽くしたら、絶対に次に繋がる良いことがあると思うんですよ」

「やらなかったら後悔しかないと思うんです。それが僕の考え方です」

Fernando Alonso, Renault R28 leads Robert Kubica, BMW Sauber F1.08

Fernando Alonso, Renault R28 leads Robert Kubica, BMW Sauber F1.08

Photo by: Steve Etherington / Motorsport Images

 若かりし頃、F1エンジニアを志した小松は、高校卒業後に単身渡英。語学学校と大学の予備コースを経てイギリス・レスターシャーにあるラブバラー大学の自動車工学に進学。同大学の大学院を経た後、2003年からBARに加入し、F1の世界に足を踏み入れた。

 2006年からはルノーF1へ移籍。パフォーマンスエンジニアとしてトラックサイドチームに帯同した2008年日本GPが、小松にとって初めての母国GP”参戦”となった。そのレースを制したのは同チームのフェルナンド・アロンソ……自身の夢を唯一信じてくれた両親の目の前で結果を残せたこのグランプリが、強く心の中に残っていると小松は言う。

「僕が初めてレースチームのスタッフとしてF1日本GPに来たのは、富士スピードウェイの時でした」

 そう小松は続ける。

「たまたま、僕の家族が来てくれた時に、なんとフェルナンド(アロンソ/当時ルノー)が勝ってくれました」

「僕が『F1やりたい』と言っていた中学生、高校生時代に信じてくれたのは両親だけでした。他の人はみんな『何バカ言ってるんだ』という感じで、行くだけムダだとも言われました」

「それでも初めて帰ってきた時のレースで、信じてくれていた両親などの前で結果を残せたのはすごい嬉しかったですよ」

「それから、僕が1999年にF3やっていた時に出た記事を読んで、F1やりたいから(イギリスの)ラフバラー大学へ行って、今ウチのファクトリーで働いている子がいるんです。すごい出来る子なんですよ」

「そういうこともあって、日本GPには特別な思いがあります。ロマン(グロージャン)が先頭に切り込んでいってくれた時など、喜んでくれる人の前でパフォーマンスが発揮できた時は、本当に嬉しかったです」

 

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