さらばマクラーレン。リカルド「ベッテルの猛追を抑え込めたことは自信になった」と9位入賞でF1キャリアに一旦ピリオド
マクラーレンのダニエル・リカルドは、F1アブダビGPで9位入賞。今季限りでシート喪失となる彼にとっては一旦F1ラストレースとなるものの、その終わり方については満足できる部分もあると考えているようだ。
Daniel Ricciardo, McLaren, on the grid with his team
Steven Tee / Motorsport Images
ヤス・マリーナ・サーキットで開催されたF1の2022年シーズン最終戦。来季はグリッドから離れる事となっているマクラーレンのダニエル・リカルドは、ラストレースでの9位入賞という結果にある程度満足できると考えている。
13番手から決勝レースをスタートしたリカルドは、大半のドライバーが2ストップ戦略を採る中で、ミディアムタイヤからハードタイヤへとつなぐ1ストップ戦略を敢行し、角田裕毅(アルファタウリ)らの前に出た。先行するルイス・ハミルトン(メルセデス)とフェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)がマシントラブルによりリタイアを選択し、同じタイヤ戦略で後方から猛追してきたセバスチャン・ベッテル(アストンマーチン)を抑え込み、9位でチェッカーを受けた。
リカルドだけではなく、今季限りでのF1引退を発表していたベッテルにとってもアブダビGPがラストレース。2014年にはレッドブル・レーシングでベッテルとコンビを組んだリカルドは、自信とベッテルの入賞を喜んだ。
「僕は満足しているよ」
リカルドはレース後にそう語った。
「(他車と接触した)ブラジルのようなレースではなく、このような形でシーズンを終えることができて嬉しいし、ホッとしている。チェッカーフラッグを受け、ポイント圏内でフィニッシュできたことで、今年の終わり方が少しばかりハッピーになったような気がする」
「もちろん、この先どうなるかは分からない。だからこでが僕の(F1での)最後のレースになったとしても、少なくとも最後の方はベッテルと良いバトルができたと言えるし、自分のパフォーマンスにも少しは満足できると思う。だから、その点ではホッとしているよ」
レース前、リカルドはF1でのラストレースになるかもしれないという感情にかき乱されないよう走りに集中していたという。
「正直に言うと、僕はあまり感情的にならないようにしたんだ」
リカルドはそう語る。
「それは絶対的なモノじゃないからね。もしかしたら感情的になっていたかもしれないし、そうじゃないかもしれない。でも1レース残っていた。感情や沢山の思い出……そういったモノで”上書き”されたくはなかったんだ」
「僕はただ集中して、全てを受け入れ感謝することを心がけていた。でも結局は集中して、58周のレースに全力を注ごうと思っていた」
Daniel Ricciardo, McLaren MCL36
Photo by: Zak Mauger / Motorsport Images
リカルドは前戦サンパウロGPの決勝レースでケビン・マグヌッセン(ハース)と接触した責任を取られ、最終戦アブダビGPで3グリッド降格ペナルティが科されることとなった。そのため、リカルドは予選でQ3進出を果たし、10番手タイムを記録したものの、決勝レースは13番手からのスタートとなっていた。
結果として9位入賞を果たしたものの、トップ10からスタートしていればさらなる上位を望めた可能性もある。そうした悔しさはあるか、そうmotorsport.comがリカルドに訊くと、彼は次のように答えた。
「しょうがないことだよ。先週のレースの後は、まだ(接触の責任を)拒否とはいかないまでも、その渦中にいるような感じで、なかなか折り合いをつけるのが難しかった。でもその翌日にレースを観て『ああ、やっぱりそうだった。僕の判断ミスみたいだ』ってなったんだ。だからペナルティは当然だと思うし、僕以外の誰かを責めることはできない」
「そのことを受け入れてからは、ただひたすらベストなレースをしようと集中したんだ」
「ペースについては、今回も全てを出し切るのはまだ難しいという状況だった。だけど、自分の持ち味を活かして、上手く攻めて上手く守れたと思う」
「ベッテルがあのペースで追い上げてくるのは確実だったから、それを抑え込めたことは大きな自信になったし、ルイス(ハミルトン/メルセデス)の不運でセブ(編注:ベッテルの愛称)がキャリア最後のポイントを獲得した。そのことが彼にとっても、僕にとってもちょっとだけ嬉しいんだ」
Daniel Ricciardo, Red Bull Racing, celebrates victory alongside Christian Horner, Team Principal, Red Bull Racing, Helmut Markko, Consultant, Red Bull Racing and Adrian Newey, Chief Technical Officer, Red Bull Racing
Photo by: Andrew Hone / Motorsport Images
なお、リカルドはリザーブドライバーとしてレッドブル陣営に加入する予定となっている。レッドブルのモータースポーツ・アドバイザーであるヘルムート・マルコが公言し、レッドブル・レーシングのクリスチャン・ホーナー代表が加入を認めたものの、契約自体は締結が完了されていないという状況。リカルドは「不測の事態が起きない限りは、来年はそうなると正直に言える」として発表はまもなくと示唆している。
リカルドはリザーブドライバーとして、レッドブルとアルファタウリの2チームのサポートを行なう他、イベントでのデモランを始めとするプロモーション業務にも従事することとなる。
ただ、F1史上最長24戦で争われる来季全てのレースに帯同することはないとリカルドは言う。
「たとえ他のチームで役目を負うこととになったとしても、24戦全てに行くつもりはないよ。24戦も行くなら、僕はグリッド上に留まってレースをしているはずだよ」
「ただハッキリとさせておきたいのは、僕はまだ関わっていたいと思っているけど、僕個人としては自分の頭の中を整理するために移動とか色々なことから離れる時間が必要だということだ」
そして帯同するレースの場所ついて尋ねられたリカルドは、次のように答えた。
「ラスベガスはもちろん行くよ。たとえチームとして参加していなくても、自分でベガスに行くつもりだ」
「あとはオーストラリアなど、絶対に行くことになるレースもある。あとビジネスを的な面でも、パートナーがいるから、何レースかには参加するけど十数となることはないだろう。せいぜい10レースくらいかな」
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